第五章  野鯉の釣り方

<初級>

 1.数多く経験を積む為に釣りやすい所から始めましょう。

    初級者の場合経験があまりありませんので、まず習うより慣れろという事で、できるだけ経験を多く積むためになるべく釣り易いところから始めることが大切です。100回のボ−ズより1匹の釣果の方が、役立つ経験となります。

 春秋の釣りやすい時期に、魚影の濃い場所でじっくり腰を据えて、中型をタ−ゲットに数多く経験するようにしましょう。仕掛けやエサも、1種類か2種類の標準的なものに絞って、それぞれの使い方をしっかりとマスタ−することが、あれこれとたくさん行うより役に立ちます。

 よく、野球のピッチャ−が球種をたくさん覚えるより、一つのボ−ルを確実にコントロ−ルできる方が役に立つと言いますが、それと同じです。

 2. 野鯉釣りのマナ−を覚えましょう。

  マナ−というものは、複数の人間が居る限り必ず必要なものです。その精神は、共存です。そのために、譲り合いを心掛けましょう。釣りの場合にも、長年の間に自然と培われて来たマナ−があり、それを身に付ける事により、円滑で楽しい釣りができるようになります。

  ●第一に社会人としてのマナ−を守ること

*釣り人の中にはゴミを捨てて平気でいる人がいますが、これは釣り以前の問題です。    *先客や地元の人には挨拶をしよう。

    *田畑や釣り場を荒らさない。

 ●釣りのマナ−

  *ポイントは先客優先です。たとえ、いつも入っているポイントだからといって、先客に文句を付けるのは筋違いです。

  *先客は後からくる釣り人のために釣り場を独占しない。たとえ先に来たからといって竿をたくさん並べて釣り場を独占する    ようなことはしない。
  *釣り場では走り回ったり、大きな音を立てて騒いだりしない。

  *ポイントに後から入る場合、適当な距離の間隔を空ける。
    野鯉釣りの場合は投げ釣りが主体であるため、先客の投げ込んでいるポイントを確認し、その距離程度は間隔を空ける。

  *むやみに岸辺を動き回らない。

   *禁漁区や立ち入り禁止区域には入らない。

    *漁船やボ−ト他、水上レジャ−に注意する。

 3.ポイント

 ●釣りやすいポイントの条件

   自宅から近く通いやすい事

    魚影が濃い事

    平均に活性の高い条件を備えている事

    適当な規模の大きさである事

    比較的障害物が少ない事

    釣り人が多すぎない事

    足場の良い事

 *具体的条件

    琵琶湖や木曽三川の本流などの広大なフィールドでは、経験の少ない釣人にとっては何処で釣ったら良いのか、非常に惑うところです。季節や天候によって狙うポイントも大きく変わります。

そこで、もっと規模の小さい中規模の河川もしくは湖沼から始めるのが良いでしょう。できれば、両岸から遠投すれば届かない所が無い程度の規模のフィールドが良いでしょう。近年は、放流が盛んになり、田舎より都会の近くの河川や池の方が鯉の魚影が濃く、浅いフィールドでは目で確認できる所も少なくありません。

まずは、そういった手近な所から始めましょう。

 4.タックル

 本稿においてタックルの選定は、たとえ初心者であろうと上級者であろうと、使いやすくかつ末長く使用できるという事を基準 に解説します。 タックルの選択では、リ−ル使用の経験の有無により三通りに分かれます。

 ●リ−ル未経験者

      スピニングリ−ル
      中型
      リアドラグ
      ロングスプ−ル

  今まで釣りをしたことの無い方やリ−ルを使う釣りをしたことの無い方には、投げやすさを重点にして、スピニングリ−ルをお  勧めします。
 大きさとしては8号ラインが200b程巻ける中型で、ドラグ操作がやりやすくスム−ズなものの中から、遠投力のあるロングス プ−ルタイプを選ぶと良いでしょう。

 ●スピニングリ−ル経験者

 スピニングリ−ル経験者の場合、とりあえず使い慣れた方式のもので良いのですが、所持しているリ−ルが上記のものよりかなり小型であったり性能が落ちるものであった場合、上記の条件に見合うものをお勧めします。

 ●両軸受けリ−ル経験者

 両軸受けリ−ル経験者の場合、両軸受けリ−ルの使用をお勧めしますが、その場合野鯉釣りに適したリ−ルは、遠投力に優 れたタイプでバックラッシュの起きにくいもの。8号ラインが200b程巻ける大きさのもので、ドラグのスム−ズなものを選びま す。
 手持ちのリ−ルがこの条件に合うものであればそのまま使用できますが、それよりかなり小型のものや性能の落ちるもので あったなら、新たに仕入れることをお勧めします。


<中級>