−−−掲示板内突発『こみパ』SS−−−


「和樹〜〜〜。お願い〜〜〜」
「絶対にいやだ!」
「そんな事言わないでさ〜〜〜」
「い・や・だ」
「ふみゅ〜〜〜ん」

 俺は今、詠美の部屋にいる。
 どうしても来て欲しいという電話があったから、急いでやって来たのだが・・・

「トーン貼り・・・ううん、ベタ塗りだけでいいから〜〜〜」

 ようするにアシスタントをやってくれという事か。
 まったく、雑誌の連載で忙しいのに『こみパ』にも参加しようとするから。
 ・・・俺も人の事は言えないけど。

「あとで、何でも言う事聞くから〜〜〜」

 ピクッ

「本当だな?」
「えっ?」
「ほんっと〜〜〜に『何でも』言う事を聞くんだな!?」
「・・・う、うん」
「よっしゃ! 俺に任せろ! どんどん原稿を持ってこ〜〜〜い!!」

 そして・・・あっという間に原稿は完成した。
 ふっふっふっ。軽い軽い。
 だてにステータスALL99じゃないぜ!!
 
「ありがと〜〜〜。助かったよ〜〜〜」
「まあまあ。それより、約束は覚えてるだろうな?」
「う、うん。もちろん」
「それじゃ〜、そうだな・・・」
「・・・・・・(ごくっ)」
「なんか、飯でも奢ってもらおうかな」

 こけっ
 あっ、詠美のやつ思いっ切りずっこけてる。

「んっ? どうした?」
「『どうした?』って、普通こういう時って『ずっと、そばに居て欲しい』とか言うもんじゃないの〜〜〜!?」
「そういった『お約束』は他の作品の人に任せておけばいいんだよ」
「他のって?」
「藤田くんとか」
「なるほど・・・」
「という訳だから飯で決定な。ほらほら、今から行くぞ!」
「わかったわよ。しょうがな・・・あっ!」

 俺は、歩き出そうとした詠美の肩をいきなり抱き寄せた。
 詠美のやつ、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
 付き合い始めて何年も経つのに、こういった所は全然変わらないな。

 『ずっと、そばに居て欲しい』か。
 実は言おうとしたんだよな、それ。でも、恥ずかしくなっちまって・・・。
 ゴメンな。今度はちゃんと口に出して言うから。
 『詠美が欲しい』って言うから。
 
「大丈夫。わかってるわよ。もう少し待っててあげる」
 
 げっ。しっかり読まれてやがる。
 まったく、こいつにはかなわないな。

「安心しろよ、そんなには待たせないからさ」

 そう答えながら、俺は考えていた。

 俺の部屋にある『ビロードの箱』を渡すタイミングを。

 そして、その時に言うであろう一世一代の決めぜりふを・・・。





以前、掲示板内で発表したSSです。
本当はこういった形でUPするつもりは無かったのですが・・・

友人「掲示板内でSS発表してるって本当?」
Hiro「あぁ、してるよ」
友人「読みたいんだけど」
Hiro「過去のログにあるよ」
友人「めんどうくさい」
Hiro「・・・・・・・・・・・・おい」

と云うわけで公開させていただきました(^ ^;

これからも時々掲示板内でSSを書いていきます。

Hiro



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