私立了承学園
                     相沢家  Write By 聖悠紀


特に深い意味はなかった。
そう、ただ軽い気持ちでみんなに飲もうといっただけなのに
まさかこんなことになるとは・・・





         第424話 『宴』





〜〜 く〜〜・うぐぅ・あう〜編 〜〜

「それじゃあ、カンパ〜〜〜イ!」
「「「「「「「「カンパ〜〜〜〜〜イ!!」」」」」」」」

うんぐうんぐうんぐ・・・・ぷは〜〜〜!
「あ〜〜〜うまい!! やっぱビールは最初の一口が一番上手いよな!」

「うにゅ〜〜〜」
「うぐぅ〜〜〜」
「あう〜〜〜〜」

ん? なんだ、変なうめき声が聞こえたど・・・
なんだ、名雪たちか、どうしたんだ?

「祐一、苦いよ〜〜〜」
「祐一君、これジュースじゃないよ」
「あう〜〜、にがい〜〜〜〜」
「なに言ってんだ、この美味さが解らないのか?」

まさかと思っていたが、ここまでお子様だったとは・・・

「うぅ・・・ 祐一イチゴが入っているって言ったから、飲んでみたのに」
「副原料として入っているのがあるかもしれないと言っただけで、これに入っているとは言っていない」

もっとも、イチゴが副原料で使われているビールなんて俺は知らないけどな。

「うぐぅ・・・ジュースなのに甘くないよ」
「麦ジュースと言ったが、甘いと言った覚えはないぞ」

ビールのことを、「麦ジュース」というのは世間の常識だぞ。

「あう〜〜、こんな苦いのよく飲めるわね!」
「ビールが苦いのは当たりまえだ。」

味わって飲むから余計苦さを感じるんだ、ビールは喉で飲まないと本当の美味さはわからん

「「「何で祐一(君)は、こんなの飲めるの」」」
「おまえ達が、子供なだけだ!」

自分から飲みたいと言っておいて、美味しくないとこれだもんなぁ・・・

「解った解った、おまえ達にも飲みやすい、甘い酒もって来てやるから」
「ホントだよ、祐一」
「変なの持って来たら嫌だからね」
「美味しいのがいい」
「はいはい」

さてと、酒が置いてある所に行かなくちゃ、
でも、一体どんな酒にすればいいんだ?
とりあえず、飲みやすいのだからな、甘口なやつがいいだろうし・・・

かさかさかさ・・・

あれ? 今何か動かなかったか?





う〜〜ん、気のせいかな?
とにかく、お酒お酒〜〜っと・・・お、いいのがあった「カルアミルク」
これなら甘いし、お子様なあの3人でも大丈夫だろう。


「お〜〜い、新しいの持ってきたぞ〜〜〜って、ヲイ」

「く〜〜〜〜、祐一〜〜〜〜」
「うぐぅ・・・・あゆあゆじゃないよぉ・・・・」
「あう〜〜〜、にくまん〜〜〜」

何故寝ている、もしかして、一口だけで酔っ払って寝てしまったのか?
だとしたら、名雪たちは精神年齢だけじゃなく、味覚や体質まで子供ってことに

・・・・・・・(汗)

と、そりあえず、こいつらをこのままにしておくわけにもいかないからな、
ソファーに寝かして、「カルアミルク」は近くのテーブルにでも置いておくか
ふぅ、世話が焼ける・・・





〜〜 まいまい・さおりん編 〜〜

「やあ、佐祐理さん、舞」
「うぅぅ・・・祐一さん・・・」(しくしく)
「祐一・・・ぐじゅぐじゅ・・・・ひくっ」

・・・・・・・・・・・え?
二人とも何故泣いているんだ?
もしかして、泣き上戸?

周りをよく見ると、舞の回りには一升瓶が数本転がってる、
しかも、今も一升瓶に抱きつきながら飲んでいるし、
佐祐理さんのほうは、ワインの空き瓶がこちらも数本転がっている・・・


「祐一さん、さゆりは悪い子なんですぅ」(しくしく)
「うぅ・・・・ひっく・・・えっく」

え〜〜〜と

「舞が無口なのも、名雪さんがお寝坊さんなのも、あゆちゃんがたいやき好きなのも全部さゆりのせいなんです」(しくしく)
「ぐじゅぐじゅ・・・ふえ〜〜・・・えっく・・・」

それは違うと・・・

「真琴ちゃんが肉まん好きなのも、香里さんが女王様なのも、栞ちゃんの体が悪いのも、さゆりのせいなんですぅ」(しくしく)
「えっくえっく・・・・ぐじゅ・・・」

佐祐理さんは関係ないと思うけど・・・
それに、何故近づいてくるんです?

「美汐ちゃんが物腰豊かなのも、秋子さんがなぞじゃむ作るのも、みんなさゆりのせいなんです〜〜」(しくしく)
「ひっくひっく・・・うぅ・・・ぐじゅぐじゅ」

絶対関係ない、佐祐理さんは絶対関係ない、特になぞじゃむに関しては
それより、そんなに近づかれたら、胸が当って・・・

「祐一さん、こんな悪い子なさゆりを、お仕置きしてください」(しくしく)
「・・・祐一・・・私も・・・・ひく・・・ぐじゅ」
「お仕置きといわれても、佐祐理さん全然悪くないじゃないですか」

だから胸が当っているよ、佐祐理さん・・・

「あぁ、祐一さんを困らせているなんてさゆりは悪い娘です。だから、祐一さんのでお仕置きしてください」(しくしく)
「・・・祐一・・・・・えっく・・・」
「俺のでってどう言うことですか〜〜〜」

ああ、いかん、二人ともそんなに胸を押し付けてきたら。
俺の理性が・・・はっ、いかんいかん我慢しなくては・・・
でも、もうげんか・・・・・あれ?

「祐一さん・・・・す〜〜〜、す〜〜〜」
「・・・祐一・・・く〜〜〜、す〜〜〜」

ほっ・・・助かったのかな、ちょっと残念だった気がするけど・・・(^^;





〜〜 みっしー編 〜〜

「天野、楽しんでいるか?」
「あ、祐一さん、丁度いいところにきました。」
「いいところ?」
「はい」

俺になんか用があるのか?
しかも、こんな時にとは・・・何か重要なことかな?

「で、俺に何かようか?」
「はい、少しお話があります。」
「一体どんな話だ?」

ん? 美汐のやつなんか話す気満々って感じだぞ
お酒で喉を湿らせて、おまけにわざとらしく咳までして・・・一体何が始まるんだ?

「では、話させていただきます・・・
 祐一さんは少しだらしないです。祐一さんは将来8人の妻とその子供たちの父親になるというのに
 その自覚がありません。解っているんですか、それぞれ一人ずつ子供が出来たとしても、17人家族
 秋子さんも入れると18人家族になるんですよ。その大家族を支えていくのは祐一さんなんですよ。
 もちろん、私たちも協力しますけど、祐一さんがしっかりしていないことには、それも無意味です。
 祐一さん? ちゃんと聞いていますか?」

うぐぅ・・・きつい、これはきつい、美汐は説教上戸だったのか
何とかこの状況を脱しないと、俺の精神がやられてしまう・・・

「は・はぁ・・・」

「はぁ、じゃありません! やっぱり今の祐一さんには私たちの将来を任せられませんね。
 こうなったら、私が相沢家の将来のために、祐一さんを頼りがいのある大人にするべく、一肌脱ぎましょう。
 大丈夫です。こんなこともあろうかと、秋子さん直伝花婿修行みっしーアレンジを習得していますから」

やば、さっきの気のない返事で火に油を・・・って

「ちょ、ちょっとまて、なんなんだその花婿修行って?」
「企業秘密です。 さあ、たっぷり調教してさし上げます」
「調教ってなんだよ、修行じゃないのか〜〜〜!」
「細かいこと気にするなんて、そんな酷いこと無いでしょう。 さあ、逃げないで大人しく捕まってください!」
「い〜〜〜や〜〜〜だ〜〜〜!!」

や、やばい、このままではいけない道(?)に堕ちてしまう
ここは全力で逃げねば・・・

「待ちなさい、祐一さん 大丈夫です。痛いのは始めだけです。すぐによくなります」
「それが嫌なんだよ〜〜〜〜〜」





〜〜 かおりん編 〜〜

「よお、香里 こんな所で一人で飲んで、寂しくないのか?」
「・・・祐一?」
「おう、祐一だぞ」
「ゆういち〜〜〜!!」

  だきっ

へ?
香里が抱きついてきた?
あのクールな香里が・・・
照れ屋の香里が、抱きついてきた?

「ゆういち〜〜〜」(すりすり)
「ど、どうしたんだよ、香里、キャラ変わっているぞ」
「そお? でも、そんなことより、今はゆういちとこうしていたい」(すりすり)

う〜〜む、どうやらお酒が極度に入ると性格が変わるみたいだな。
普段のしっかりした香里もいいけど、こっちの香里もなかなか・・・ってそうじゃなくて
さすがにこれは飲みすぎだ、とりあえず、酒はやめさせないと

「香里、これ以上飲んだらダメだ、さぁ、酔い覚ますために少し外に行こう」
「え〜〜、飲んじゃダメなの〜〜」

ぐわぁ・・・・そんな潤んだ瞳で見上げられたら強く言えないじゃないか
でも、ここは心を鬼にして・・・

「だめ! 大体なんでこんなに飲んだんだ?」
「だってぇ・・・ゆういちが他の娘にかまってばっかりで私のこと無視するんだもん」
「なら、一緒に飲めばいいじゃないか」
「だってぇ・・・ゆういちと二人っきりがいいんだもん」(ぽっ)

うっ、か・かわいい
あの香里が、こんな表情するなんて・・・
・・・しばらくこのままでもいいかな(^^;

「じゃあ、しばらく二人で飲むか」
「ほんと!」
「あぁ、ただし、アルコールはぬきだ」
「うん、ゆういちと一緒ならそれでいい」

だ〜〜〜、暴走しそう・・・
うむ、やっぱりここはこのまま飲ませよう(爆)

「よし、じゃあ、飲み物とって来るから、ちょっと待っててくれ」
「は〜〜い、早く帰ってきてね」

ふふふ、香里がどうなるか楽しみだ





〜〜 しおりん編 〜〜

ふ〜〜、みんな酒が入ると結構性格変わるもんだな
香里なんて普段からじゃ想像できないし・・・
よし、もっと酔わせてその様子をビデオにとって後で見せてやろう

そう言えば栞の姿が見えなかったな、
どこ行ったんだろう?

ごそごそ・・・・くすくすくす・・・

なんだ? 何の音だ? それにこの笑い声は栞か?
え〜〜と、確かこっちの方から聞こえたんだけど・・・

「くすくすくす・・・」(さらさら)

・・・・・・・・・・・・・栞を見つけたのはいいんだけどなにやっているんだ?
酒のビンに、なにか入れているみたいだけど

「栞、なにやっているんだ」
「あ、祐一さん、ハルシオンをお酒の中に入れているんです」(くすくす)

・・・ハルシオン? それって

*************しおりんの薬学コーナー**************
 ハルシオン
ベンゾジアゼピン系剤の睡眠薬、超短期作用型で抗不安薬としても働く強力な薬
普通に使用する分には何の問題も無いが、酒に多量に混入すると、
女性に(だけ)催淫効果を発揮することがある。
*************************************

「ちょっと、まった〜〜〜!!
 そんなものお酒の中に入れたら、やばいことになるじゃないか」
「大丈夫です。そうなったら、祐一さんに責任とって貰いますから」(くすくす)
「ちょっとまて、俺が責任ってもしかして、今まで飲んでいた酒全てに入っていたのか?」
「はい」(くすくす)

・・・・・・・・・やばい、やばすぎる今まで飲んだ酒全てにハルシオンが混入されていたよしたら、
今ごろ名雪たちは・・・

「急いで、みんなの様子を確認しなきゃ」
「くすくす・・・もう遅いですよ」(くすくす)





〜〜 終章 〜〜

「みんな無事か!!」

凄惨な状況を予想していたのだが・・・

「あ、祐一だよ」
「祐一君どこ行ってたの?」
「祐一、探しちゃったじゃない!」

宴会場はいたって普通、
ふぅ、とりあえず何ともないみたいだな

「みんな、なんとも無いか?」
「え? 大丈夫だよ、ただ・・・」
「ただ?」
「体が熱いの祐一〜」

へ? 体が熱いってもしかして・・・

「うぐぅ、ボクもなんだか体が火照って」
「あう〜〜、あついから、私服脱ぐ」
「あ、ボクも」

お〜お〜、いい脱ぎっぷり・・・
じゃなくてやめさせないと

「おまえら、服着・・・」
「あ〜〜、私も脱ぐ〜〜」

だ〜〜名雪まで、ちょっと待てよお前たち

「ねえ、祐一、祐一も服脱ごうよ」
「いや俺はそんなに熱くないから」
「え〜〜、祐一君だけ脱がないのは不公平だよ」
「おまえ達が勝手に脱いだだけだろう、俺は関係ない」
「でも、みんな脱いでるよ」

そう言われて改めて周りを見渡すと
名雪たちだけではなく、舞、佐祐理さん、美汐、香里、そして栞までもが
服を脱いだ状態でこちらを見ている。

「何故脱ぐ? みんな、正気に戻るんだ!!」

い、いかん、みんなしてそんな格好&色っぽい表情で迫られたらいくらなんでも理性がもたない・・・
てか、ここで抑えないと俺が死んでしまう。
一応多妻部の男子生徒であっても、俺は浩之や和樹さんみたいに一辺にみんなの相手できるほど強くない

「うふふ、祐一私もう我慢できないよ〜〜」
「ボクも、ねえ祐一君、お願い」
「あう〜〜、祐一」

我慢、我慢・・・

「祐一さん、さゆりをお仕置きしてください」
「祐一・・・私も・・・」

我慢・・・

「さぁ、祐一さんしっかり調教受けてもらいます」
「ゆういち〜〜、ねぇねぇ、いいことしよ」

・・・

「くすくす、祐一さん、みんなで楽しみましょう」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ブチッ



「お〜〜〜っしゃ、みんなまとめて面倒みてやるぜ〜〜〜〜!!」

「「「「「「「「きゃ〜〜〜〜〜〜〜(はぁと)」」」」」」」」



・・・・・・本当の「宴」が今始まった?(笑)





<おわり>



あとがき

知っている人も、知らない人も、はじめまして聖悠紀です。
SSって初めてだし・・・こういうあとがきに何を書けばいいのかいまいちわからないけど
とりあえず、今回の作品は私の初SS&初投稿になります。
今までSS書かずに沈黙を守っていたのに、何故いきなり投稿したのか・・・
それは、電波が・・・じゃなくて、ちょっと書きたいキャラ(酔っ払いしおりんこと『ブラックしおりん』)がいたから(^^;
今回、そのキャラをもっと書きたかったんだけど・・・
やっぱ、初めてってことでそこまで上手くかけませんでした。(^^;

とりあえず、これからちょくちょく書かせてもらうかもしれませんので
皆さん、よろしくお願いします。m(_ _)m


しかし、初投稿で、キャラたちが酔っているとは言え、こんなにキャラ壊していいのかな(^^;



 ☆ コメント ☆ 綾香 :「し、栞ちゃんって……」(^ ^; セリオ:「ちょ、ちょっぴりデンジャーな方ですね」(;^_^A 綾香 :「なんていうか……見た目は清楚で儚げな感じなのに」(^ ^; セリオ:「根っこの部分はなかなかにコアな方みたいですね」(;^_^A 綾香 :「そうね……って……ん?」(−−; セリオ:「見た目は清楚で儚げなのに、中身がちょっぴりデンジャーでコア?」(−−; 綾香 :「そういう娘……どこかで見たような気が……」(−−; セリオ:「はい。それもすっごく身近で……」(−−; 綾香 :「誰だったかしら?」(−−; セリオ:「うーん」(−−; 琴音 :「あら? どうしたんですか、二人して難しい顔して?」(・・? 綾香 :「……………………」(−−) セリオ:「……………………」(−−) 綾香 :「なるほど、そういうことか」(−o−) セリオ:「納得しました」(−o−) 琴音 :「? ? ?」(・・?



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