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FLY FISHING in 湯ノ湖(栃木県)

7月19日(月)、栃木県にある湯ノ湖に出かけた。湯ノ湖は奥日光の栃木県と群馬県の県境近くに位置し、中禅寺湖とならび湖沼のフライフィッシィングのメッカである。また湯ノ湖は湯滝を経て戦場ヶ原を流れる湯川の水源でもあり、湯川でもフライフィッシングが楽しめる。
 学生時代にはその存在は知っていたが、タックル等の制限もさることながらテクニック不足を感じていたので「メッカ=聖域」である中禅寺湖、湯ノ湖には手出しできなかった。あれから4年、「自分のフィッシングスタイルも何とか確立できてるし、技術もそこそこ身に付いてきたかな」といううぬぼれから湖沼のフライフィッシィングに手を出すことに決めたのだ。
 妻に頼み込んで高番手のロッドとそのロッド用のリールも手に入れた。少ない給料から俺の道楽費を絞り出してくれる妻にはホント感謝である。

17日から4連休が取れたので金曜日の夜に妻の実家がある栃木県今市市に向かった。仙台IC-大沢今市IC間の高速道はほとんどが雨で、所々まさにバケツをひっくり返したような土砂降りに見舞われた。ワイパーが忙しく動きすぎでそのせいで少し気分が悪くなってしまった。その晩は妻の実家でも大雨となっていた。幸いなことに、17、18日と予定があり釣りには行けないのでその間に水況が回復してくれれば良いのだが・・・

そんな願いが叶ったのか、あいだの2日は土砂降りすることもなく、時折晴れ間も覗く天候だった。日中の用件も「心ここにあらず」と言った感じでボーっと廃人のように過ごし、夜は人が変わったかのようにタイイングに打ち込んだ。2日間でドライのメイフライ、カディスパターン、ニンフ、ソフトハックル、ゾンカー、マラブー、ウェットと持てる技を駆使してフライボックスをいっぱいにした。これだけでもかなり満足してしまった。

霧に煙る湯ノ湖
霧に煙る湯ノ湖
いよいよ釣行当日、下界はくもり時々晴れのまずまずの天候だ。妻がチャイルドシートの乗っている愛車グランドワゴンを使うというので、妻のお母さんのデミオに道具を積み込んだ。結構広くて使いやすい。
 13:00ちょうどに出発、連休だということもありR119は比較的混雑している。こんな時に宇都宮で過ごした6年間が役に立つ。妻の教えもあり、ホントに地元の人しか知らない裏道を快調に走る。ふと男体山を見ると霧が濃く発生している。案の定いろは坂付近では視界が10mもないという状況だった。とりあえず中禅寺湖畔に車を止め湖面を確認したがやはりものすごく増水していた。通常ならフライフィッシャーが立ち込んでいる場所はほとんどが水没している。どうりでいつも車が止まっている路肩に全く車がないわけだ。金谷ホテル前も桟橋が水没しそうな勢いで増水していた。中禅寺湖でできないとなると湯ノ湖に人が集まるだろう。場所が確保できるだろうかという不安を抱えつつ、14:30に湯ノ湖に到着し、陸っぱり入漁券を2000円で購入して準備を始めた。やはり湯ノ湖も濃い霧に覆われていた。考え方を変えれば非常に良い雰囲気だと思うのは俺だろうか?

濃い霧が時折小雨に変わるので、レインジャケットをベストの上に羽織って湖岸に向かった。帰る人の状況を聞いたところ、朝の5:00から竿を出していたがライズなし、沈めても反応鈍くレインボーを1匹かけただけとのこと。長雨が続き水温が低下したのと濁りが出てしまったのが影響しているとのことだ。まあ、今日のところは練習のつもりで来たので、釣れなくて当然、釣れれば万々歳だ。でもイブニングねらいの時間帯に合わせて来ているところが釣り人の下心見え見えである。
 先に立ち込んでいる人が結構多かったが、少し待つとずいぶんと人が減ったので他の人の迷惑にならない場所を選び、ティペットにソフトハックルを結んでキャスティングを開始した。最近ORVIS CFOWのエクストラスプールに入れたシューティングラインをダブルホール(もどき)でキャスティングするのだが、思ったほど距離が出ない。親指付け根の靱帯縫合手術から復活して間もなかったので、このシステムでキャスティング練習をあまりしていなかったのが悔やまれる。 ライントラブルの原因になるので無理にラインを出さずに釣ることにした。しかし腕が悪いのかホントに状況が悪いのか全く反応が感じられない。フライもいろいろ変えてやってみたが渋いの一言。気になって横目で周りを観察したがやはりどこも渋いようだ。

 17:00を回るボート組も引き上げ、立ち込み組の数もかなり減ってきた。ここに来て霧が少し晴れ、日が射し込む時もあり釣れそうな感じが漂ってきた。湖面には時折ライズも見られるようになった。う〜ん、一匹上げたい、そんな考えが頭を支配してきた。しかし状況は変わらず時間だけが過ぎていった。ライズ数は時間を追って多くなり、鳥も水面近くを飛んでいるのでなにかしらハッチしているのは分かったが、それが何かは判断できなかった。
 19:00、周りに人の姿はほとんどない。気温もぐっと下がり、さすがに手術した指も悲鳴を上げてきた。それまでタイプUで粘っていたが、ライズもあることだしドライで釣ってみた。フライはとりあえず#16のメイフライ、散発ではあるが、定点ライズがあったのでそこを狙ってキャスティングした。うぅっっっっっっ、届かない・・・。何度やっても同じで、ライズの遙か手前にフライが着水するという虚しい現実があった。
 19:45、もうフライが見えない。ということで終了。釣果は予想通り「ボッ」だった。というわけで前回に引き続き今回も写真はなし。次回の湯ノ湖釣行は8月第一週の2〜3日を予定している。それまでにラインの距離を出せるようにキャスティング練習に励まねば。



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