了承学園 「ToHeart」+「とらいあんぐるハート」篇 藤田家の面々は真新しい畳の敷かれた教室にいた。 「浩之ちゃん大きなお茶室だね。」 ペシッ! 「あっ!」 「あかりギャグはやめろ、どうみたら格技室が茶室に見えるんだ?」 「そやけど実際こんなとこで何するんや?」 「エクストリームも近い事だし、ここで練習させてくれるんじゃない?  結構設備も整ってるみたいだしね。葵ちょっとアップするから手伝って頂戴」 「はい綾香さん」 「んじゃ俺はセリオと体温めとくか」 「はい、レベル調整はどれぐらいにしましょう?」 「そうだな、エクストリームの1回戦レベルにしてくれ」 「わかりました・・・調整終了、それでは参ります」 武闘派?の4人が軽い練習をし、他のメンバーがそれを見守る。 そんな時間が20分も過ぎたころ、ようやく授業担当のティリアが現れた。 「遅くなってごめん、ちょっと遠出してたもんだからさ、今日はちょっと変わった事するから。 綾香ちゃん? 実はあなたに挑戦状が来てるの」 「私にですか?」 「そう、南館・・・了承学園の南部域にある校舎とその周辺都市を便宜上まとめてそう呼んでいるんだけど そこに通っている相川家の千堂瞳さんていう娘があなたに勝負を申し込んできてるの」 「千堂瞳・・・聞いたことの無い名前ね、葵あんた知ってる?」 「あっ、私聞いたことあります、確か護身道ていう格闘技の達人です」 「護身道・・・、40cmほどの「棍」と呼ばれる棒による打ち合いと、 懐に入ってからの組み打ちを主体とした格闘技、データベースにはそう登録されています」 「セリオはともかく葵もよく知ってるわね、私ぜんぜん知らなかったわ」 「前に接近戦の攻防を研究してたときに雑誌で見ただけなんです、 その千堂さん何でも「秒殺の女王」なんてあだ名で呼ばれているものすごい使い手なんだそうです」 「ふーん、面白そうじゃない、ちょうど体も温まってきたことだし。 ティリア、その千堂さんっていつ来るの?」 ティリアが不適な笑みを浮かべて答える 「何のために遅刻してきたと思うの? もうつれてきてるわよ、入ってきてー」 教室のドアが開き数名の男女が入ってくる 「はい、自己紹介から始めて頂戴」 150cmぐらいの整った顔立ちの少年が前に出る 「相川真一郎です、年齢は17歳、特技は家事一般、特に料理が得意です」 続いて170cmはオーバーしている長身とポニーテイル、そして袴姿が特徴的な少女が前に出る 「鷹城唯子っていいます、趣味はしんいちろの料理を食べること、それと護身道かな、よろしくねー」 次が140cm台の身長と童顔で小学生にしか見えない少女だ 「えっと、あの・・・野々村小鳥っていいます、真君と唯子の幼馴染で、趣味は料理と編物です」 顔立ちのりりしいどこか刃物を連想させる少女 「御剣一角(いづみ)、蔡雅御剣流忍術宗家の娘で「総合諜報・戦技一種資格」 要するに忍者の免許2級の資格を持ってる、よろしくな」 左手に包帯を巻いためがねの少女 「菟弓華(と・ゆんふぁ)いいまス、大陸かラ留学シてきマした、私母方日本人のクォータでス」 黄色いヘアバンドをした少女 「綺堂さくら(きどう・さくら)です」 少し古めのデザインのセーラー服の少女 「春原七瀬よ、自慢にならないけどもう27年も幽霊やってるの」 白のスーツとベレー帽の少女 「・・・雪と申します、ええっと、雪女です一応」 そして、袴姿の少女 「始めまして、千堂瞳と申します、来栖川さんの噂は以前から聞いていました、 同じ学校に通っていると聞きぜひ一度手合わせしてみたいと今回無理を言ってしまいました」 その立ち居振舞いには一分のすきも見えない 「へえ、期待以上ね、どうするルールはそちらに合わせたほうがいい?」 「いえ、エクストリームのルールで行きましょう」 「上等ね、手加減はしないわよ」 「必要ありません、手加減する暇与えませんから」 その言葉を合図に二人が構えを取る。 ティリアが二人の前に立つ 「それでは・・・、始め!」 開始の言葉と同時に二人の拳が交差し、目では捕らえきれないほどのハイレベルな攻防が繰り広げられる 「スピードは綾香のほうが頭ひとつ上か」 「はい、でも技の組み立ては千堂さんのほうがうまいみたいです、 綾香さん懐に入られないように少し責めが消極的になってますから」 「綾香様にしては慎重な戦い方です、いつもなら隙を見て大技を狙うのですが」 「それだけあの千堂さんが強いということか?」 「すごいね、瞳ちゃんがスピードで負ける相手始めてみたよ」 「ふえー、来栖川さんってすごいんだー、いづみちゃん見えてる?」 「ああ、なんとか、あんなレベルの人がほかにもいたなんて・・・、世界は広いな」 「あれホどの使い手大陸にもそうハいなイね」 双方の家族がお互いの相手を誉める 「相川君っていったっけ、すげーな君ん家の嫁さん」 「真一郎でいいよ、俺も浩之って呼ぶしさ、綾香さんだっけ、彼女もたいしたもんだよ、 瞳ちゃんにはいづみも弓華も敵わないのにさ」 「弓華さんも何か格闘技やってるのか?」 「私、元大陸の暗殺者だったヨ、仕事いづみニ邪魔されて失敗して組織に追われてたところ、 真一郎に助けてもらったヨ」 セーラー服の少女、七瀬が割り込んでくる 「ねえねえ、私や雪の事聞いてもびっくりしないの?」 「別にいまさら幽霊とか雪女ぐらいじゃおどろかへんよ」 「そうだよ、家だってマルチちゃんとセリオちゃんはメイドロボットだし、琴音ちゃんは・・・」 あかりが浩之と琴音を交互に見る、 「私、超能力使えるんです、遺伝子が人と違うみたいで・・・」 「それに、うちの校舎にゃ、鬼やら天使やら変わった能力使う奴ウジャウジャいるしな」 「・・・・・・・・」 「「人と違う力が使えることなんてたいした事じゃない」とおっしゃってますー」 「じゃあこんなの見ても大丈夫だな」 真一郎がさくらのヘアバンドをはずす、その下から髪と同じ色の毛が生えた犬の耳が飛び出てくる 「先輩、急にはずさないでください!」 「さくらは吸血鬼と人狼と人間のクォーターなんだ、下のほうには尻尾もあるし、ほら、牙もある」 真一郎がさくらのほっぺたを伸ばして口の中を見せる 「せんふぁいやふぇふぇくだふぁい・・・、でも、私が血を吸うのは先輩だけです」 ほほを赤く染めながらさくらがつぶやく 「しんいちろ、もてもてだね」 「うるさい、おまえにもしてやる」 「あうー!、やめてー!」 「あのいじめかたオモシレーな、よし、こんどあかりでためしてみよう」 「えーやめてよ浩之ちゃん、あれ結構痛そうだよー」 「ふふん、所詮ヒロのレベルじゃそんなもんでしょ、あかり、いいかげんこの甲斐性無しと手を切ったら?」 「なんだいたのか、おーい真一郎紹介しとくぜ、こいつがうちの校舎一番の妖怪、「口だけ女」だ」 「むきー何が「口だけ女」よこの「性欲魔神」」 「何だとこの・・・」 「ヒロユキ、試合のほう状況が変わってきたヨ」 「二人とも動かなくなっちゃったよ」 試合に熱中していたレミィと理緒が状況の変化を告げる、 見てみると道場の中央で二人が構えのまま硬直している。 そのまま5分ほど時間がすぎ、綾香が構えを解く 「今日のところはここらへんにしときましょ」 「そうですね、ギャラリーも和んできてるみたいですし」 「それもあるけど、あなたとはもっと大きな舞台で決着をつけたいから」 「それはエクストリームへのお誘いですか?」 「そういうこと、実際私と同じ領域で戦える人なんて私が知ってるうちじゃ、 3人ぐらいしかいなかったからね、どう、流派が違うからだめ?」 「いえ護身道はあくまで自分を高めるための手段に過ぎませんから、 次は無手の打撃技を磨いてきます、そのときは手加減無用でお願いします」 「やっぱりばれてたか・・・」 「ええ、もちろん」 「なんか格闘青春物みたいなことやってるな」 「あんがい似てるんじゃない? あの二人」 「じゃあおまえも結構苦労してるんだろ」 「わかる?」 「俺がそうだからな」 夫二人が嘆息している。自分を囲む影にも気づかずに。 「どういう意味かしら? 浩之」 「いい度胸ね真一郎」 「綾香?」 「瞳ちゃん?」 「「覚悟はできてるかしら?」」 「「ままま、待ってくれ話せばわかる・・・」」 「「問答無用!!」」 「「ギャアァァァァス!!」」 「ま、自業自得やな」 まったくそのとおりである 「次はこちらから遊びに行くわ」 「ええ、ぜひそうしてちょうだい」 「そのときはご馳走作って待ってるよ」 「んじゃ、こっちは大食いのやつを連れてくるぜ、美味いものに目が無いやつがたくさんいるからな」 「それじゃあ、またな」 「そっちもな」 来訪者が去った教室で藤田家の面々は新たな友人達のことを思い返していた 「世間は広いわね、浩之」 「そうだな」 「私もぼやぼやしてられません、闘ってみたい人が増えてしまいましたし」 「次のエクストリームは荒れるなこりゃ」 「・・・なにやら、あちらのほうだけ盛り上がってますね」 「熱血の世界やな」 「楽しかったねー、また会えるかな?」 「おんなじ学校に通ってるんだしいつでも会えるでしょ」 「そうだといいですね」 「・・・・・・・・」 「「きっとまた会えます」とおっしゃってますー」 「そうだね、また会えるといいね」 終わり あとがき ども、今回のゲストはivoryの「とらいあんぐるハート」から相川家に登場してもらいました。 このゲーム、コンセプトが「主人公とヒロインが結ばれてからの甘い生活」にある所と、 登場キャラの大半が特殊技能を取得しているところが了承向きで以前から出したいと思ってました。 また、了承学園にしてもせっかく半径100kmもの敷地があるのだから 2桁に満たないクラスしかないというより登場してないだけでもっとたくさんの家族が通っているのではないか という解釈をしてみましたがいかかなもんでしょう? それにしても文章って難しい・・・、それでは。
 ☆ コメント ☆ 綾香 :「ふっふっふっ」( ̄ー ̄)ニヤリ セリオ:「な、なんですか? 薄気味悪い笑い方して」(−−; 綾香 :「薄気味悪いとは失礼ねぇ」(−−メ セリオ:「ホントの事じゃないですか。      で? どうしたんです?」(−−; 綾香 :「新たなライバルの出現を喜んでたのよ」 セリオ:「なるほど。      それでついつい薄気味悪い笑いを浮かべてしまったと」(^0^) 綾香 :「『薄気味悪い』は、もういいから!!」(ーーメ セリオ:「……あ、あはは。失礼しました」(^ ^; 綾香 :「ま、いいけどさ。      しかし……瞳、か。ホントに強い相手だったわね」 セリオ:「綾香さんと互角に戦える女性なんて坂下さん以来です」 綾香 :「あんたや葵も、けっこう互角だと思うけどね。      でもまあ、ライバルはいくらいてもオーケーだし。      新たな強敵の出現は大歓迎よ」(^0^) セリオ:「そうですね」 綾香 :「新たな強敵……刺激的な戦い……。      ふっふっふっ。ふっふっふっふっ。      ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっ」( ̄ー ̄)ニヤリ セリオ:「だから、薄気味悪いですってば」(−−;      



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