すいません、「今度書いたら最後」なんて書いておいてその前にこれを 書きます。 私立了承学園 WHITE ALBUMサイド(放課後or番外編) てくてく… 冬弥は廊下を歩いていた。 (さて…誰かに聞かれないように気をつけて考えなくては…) 先刻の柳川への無礼をひきずって考えていた。 (さて…俺が浮かれていたのは確かだ。) (それは俺がなれない力を手に入れたから…) (だが、その力も使い方をまちがえばどうしようもない…) (ガディムは俺の事を精神的に強いと言ってくれたが…) (今回の事件は俺の弱さが露出した、といったところか…) (これから同じ過ちを繰り返さないためには…どうすればいい…) (俺は『力』で暴走した…ならば、俺をより大きな力でねじ伏せてもらうか…) (いや、やはりやめておこう。では、どうするか…) 「フー、これしか思いつかないとは…俺の発想って貧弱だな… しかし参ったなぁ……」 再び考え込む。こんな考えが頭を過ぎる。 (そもそもあれは俺の力じゃない…) そうだった。あれはコン○ットスーツの力で勝ったのだ。決して自分の力 ではない。もしかしたらただ自分の行動があまりに突飛だった為に冷静さを 無くして柳川は負けたのかもしれない。 (そんな事にも気づかなかったとは…俺って最低だな…スーツの力を自分の力 だと思ってたんだから…) そして、考えを戻す。 (さて…とりあえずこれ以上浮かれないように自分を戒めなければ…ん?) ふと顔を上げると、自然に食堂まで来ていた。 「・・・よし!」 冬弥は意を決した。 「秋子さん、 謎ジャム一瓶お願いします。」 … …… ……… ………… …………… ……………… はッ!! 目を覚ますと、食堂に倒れ込んでいた。 体を起こすと、秋子さんがいた。 秋子「五分で目覚めるなんて、さすがは…といった所かしら?」 冬弥「………」 秋子「あえて奥さん達は呼んでいませんよ……何があったんです?」 冬弥「知っているんじゃないですか?」 秋子「…あえて聞いてほしいんじゃないですか?」 冬弥「なんでです?」 秋子「あの人達はあなたが弱さを見せられる人達にして、それと同時に弱さを 見せられない人達だからです。」 冬弥「……ふう、秋子さんにはかなわないなぁ…人をね、傷つけたんですよ。」 秋子「…」 冬弥「嫌な奴だったんです。俺の敵だったんです。俺の家族の敵だったん です。…俺は今日、そいつを傷つけました。貴方から借りた力を、 自分の力だと思い込んで。…最低ですよね。」 秋子「そうですね。」 冬弥「いい気になってました。思い上がってました。浮かれてました。 面白がってました。…正直、相手を傷付けて楽しんでいたのかも しれません。 それでね…そいつの家族に、文句言われましてね。罵倒されましたよ。 秋子さんは、俺を罵倒しないんですか?」 秋子「今はもう罵倒する必要、ありませんから。」 冬弥「・・・そうですか。 でね、考えたんですよ。俺は浮かれていた。間違っていた。 俺はこれ以上同じ過ちを繰り返してはいけない。 なら、どうすればいいか。」 秋子「何故謎ジャムと関係するんです?」 冬弥「自己満足かもしれません。自分の罪の意識から逃れたかった… ただ、何か、罪の意識を忘れたかったのかも知れません。 俺は弱かった。精神的的にでも決して強くはなかった。 今も自分で自分を罵倒する事で、自分の罪の意識から逃れてるんです。 謎ジャムを食べる事で、罪の意識から逃れたかった…少しでも 自分を戒める気持ちでいたかったんです。 俺は…許して欲しい。浮かれていた事と、マインの主人を侮辱して しまったことを…許して欲しい。」 秋子「まぁ、人間、力に浮かれる事もあれば、感情で善悪が分からなくなる 事もあるでしょう。間違いを認めたのならば、あまり考えすぎる事も 無いと思いますよ? 大きな力は、精神をもろくします。貴方の精神が決して弱かったわけ では…」 冬弥「それでもね…自分を戒めてもらいたかっんですよ…」 … …… ……… 秋子「それで、これからどうするんですか?…誰に許してもらうのか、 自分が何をすべきか、わかっているのでしょう?」 冬弥「…まずは、柳川に謝ります。」 秋子「傷つけた事をですか?」 冬弥「そうですね…それよりむしろ、傷つけて喜んでしまった事に対して、 いい気になってしまった事に対して、かな。あと、マインにも 謝らないと…」 秋子「…そう、それでいいんです。貴方が自分のおごりに対して何も考えない ようでは、謎ジャムMkUドラム缶一杯分だけじゃすまなかったわね。 男塾入塾とかヘラク○スファクトリー行きはまぬがれなかったかも。」 冬弥「んなこと考えていたんですか?…まぁ、考えてみれば当然でしょうね。 他人を傷付けて喜んでいるような奴に、多妻亭主の資格はありません ね。」 秋子「でもね、そこまで自分を追いつめる必要はありません。いま自分が すべきだと思う事をしなさい。」 冬弥は起き上がる。 冬弥「…なんかすべてを話して話してすっきりした気がします。こんなこと あいつらには話せませんから。とりあえず柳川達に謝ってきます。」 冬弥は歩き出す。が、すぐに立ち止まる。 冬弥「あ、そうそう…ラルヴァ!!」 冬弥の傍らにラルヴァが現れた。それはドルギ○ンの中にいたラルヴァで あった。 冬弥「これ、返しておくよ。多分、もう使わないと思う…」 冬弥はコンバッ○スーツをラルヴァに差し出した。ラルヴァはそれを受け取る。 冬弥「そこらへんに捨てるなよ、迷惑だから。 …適当に封印するやら始末するやら頼むわ。」 くるっ スタスタスタ… (えーと、まずはやっぱり柳川に謝るのが最優先だよな…マインにも謝って おくのを忘れずに。俺には最悪でも、あいつにとっちゃ大切な人物 なんだしな…やはり一人の人間を侮辱した罪は重いよな…でも襲われたら 逃げよう。 やっぱり本人の口から直接「お前を許す」と言って欲しいな… こういう時は本人から直接許してもらわないと気分が晴れないからな…) 冬弥は何をすべきか考えつつ、早足で柳川の元へ向かった。 ラルヴァは冬弥の後ろ姿を見守っていた。 ラルヴァ「…確カニスーツ、オ預カリシマス。イツカ、マタ、アナタニコレガ 必要トナル時マデ・・・」 秋子「あなた、冬弥クンにホレたの?」 ラルヴァ「イイエ、タダ、私モ楽シカッタダケデス。恐ラク、芹香サンニ 対スルセバスチャン殿ノ心境トハコノヨウナモノデショウカ。 モシクハ、ホシヒュウマニ対スル姉ノシンキョウ…」 秋子「そう…よくそんなアニメ知ってるわね…」 ひかり「秋子、あの子が力に任せて暴走する事、わかってたの?」 秋子「あら、ひかり。彼が人間である以上、力によって変わってしまうのは 仕方の無い事なの。問題は、どのようにそれを乗り越えるか。 まぁ、あそこまで壊れるとは予想外だったけどね。」 ひかり「…そ、そうなの……(予想外だったんだ…(- -;)) そういえば、ドル○ランはどうするの?急いで完成させたんでしょ?」 秋子「ああ、あれ?あんな短期間で完成するわけ無いじゃない。 あれは撮影用の表面だけよ。」 ひかり「そ、そうなの(- -;)…」 ラルヴァ「エエ、内装ト転送装置ハ別撮リデス。」 早足で柳川の元へ向かう冬弥を、三人(二人と一匹?)は優しく見守っていた。 終 あとがき 私のミスと自分の物差しでまわりを計る性格で皆さんにご迷惑をおかけした 事をお詫びします。すいませんでした。中途半端なサド趣味と中途半端な 自虐性を持つMADスズキです。 ガラにもなくシリアスです。どこまでシリアスできたかは自信ありませんが。 とりあえずこの問題は私が原因なので私の手で決着をつけるべく書きました。 自然に手が進みました。 さて、今回冬弥はコ○バットスーツの捨てましたが、彼には0.05秒の間に 九つほどのアクションをこなすスピードがあるので、少しは強くなっています。 ただし、誰に拳法を習ったわけではないので、ワンツージャブをむやみに 振り回すだけです。スピードは速いんですけど。 本当は↓こんなシーンも盛り込もうとしていました。 彼の頭に、「俺達の力を思い知れ!!」と言って、立つ少年に車を突進させる 不良が頭に浮かんだ。 (そう…それは不良が車の力を自分の力と勘違いしている…それと同じだ… 俺はそれ以下か…) …はい、知ってる人は知っている、車田正美『雷鳴のザジ』のネタです。 もし了承学園in男塾顎怨祭を書いたら、それが私の最後の了承学園に なるかもしれません。 でわ。MADスズキでしたっ!!
 ☆ コメント ☆ 綾香 :「な、謎ジャム一瓶」(^ ^; セリオ:「無茶しますね」(;^_^A 綾香 :「凄いわ、冬弥さん」(^^) セリオ:「まったくです」(;^_^A 綾香 :「う〜ん。思わず、負けず嫌いの虫がウズウズと」 セリオ:「うっ。……なんか……ヤな予感」(−−; 綾香 :「というわけで。      セ〜リオ。あなたも一瓶、レッツチャレンジ!!」d(^-^) セリオ:「なにが『というわけ』なんですか!?      絶対にイヤです!!」(ーーメ 綾香 :「そこをなんとか」 セリオ:「イ・ヤ・で・す」(ーーメ 綾香 :「しょうがないわね。分かったわよ。      じゃあ、百歩譲って千鶴さんお手製のリゾットで手を打ちましょう」(^^) セリオ:「ど〜こ〜が、百歩譲ってるんですか!?」(ーーメ 綾香 :「だったら……レミィが味付けをした天ぷらうどんとか……」 セリオ:「イヤですってば」(ーーメ 綾香 :「だったら……あたしの手料理はどう?      ……な〜んて言ってみちゃったりして」(^^) セリオ:「イヤ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!      今までの中で一番イヤ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!      それだけはご勘弁を〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」(;;) 綾香 :「……………………おい」(ーーメ



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