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FLY FISHING in A沢(宮城県)

7月10日(土)、宮城県鳴瀬川水系A沢に出向いた。左手親指付け根靱帯損傷からの復帰第一戦である。前日昼休みにほぼ1ヶ月ぶりに#4のロッドを振ってみたが手術する前に感じていたバックキャスト時の親指の痛みは完全に消えている。とりあえず一安心だ。早速釣り仲間にメールを出して週末の予定を確認した。 その一人、高村さんと都合が合わせられそうだ。メールでいろいろやりとりしているうち、昨年訪れたA沢の話題があがった。そういえば昨年、高村さんも一度行ってみたかったと言っていたのを思い出した。ということで目的地はA沢に決定した。当日、高村さんは夕方から用ありとのことなので夜討ち朝駆けで行くことになった。

天候は曇、今にも雨が降り出しそうだ。AM3:30、高村さんが家まで迎えに来てくれた。子供も妻も熟睡している中、こっそりと泥棒のように家を出た。国道4号を北上しU沢ダムを目指した。今年は雪が多く雪代も多かったはずだが、ここほど梅雨の晴れ間が続いたためかダムの水量がかなり減っていた。上流部に位置するA沢の水量がちょっと心配。ダムを抜け、バックウォーターのU沢の様子を林道から確認したが水量はさほど心配しなくても良さそうだ。
 心配といえば、春頃に付近の国道が土砂崩れで長期通行止めになるような豪雨に見舞われた。その豪雨の影響で土砂崩れが発生していて、2つの堰堤が土砂で完全に埋まり平坦な流れに変わってしまっていた。A沢は大丈夫かな・・・ 林道の終点の車止めまで行こうとした車を進めると、なんと「車両通行止め」のバリケードがあるではないか!!どうやらこの先で工事が行われているようだ。まだ朝も早いこともあり工事関係者はいないようだし、「車両じゃなければ通ってもいいだろう」と勝手に判断してここに車を止め、入渓準備をした。

高村さんは自作のバンブーを使うようだ。入渓する前にちょっとだけ振らせてもらったが、しなやかだけどバット部がしっかりとしていてトルクが感じられる。俺が今使っているORVISのPMとは物が違うと言った感じ。さすがにバンブーには手が出ないのでグラスのロッドがほしくなった。自作でもしようかな。

AM5:30に入渓、天候小雨、気温18℃、水温10℃。この時期にしては水温は低めだ。しかし時折魚影が確認できる。今回の釣行の目的地はA沢なのでそこまでは大場所のみを攻めあがった。誰でも攻めそうな場所だけに釣り切られたのか水温が低いせいか、それとも腕が悪いのか反応はすこぶる渋い。というか反応がほとんどない。A沢に入るまで俺に1回アタリがあったのみ。まあ本番はA沢だから良しとしよう。
 ふと河岸を見ると林道が見えた。アレ??確か車止めはとっくに越しているはずだけど・・・林道に上がってみてビックリ!砂利に敷き詰められた整備された林道が続いている。どうやらかなり上流部まで林道が拡張されたようだ。上流部までのアクセスは楽になるがそれだけ人も入りやすくなる。それに林道が延びたと言うことは堰堤でも造るんだろうからU沢はしばらく釣りにならないかもしれないな。
 急いで釣り上がり出会いに着いたのがAM9:30、ここでちょっと一休みした。高村さんがベストを脱ぎ背中のポケットからなにやら取り出した。「フーッ、重かった。」なんとコーヒーセットを持ってきていたのだ。小雨の中、小型のストーブで湯を沸かしインスタントドリップに注ぐ。辺りに何とも言えない香りが漂った。ちょっと低めの気温と山岳渓流の風景がよりコーヒーの味を引き立ててくれた。今度から俺もやろ。

 A沢を釣り上がったが渓相がかなり変わっていた。倒木があちらこちらに見られ、土砂崩れも多く流れを大きく変えてしまっている場所もあった。巨大な岩石も下流に転がってきている。自然はホントに怖い。
 俺と高村さんは一定間隔をおいて順番に釣り上がった。U沢よりは反応がいいようだが相変わらず渋い。ポイントを丹念に攻めたが食ってくれない。フライもいろいろ変えたがダメだ。高村さんは流心の巻き返しで1匹上げたようだが、俺は相変わらずボウズだ。結構奥まで釣り上がったが状況は変わらず引き返す時間となってしまった。 釣れないときの帰りは非常に長くつらく感じる。まあ、釣れない日があるから釣れるとうれしいのだ自分に言い聞かせながら川を下った。
 というわけでボウズにつき写真はなし。次回こそ復帰1匹目をゲットするぞ。



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