『怖い話』


「お疲れさまでした、浩之さん」

 トレーニングを終えた俺に、マルチがタオルを差し出してくる。

「おう、ありがとな」

 それを受け取りながら、俺はマルチの頭を撫でてやる。

「えへへ〜」

 ご満悦な表情のマルチ。
 ニコニコとして、非常に幸せそうだ。

 うむ、愛いやつ。

「ところで浩之さん。今日はどんなことを練習なさったのですか?」
「今日か? 今日は、下半身を中心に鍛えたんだ」
「えっ!?」

 マルチの表情が目に見えて変わっていく。
 なんか、青ざめていってるような……。

「か、か、か、下半身ですかぁ〜!?」
「おう」

 それを怪訝に思いながらも、俺は言葉を続けていく。

「やっぱり、足腰の鍛錬は大事だからな」
「こ、こ、こ、こ、こ、腰の鍛錬ですかぁ〜〜〜!?」
「お、おう」

 な、何なんだ、この過剰反応は?

「それと……後はスタミナを付ける為のトレーニングを……」
「す、す、す、す、す、す、す、すすすすすすすすすすすすすすすすす……
 スタミナですかぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!?」

 だから、何なんだよ、その反応は?

「あのなぁ。そんなに驚くようなことじゃ…………って、マルチ? マルチ!?」

 マルチは……意識を喪失していた。
 『楳図○ずお』チックな、『ひいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ』とでも言いそうな顔をして。

「マルチ!! おい、しっかりしろよ!!」

 何だぁ!?
 俺、そんな、失神させるようなことを言ったか!?
 わけわかんねーよ。

「マルチ!! まーるーちー!! マルチぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」










 その後、他のみんなにこの事を言ったら、全員がマルチと同じ様な反応をしやがった。


 ……………………何故に???





< おわり >

 ☆ あとがき ☆  現在、頭の中が腐ってます(;^_^A  その事が如実に出ている一発ネタでした(^ ^;



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