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夏休み釣行第2弾! FLY FISHING in 湯川(栃木県)

湯川の渓相(ゴーストポイント周辺)
湯川の渓相
 8月5日(木)、夏休み釣行2日目となるこの日は栃木県は奥日光湯川を訪れた。湯川は観光地で有名な日光の奥に位置し、戦場ヶ原湿原を流れる河川である。湖沼のフライフィッシングで有名な湯ノ湖と中禅寺湖の間を結ぶ河川でもあり、マッチ・ザ・ハッチが楽しめることで全国的に有名な河川だ。
 以前の釣行記にも書いたが、フライを始めた学生時代に栃木県に住んでいた私にとって、中禅寺湖、湯ノ湖、そして湯川は「聖域」だった。「技を持たざるもの、入るべからず」といった感じである。しかしフライを初めて6年目、そろそろ「技」も身に付いてきたことだし腕試しの意味を込めての釣行だ。

 14:00、妻の実家を出発し戦場ヶ原の入口にある赤沼茶屋を目指した。平日ということもあり、土日には渋滞になるほど混雑する日光までのアクセスルートも快調にくぐり抜け、15:00に当地へ到着した。
 入渓の準備をしていると1人のフライフィッシャーが湯川から戻ってきた。状況を聞いたところ少し入った「大曲がり」の辺りの魚影が濃いということだ。私はフライフィッシャーを見かけたら必ず挨拶をし、状況を伺うようにしている。こういった情報収集もその日を釣果を左右する要因の一つだ。  「大曲がり」と聞いてその位置がだいたい把握できた。というのも実は夏休み釣行を開始する前日の8月3日、家族サービスのハイキングにかこつけて赤沼茶屋−湯滝間をライズを見つけながら散策したのだ。当然妻にはバレバレだったが理解してくれた妻にいつも通り感謝感謝。

初めてのブルック・チャー
初めてのブルック・チャー
 天候/曇り|雨、気温/25℃、水温/14℃、快晴続きの天候と比べると少し肌寒い。小型カディスのハッチを確認。
 15:30から赤沼茶屋下流部より入渓し、ライズを探しながらドライを中心に釣り上がった。以前写真で見た湯川は透明度があり、川底にはバイカモが繁殖し流れの緩やかなチョークストリームだったような気がする。実際に川に立つと、透明度はあまり感じられずバイカモも所々にしか生えていない。どうやら1998年夏の豪雨と湯ノ湖の工事が影響してここ数年はこんな感じだというのは別のフライフィッシャーからの情報。
 フライフィッシャーの他に餌師が何人か入っていたが気にせず間隔をおいて河岸のブッシュ下に#18のタンカラーのカディスを打ち込むが反応が全くない。マッチ・ザ・ハッチの川だけにライズがないとドライでは厳しいのか?
 釣り上がっていくとまた別のフライフィッシャーに遭遇した。その人は話を聞くと湯川通いをしているらしい。フライは?と聞くとオドリバエがハッチしているので#18k〜#22程度の黒っぽい奴であれば食いにくるという。オドリバエパターンは用意してなかったが早速黒っぽいカディスに変えてライズを探す。がライズがない、というか見つけられない。先の人は同じようなポイントでライズを見つけてはメインターゲットのブルック・チャーを上げているのに・・・今日は初の湯川だし釣れなくてもいいやと思いつつも初ブルックへの思いが募る。
 ゴーストポイントの少し手前に差し掛かったとき雨が落ちてきた。ドライでダメならウェットでと#16のパートリッジ&グリーンをティペットに結び朽ちた倒木の際に沈めるようにフライを流す。倒木の際に差し掛かり、フライにドラグが掛かって表層に浮いてきた瞬間「コツッ」という軽いアタリが感じられた。ラインを手元にたぐるとどうやらイワナのようだ。ん??待てよ、普段見慣れているイワナとちょっと違う。よく見ると白に縁取られた黄色とオレンジ色の反転、背中のタイガーパターン、そして胸ビレ&尾ビレの白色の外縁、これはもしかして・・・そう、めでたく初湯川で初ブルック・チャーをゲットできたのだ。体長20cmサイズは小さいものの久々に興奮した。

うれしいのでもう1匹(斑点の色が分かるかな?)
うれしいのでもう1匹
 18:00を回った頃には大曲がり手間の流れが変わるポイントに差し掛かっていた。この時間帯になると流れのあちこちでライズを確認できる。アカマダラのハッチが多かったようなのでそれにパターンを変え、ライズめがけてダウンクロスでフライを打ち込む。フリッピングでラインを送りナチュラルドリフトでライズポイントに入ったとき「ビシャッ」と派手にライズしてフライに食いついた。こちらも20cmのきれいなブルック・チャーだ。これもその後も上流200mほどライズの釣りを楽しむことができた。
 大曲がりに差し掛かったとき突然強い雨が降り出した。普通の雨なら続けるところだがかなり雨足が強いし、おまけに辺りのは誰もいない。遊歩道はあるものの初めて釣りに来た場所だし、奥日光とはいえ高地の天候も油断は禁物と判断して竿を納めた。
 興奮気味で正確な釣果は忘れてしまったがAve.20cmのブルックが7匹ぐらいだったような気がする 私の腕前では大きいのには相手にしてもらえないらしい。 もっとやれればもっと釣れたと思わせる状況だっただけに雨が悔やまれる。
 でも、ゆったりとした流れの中で気持ちよくキャスティングでき、シビアな釣りが楽しめる湯川がフライフィッシャーの心を魅了するのは理解できたような気がする。 今度は5〜6月の最盛期に是非訪れたいものだ。


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