はい、もしもし、綾香です。


あら、神岸さんじゃない。よく、あたしの携帯の番号を知ってたわね。


浩之に教えてもらった? なるほどね、納得。


で? どうしたの? 神岸さんがあたしに電話してくるなんて初めてじゃない。


え? 例のニュース? うん、もちろん知ってるわよ。


ふんふん。


え? え? ええっ!?


あなた……本気?


ふーん、そうなんだ。


うん、分かった。OK。


そ。神岸さんの言った通りよ。あたしもあいつのこと……。


ん? 姉さん?


姉さんも、あたしと同じ気持ちよ。絶対に、ね。


はいはい。もちろん、マルチにも伝えるわよ。


そうね。きっと、即OKね。


うんうん。へぇ〜、そうなんだ。


え? 9人? そんなに?


ま、あいつだしねぇ。


……あ、そうだ。


あのね……ひとつ、お願いがあるんだけど……。


うん……あのさ……9人を10人にしても良いかな?


そうよ。その通り。


…………あの娘、よ。







『Hiroの部屋』20万HIT記念SS
『譲れない言葉、譲れない気持ち』







 神岸さんとの電話を終えたあたしは、まず、姉さんとマルチから『了解』を取り付けた。
 予想通りの即OK。時間にして、合計でも3秒と掛かっていないだろう。
 あたしに了解の意を伝えた後のふたりは、まさに夢見心地。心ここに在らず、だった。
 頬を朱に染め、目を潤ませて……言うなれば恋のフリーズ状態。
 あたしが名前を呼ぼうが耳元で叫ぼうが、一切反応を示さなくなってしまったのだ。
 しばらくは、ふたりを現実世界に引き戻そうと努力を続けたのだが……全て、徒労に終わった。

「やれやれ。仕方ないわねぇ」

 無駄を悟ったあたしは、ため息を吐き、肩を竦めながら、その場を後にした。
 そして、その足でそのまま、あたしはある少女の元へと向かった。
 あたしが神岸さんに『10人目として加えたい』とお願いした少女の元へ。
 その少女の名は――HMX−13型 セリオ。
 来栖川エレクトロニクス製のメイドロボであり、同時に、あたしの大切な友人でもある。


 セリオとマルチ。
 本来ならば、試験期間の終了と同時に眠りに就くはずであった。人間の『死』に相当する眠りに。
 しかし、彼女たちは今、あたしたちと共に暮らしている。
 どうして、ふたりが眠らずに済んだのかは分からない。
 長瀬主任たちが骨を折ってくれたのか。
 あたしと姉さんの懇願が受け入れられたのか。
 それとも、会社上層部に、何らかの思惑があったのか。
 理由は定かではない。
 だけど、真相など、あたしたちにはどうでもよかった。
 セリオとマルチが『生きている』という事実。それこそが一番大事なのだから。


「やっほー、セリオ。いるー?」

 セリオの部屋に着いたあたしは、扉をノックしながら声を掛けた。

「はい」

 部屋の中からセリオの声が聞こえてきた。そして、待つこと数秒。
 カチャリと軽い音を立てて扉が開かれた。

「お待たせしました。どうぞ。お入り下さい」
「うん、ありがと」

 セリオの招きに応じ、あたしは部屋に入っていく。

「只今、お茶をご用意致します。紅茶がよろしいですか? それともコーヒーに致しましょうか?」

 セリオの部屋には、来客があった時の為に、お茶の道具が一式揃っている。
 とは言っても、外部の者がセリオを訪ねてくる事など殆ど無い。たまに、浩之や神岸さんが遊びに来るくらいだ。
 従って、お茶の道具は、専ら、あたしと姉さんの専用となっている。

「そうねぇ。紅茶をお願いできる?」

 部屋に備え付けてあるベッドに腰掛けながら、あたしは応えた。

「かしこまりました」

 返事と同時に動き出すセリオ。
 その動きは手慣れており、洗練されており、流れるような美しさを感じさせた。
 これがもしマルチだったら……今頃は、目の前で惨状が繰り広げられているかもしれない。
 「はわわ〜」とか「あう〜」などという叫び声をあげながら。
 何というか……ホントに対照的な姉妹ねぇ。ま、ひとの事は言えないけどさ。



「う〜ん、美味しいぃ〜♪」
「おそれいります」
「さっすがセリオね。花マルをあげるわ」
「ありがとうございます」

 お茶でのどを潤しながら、あたしたちは、しばらく他愛のないお喋りを楽しんだ。
 そして、あたしが一杯目のお茶を飲み干す頃……

「それで……どのようなご用件でしょうか?」

 静かに、セリオが訊ねてきた。
 彼女は気付いていたのだ。あたしが、ただ遊びに来ただけではないという事に。

「なにか、大事なお話があるようにお見受けしましたが?」
「よく分かったわね。あなた、読心術でも使えるの?」
「いいえ。そのような能力はございません」

 いや、そんな、真面目に答えなくても。

「ただ、綾香様がいつもより緊張しておられるようでしたので。それに、なにかタイミングをうかがっている様にも見えましたし」

 ……よく見てるわね、この娘。

 それにしても、あたし自身は緊張しているつもりは無かったんだけど……。そうでもなかったみたい、ね。

「ふぅ。敵わないなぁ、セリオには。バレバレなんだもん」
「申し訳御座いません」
「こらこら。なーに謝ってんのよ。あんたは、何も悪い事なんてしてないでしょ」
「……すみません」
「だーかーらー。
 …………はぁ。……ま、いっか。それじゃ、本題に入るわね」
「はい」

 でも、何と言って切り出そうかしら?
 ここはやっぱり……真っ向から、ど真ん中へのストレート、かな?
 うん、そうね。それがいいわ。よし! それで行こう!
 あたしは、ひとつ小さく息を吐くと、セリオの目をジッと見つめて口を開いた。

「セリオ」
「はい」
「あなた……浩之のこと……好き?」
「え? あの……いま……何と?」

 あたしの言った事が聞こえなかったのか、それとも信じられなかったのか。
 セリオはあたしに問い返してきた。

「浩之のこと……好き?」

 あたしはもう一度繰り返した。
 セリオから目を逸らさず、しっかりとした口調で。
 いつもの様な冗談だと思われない為に……真剣だという事を分かってもらう為に……。

「浩之のこと……好き?」

 三度目の問いかけ。

 そして、その言葉を最後に……部屋に沈黙が落ちた。
 セリオは顔を伏せ、目を瞑って黙っている。ジッと考え事をしている様に。
 あたしは、その目が開かれるのをおとなしく待つ。
 急かしてはいけない。そんな気がしたから。

 それからどれくらいの時間が経過しただろう?
 時計の秒針が何回か回転した後、セリオがゆっくりと顔を上げ、目を開いた。

「私……分かりません」

 だが、小さな声でそう呟くと、再び顔を伏せてしまう。

「私……分からないんです。好きとはどんな物なのか。嫌いとはどんな物なのか」

 ……セリオ……。

「浩之さんは素敵な方だと思います。とても優しくて、思いやりのある方だと思います」

 うん。正解。

「ですから……私が人間だったら……もしくはマルチさんの様に『こころ』を持っていれば、浩之さんに惹かれたと思います。好きになったと思います。ですが、私には……」
「『こころ』が無い。だから、分からない、と?」
「そうです」
「ホントに? ホントに分からないの?」
「……………………はい」

 俯いたまま、顔を上げようともしないセリオ。

「嘘吐きね、あなたって」
「え?」
「浩之のこと、好きなくせに」

 あたしは、そんなセリオにきっぱりと言い切った。

「私は……分かりません」
「じゃあ、浩之のこと嫌い?」
「………………分かりません」

 む。まだ言うか。

「だったら、あなたはなんで浩之の事を目で追うの?」
「え!?」

 そう。セリオは確かに、浩之の事を目で追っていた。意識せずに行った行動かもしれないけど。
 あたしは、その点をセリオに突っ込んだ。

「河原での賭試合の時……浩之がうちに遊びに来た時……。あなたが浩之の事を常に目で追ってるのは何故?」
「私……そんな事……」
「してたわよ」
「……………………」

 容赦ないあたしのツッコミにセリオが沈黙する。

「認めちゃいなさい、セリオ。何と言おうが、あなたが浩之の事を気に懸けているのは紛れもない事実なんだから。無意識のうちに視線を向けているのが何よりの証拠よ」
「そう……かもしれません」

 セリオがポツリと呟いた。

「私……浩之さんの事が好きなのかどうかは本当に分かりません。ですが、私にとって、綾香様や芹香様、マルチさんと同様に特別な存在である事は確かな様です」
「特別な存在?」
「……はい。研究所の方々よりも、私にとっては大きな存在の様に思われます。どうしてかは……分かりませんが」
「ふ〜ん、なるほど」

 つまり……男の人の中では一番だって事か。
 よしよし。思った通りだわ。これは、脈ありね。
 そう判断したあたしは、話を次のステップに進める事にした。

「あのね、セリオ。実はさ……」

 あたしは、セリオに神岸さんとの電話の内容を話して聞かせた。

「え? 恋人、ですか? 私たちが?」
「そうよ」
「ですが……浩之さんには既に神岸さんという恋人が……」
「例の法案の事は知ってるでしょ。これからは、恋人や奥さんが何人いてもいいのよ」
「そうでしょうけど……」
「それに、この話はその神岸さんの提案なのよ。だから、全然気にする必要はないの」
「は、はあ」

 納得した様なしない様な、そんな複雑な表情を浮かべるセリオ。
 どの様な反応をすればいいのか分からない、といった感じだ。

「えっと……とにかく、綾香様の仰る事は理解出来ました。ですけど……」
「ですけど?」
「浩之さんの恋人に……私が加わっても良いのですか? 恋人というのは、愛し合う人がなるものですよね? でも、私は、浩之さんに愛情を抱いているのかどうか分かりません」

 それは、無用な心配だと思うけどねぇ。

「なにより、浩之さんが私の事を愛して下さるとは思えません。同じメイドロボでも、マルチさんの様な方なら別でしょうけど」

 それも、無用な心配だと思うわ。

「ですから……」
「まあまあ。そんな事を、ここで論じていても仕方ないでしょ」

 あたしは、セリオの言葉を遮って言った。

「セリオの疑問に答えを出せるのは浩之だけだしね」
「それは、まあ、確かに」
「だからさ……あたしと、あたしたちといっしょに、浩之の所に行きましょ。答えを知る為にも」
「…………でも」
「取り敢えずは行ってみればいいじゃない。イヤだったら帰ってくる事も出来るでしょうし」

 まあ、帰ってくる事なんか絶対にないでしょうけどね。
 そんな事を思いながら、あたしはセリオへの説得を続ける。

「ね? セリオ」

 辛抱強く辛抱強く。

「そう、ですね。分かりました。私もご一緒させていただきます」

 その甲斐があったのか、しばらくの後、遂にセリオが首を縦に振った。

「ホント?」
「はい」
「やりぃ!」

 思わず、指を鳴らして叫ぶあたし。

 あたしの心が満足感と達成感で満たされる。

 そんなあたしの事を、無表情な、それでいてどこか優しげな瞳で見つめるセリオ。

 あたしは、その視線が心地よくて……照れくさくて……でも、もっと感じたくて。

 さらにさらにオーバーアクションで喜びを表現してしまうのであった。


 その後、あたしはセリオとあれやこれやと話し込んでしまい、部屋を出たのは、結局真夜中過ぎになってしまったのは……余談である。





○   ○   ○





「どう? セリオ。準備出来た?」
「はい」

 今日から浩之たちとの共同生活がスタートする。
 終わりのない共同生活が。

 ちなみに、姉さんとマルチは、出発時間の2時間前には全ての支度を終えていた。
 逸る気持ちは分かるけどねぇ。いくらなんでも気合い入れすぎだって。
 でも、そんな所が、非常に姉さんとマルチらしくて、可笑しくて、微笑ましかった。

「それじゃ、浩之の所へ嫁ぐとしますか!」
「『嫁ぐ』ですか? 綾香様はまだお嫁に行かれるわけではありません。従って、その表現は不適切であると思われますが?」
「いいのいいの。そういう気分だって事よ。それに、実質、同じ事だしね」

 セリオの言葉に、あたしは笑顔で応える。
 しかし、すぐに、その表情を変えた。

「それはともかく。あなたねぇ、その『綾香様』はやめてって言ってるでしょ?」
「ですが……綾香様は私のマスターですから」

 セリオがうちに来て以来、あたしと姉さんは何度も何度も口がすっぱくなるほど言い続けてきた。
 『綾香様』『芹香様』と呼ばないで、と。
 しかし、セリオは一向に直そうとしない。
 セリオの中には、あたしや姉さんとの関係は『主従』の物としてインプットされているのだろう。
 でも、今日こそ直してもらう。直してもらわなければいけない。是が非でも。

「セリオ。あたしと姉さんはあなたのマスターじゃないわ」
「それは……私などを使う気にはなれないという事ですか? 不要だという事ですか?」
「違う!! あなたとあたしたちは主従関係じゃない。使うとか使わないとか、そんな関係じゃないのよ!!」
「そう仰られましても……私はメイドロボです。人間の方にお仕えするのが、私の務めです」
「そう、ね。あなたは確かにメイドロボだわ。だけど……だけどね……」

 セリオの頬に両手を添えて、彼女の瞳を見つめながら言葉を続ける。

「今日から……あたしたちは家族になるの。藤田浩之という男の子を中心にした家族に」
「……家族? 私が……綾香様や浩之さんの?」

 セリオの顔に戸惑いの表情が浮かんだ……ように見えた。
 チャーンス!! ここで一気に畳み掛けるわ!!

「……そんな……家族だなんて……私が? メイドロボである私が……家族?」
「そうよ。家族よ。
 それとも……セリオはあたしと家族になるの……イヤ? あたしに家族だなんて思われたら迷惑?」
「……いいえ。そんなことは……そんなことはありません」

 悲しげな表情を浮かべて言ったあたしの言葉を、セリオはきっぱりと否定した。

 その瞬間、
 かかった!
 望んだ通りの答えを返してくれたセリオに、あたしは心の中で快哉を上げる。
 しかし、そんなことはおくびにも出さず、あたしはさらに攻勢に出た。

「ホントね? あたしと家族になるの、イヤじゃないのね?」
「はい。もちろんです」
「あたしは、セリオの家族になっていいのね?」
「はい」
「セリオは……あたしの家族になってくれるのね?」
「はい!」

 セリオからの返答を聞いた瞬間、あたしはニヤリとした笑みをうかべた。
 その表情を見て、少し退く素振りを見せるセリオ。

「だったら、あたしの事を『綾香様』と呼ぶのはやめてくれるわよねぇ。家族相手に『様』を付けるなんておかしいし」

 あたしがそう言った瞬間、セリオの動きが止まった。

「……………………」

 フリーズしてしまったようだ。

「……………………あの…………もしかして…………私…………はめられたんですか?」

 しばらくの後、再起動を果たしたセリオが、会心の笑みを浮かべるあたしに対して呆れた様な視線を送ってきた。

「はめた、ってわけでもないんだけどね。言った事は全て本心だし。でもまあ、トラップを仕掛けた事には違いないか。あ、あはは、あはははは。……………………ごめん」
「謝るくらいなら、初めからしなければいいのでは?」

 ……う゛っ。

「仰る通りです、はい」
「まったく……仕方のない方ですね」
「ううっ」
「本当に……本当に……仕方のない方です」

 ううーっ。
 何も、そこまで言わなくても……。
 セリオって、ときどき容赦ないのよね。

「それほどまでして、私に『綾香様』と呼ばせたくないのですか?」
「うん」
「どうしてもイヤなのですか?」
「どうしてもイヤよ」

 あたしは、きっぱりと言い切った。
 すると、その言葉を聞いたセリオの顔が、慈愛に満ちたものに変わった……様に感じられた。

「まったく……困った方ですね」

 …………悪かったわね。

「……分かりました。降参です」

 へ? 降参?

「これ以上、大事な『家族』からのお願いを無下にするのも気が引けますからね」

 えっ!?
 …………セリオ…………あなた…………。
 あたしは感動した。体が震えるのを感じた。
 だって……セリオが……初めて……自主的にあたしの事を家族だと言ってくれたのだから。

「ですから……これからは『綾香さん』と呼ばせていただきます。よろしいですか?」

 セリオの言葉に、あたしはブンブンと何度も首を縦に振った。

「もちろんよ。OKに決まってるじゃない」

 満面の笑みを浮かべて応える。
 抑えようとしても、自然に笑顔がこぼれてしまう。今のあたしはそんな状態に陥っていた。
 ……セリオの言葉が嬉しすぎて……幸せすぎて……。
 ちょっと油断をすると、涙までもがこぼれてしまいそうだった。

「ありがとうございます、綾香さん」
「ううん。こっちこそ。…………本当にありがとう、セリオ」
「…………いえ……そんな……」

 あれ? セリオ……照れてる?
 まさか、ね。

「えっと……じゃあ、これからはそう呼んでね。もちろん、姉さんも『様』は無しよ。だって、家族なんだから」
「はい。…………ところで、綾香さん?」
「なに?」
「急に話は変わりますが……時間、いいんですか?」

 は? 時間?

「芹香さんたちとの待ち合わせ時間……過ぎてますよ」
「へ!?」

 あたしは自分の腕時計を覗き込む。
 そこに表示されている時刻は……約束の時間をとっくにオーバーしていた。

「うわっ! やっばー!!」

 あたしの脳裏に、静か〜に怒りを燃やしている姉さんの顔が浮かび上がった。
 背筋に冷たい汗が流れ落ちるのを感じる。

「急いだ方がよろしいのでは?」
「当然!! というわけで……」

 言いながら、あたしはセリオに向かって手を差し出す。
 その手を、そっと握り返すセリオ。

「走るわよ、セリオ!!」
「はい! 綾香さん!!」




 こうして……この日、あたしたちの家族関係がスタートした。


 今後、何十年経とうとも崩れる事などないと断言できる関係が……。




 ちなみに、この考えの正しさは、後の人生で何度も証明される事になるのだが……それはまた別の話である。







< 終わりよ >







 < おまけ >


「はう〜。綾香さんとセリオさん、遅いですねぇ〜」

許せませんね。こんな大事な日に遅刻するなんて……

「……へ?」

お仕置き……です

「はわっ。芹香さん……怖いですぅ〜」

マルチちゃん? 何か……言いました?

「いいえ! 何も言ってません!!」

そうですか。それならいいんです

 あう〜〜〜。
 綾香さ〜ん、セリオさ〜ん。早く来て下さい〜〜〜。

 芹香の怒りの波動を感じ、生きた心地のしないマルチであった。






< 終わり、です >







 < おまけ2 >


「そういえば、そんな事もあったわねぇ」

「ありましたねぇ」

「はぁ。昔のセリオは素直な良い娘だったのに。それが、今じゃこんなボケボケに」

「大きなお世話です」(ーーメ

「でも、あたしは今のセリオの方が好きだけどね」(^^)

「え? 本当ですか?」

「うん。明るくなったし、可愛くなったし……大好きよ」(^^)

「綾香さん……わたし……わたし……う、嬉しいです。ジーン」(;;)

「それに」

「それに?」

「今のセリオにだったら、どんなにきついツッコミを入れても罪悪感を感じないしねぇ」(^〜^)

「あうあう。それは嬉しくないですぅ」(;;)







< ホントにおわり >








 ☆ あとがき ☆

 ども! Hiroです!

 皆様のおかげで20万HIT達成です。
 ありがとうございます m(_ _)m

 というわけで、感謝の気持ちを込め、皆様からのメールでリクエストの多かった、綾香&セリオSSを書かせていただきました。


 それにしても…………。
 感情の無いセリオって難しいよぉ〜(;;)
 今回のSSは、それに尽きます。
 ボケボケなセリオに慣れた身には、無感情なセリオはきつかったです。
 どれくらいまでの表現なら許されるのか、試行錯誤しながらの執筆でした。
 ところどころ、卑怯な表現を使って誤魔化してますけど……大目に見て下さいね(^ ^;


 そうそう。
 本編とおまけで、セリオの一人称が変わっている事に気が付いていただけたでしょうか?
 藤田家に入るまでが『私』、入ったあとが『わたし』となっています。
 『私』という漢字を使う事で堅さを表現しようとしたのですが……。
 あまり上手くいかなかったような気がしています。
 ちょっと、失敗したかも(−−;


 ちなみに、あかりやマルチの一人称はゲーム本編と『たさい』では異なっています。
 ゲーム本編では『私』、『たさい』では『わたし』です。
 一人称をひらがなにする事で、ほにゃ〜んとした雰囲気を出そうとしているのです。
 成功しているかどうかは不明ですが(^ ^;
 ……余談でした。


 それにしても……今回のSSは、私が書きたかった事の十分の一も表現しきれていない気がしています。
 文章力・構成力の無さを再認識させられました。
 うむむ、修行あるのみです(−−;
 今回の話は、いつかまた、再チャレンジしてみたいですね。


 タイトルは……意味があるようで無いかも(^ ^;
 タイトル付けるのって苦手なんですよ。SSを書く際に一番苦労する箇所ですね。
 ……ああっ、センスが欲しい(;;)


 なんか……反省というか、愚痴だけになってしまいました。ごめんなさい(;^_^A


 ではでは、また次の作品でお会いしましょう\(>w<)/



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