第十二章 鯉の名言・金言・格言
鯉は一日一寸
1尺の大きさの鯉を釣ろうとすれば、10日通ってようやく釣れるという具合に、鯉は他の魚に比べ、滅多に釣れない難しい魚である事を現した言葉である。
ただ、私は又違った解釈もしている。それは、一日一寸と言うほど小さな事の積み重ねが必要であると言うふうに考えるのである。すなわち、普段毎日の不断の努力が難事を乗り越えるには必要であると思うのだが如何かな。
鯉はカ−ブを釣れ
カ−ブとは、地形の変化を現し、それには三次元のカ−ブがあります。それは岸辺のカ−ブ、水底のカ−ブ、水深のカ−ブの三次元です。地形の変化するところは、必然的にエサが溜まり、鯉のポイントとなるところが多い訳です。
鯉はひとのし
この言葉はリ−ルが使われる前に作られた言葉で、鯉の引きは割りと単純で、最初の引きが最も強く、それさえ凌げれば後は簡単に釣れるという事を現した言葉です。しかし、大物になるほどそれを凌ぐ事は難しくなり、リ−ルを使う釣りでは、無理に引き留める釣り方はしないで、糸を繰り出して鯉を走らせる方法を採るため、如何に鯉を掛かりに入られないようにやり取りをするかというテクニックの方が重要になっています。
大物は忘れた頃にやって来る
大物は滅多に釣れないため、釣り人が辛抱できないで、竿から離れた時に良くアタリが出る事を現した言葉です。しかし、この言葉には重大な示唆が含まれています。それは、釣り場から離れる事により、人の気配を魚に気付かれ無くなった為にアタリが出るという事を現しているのです。
渓流釣りでよく使われる、石化け・木化けという言葉がありますが、これに通じるものがあります。
果報はは寝て待て
これも、上の言葉と同じような意味を含んでいますが、最近のセンサ−を使う釣り方で は、こういう状態でアタリを待つことも多いようです。
爼の鯉
鯉の潔さを現した言葉で、針に掛かった鯉は水中では猛烈に抵抗しますが、釣り上げられるとおとなしくなります。そこで、淡水魚の王である鯉に敬意を表して用いられているようですが、実際には釣り上げられても激しく暴れる鯉もいて、小型のものや野性が強いほど暴れるようです。
鯉には恋に引っかけた言葉も数多いようで以下のようになります。
鯉は焦らず
鯉は中々簡単には釣れないため、短時間でポイントを変えたり、仕掛けを変えたり、エサを変えたりする事を戒める言葉です。
鯉は盲目
鯉釣りに夢中になると、仕事も家庭も何もかも目に入らなくなり、一切合財何も見えなくなるのを戒めた言葉です。
鯉ほど素晴らしいものは無い
惚れるとアバタもえくぼになります。
鯉は辛いものである。
鯉は簡単に釣れない事を現している。
鯉は天国、鯉は地獄
鯉釣りに夢中になると最高に楽しく面白いものですが、逆に、それ以外の事がおろそかになり、気が付いたら取り返しのつかない状態になっていたという事を現している。
鯉は釣れた所がポイント
これは如何にも当たり前の言葉に思えますが、非常に示唆に富んでいます。すなわち、鯉が一匹でも釣れた所は、釣れる為の条件を含んでおり、他の所よりは釣れる確立が高いということです。