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 禁漁直前釣行第1弾 FLY FISHING in 湯川(栃木県)

湯川の渓相(ヤツモモウラ周辺?)
湯川の渓相
 9月23日(木)、禁漁直前の栃木県は奥日光湯川を訪れた。湯川を訪れたのは今回で2度目で、前回来たときには初のブルック・チャーを手にすることができ、湯川の魅力の一端を感じることができた。しかしそれは本当に「一端」であり、湯川の流域、ポイント、ハッチする水生昆虫の種類などまだまだ知らないことが多すぎる。そこで今回は湯川を知る第一歩として「赤沼前〜青木橋間の流域把握」を目的として釣行に臨んだ。

 最近妻の実家から釣りに出かけるときには昼食後、一服してからの14:00というのがお決まりとなっている。この時間に出発しても釣りが楽しめてしまう、本当にすばらしい立地条件だ。それを狙って結婚したというのもまあ理由の1つかな。そんなことはさておき、国道120号線を戦場ヶ原の入口にある赤沼茶屋を目指した。前回と同様平日ということもあり、渋滞もなく15:00に当地へ到着した。
 早速釣券を購入し、身支度を整え、遊歩道を上流に向かって歩き出す。赤沼茶屋でもらった地図と雑誌の特集記事のコピーを照らし合わせながら進んだ。「ゴーストポイント」や「赤土手」は前回来たときに把握済みだったのでその先の「立ち入り禁止看板」へ急いだ。地図ではこの途中に「第一小屋跡」と「大曲がり」があるが場所が分からなかった。「立ち入り禁止看板」より下流にあるのでおそらく通過してきたのだとは思うがはっきりと分からなかったのでどうもすっきりしない。
 前回来たときは「立ち入り禁止看板」に躊躇して入渓しなかったが、地図をよく見ると「左岸の湿原立ち入り禁止区域」と書かれている。ということは右岸は通れるということだと判断して先へ進んだ(間違っていたらごめんなさい。環境破壊ですね。来年はちゃんと赤沼茶屋の方に確認しますn(_ _)n)

本日の1匹目のブルック・チャー
本日の1匹目のブルック・チャー
 ここから本格的に釣り上がることにした。まずは簡単なフィールド情報。
 天候/晴れ|曇り、気温/17℃、水温/12℃、前日までの雨のため少し濁っている。水生昆虫のハッチ特定できず。
 写真右の木立の奥に、下流から見て流れが左に変わるポイントに比較的大きなエグレがあった。対岸からそのエグレの岸側ギリギリのところに#16の濃色系のエルクヘアカディスをキャストして時々メンディングを加えながら様子をうかがった。出るとしたらここかな、というような流れが岸にぶつかるまさにそのポイントできっちり出てくれた。湯川のブルックは本当に素直だ。残念なのはいかにも成魚放流の魚体であることだが、それは贅沢というものだろう。とりあえず1匹目に感謝。
 この先の流域は川幅が狭くなり、流れも急で水深も結構ありウェーディングは無理そうだ。しかしちょっと周りを探すと右岸の藪に人の通った跡が道となって残っている。この道を通って岸から竿を出しながら釣り上がっているのだろうことは想像できる。確かに岸から川面をのぞき込むと数匹のブルックがバイカ藻の上をユラユラと泳ぎながら、時折何かを捕食している。これはチャンスと思い、早速カディスを流した。フライがブルックの鼻先に来たとき「スーッ」とフライめがけて浮上してきた。「もらった!」と思った瞬間、定位していたポイントに戻ってしまった。それからフライをとっかえひっかえ間隔をおいて何度か流してみたが結果は同じだった。反応はするが食いつかない。フライセレクトが甘いようだ。しかし手持ちのフライはほとんど試したので諦めざるを得ない。まさに「見える魚は釣れない」状態だ。まだ湯川でハッチする水生昆虫をできてないので仕方ないと自分に言い聞かせてその場を去った。

 しばらく右岸を藪こぎし、水面を眺めながら釣り上がったが、どこからかともなく「ゴロゴロッ」と雷の音が・・・。大学で雷の研究をかじった私にとって雷の後の天候は想像に難くない。風向き、雷鳴の聞こえる方向、稲妻が光ってから雷鳴の聞こえる時間等を考慮して、この後戦場ヶ原を襲うだろう強烈な雷雨の降り出すまで時間を大まかに計算する。
 どうやら今日は納竿したほうが良さそうだ。案の定いろは坂を下っている途中で土砂降りとなった。明日は湯の湖の予定だが、その前に湯川で今日の続きしよう。
 釣果はあったが今日の本来の目的は達成することはできなかった。おまけにこの文章は全然釣行記ではなく単なる覚え書きになっている気がする。ここまで読んでくださった方には申し訳ない。読んでくれる人をそのフィールドにいる気分にさせるような文章の書き方、写真の撮り方も勉強したい。


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