了承学園 (kanonサイド)4日目6時間目

 学生にとってそんなに酷なことはないでしょう…………


 

「……というわけで、今からテストを行います。」

教室に入ってきた秋子が突然そう言った。

「秋子さん、どういうわけでテストなんですか?」

「お母さん、いきなりだなんて酷いよー。」

「うぐぅ、ボク勉強は苦手だよ。」

「あうーーっ………」

「そんなこと言う人嫌いです。」

「ふっ。」

「………かなりイヤ。」

「あはは〜。」

「そんなに酷なことはないでしょう。」

テストに自信のある人とない人の反応は、若干違っていた。

テストがイヤな人が秋子さんに不満を述べている間

 (まてよ。この学校の授業というと、主に保健体育(実技)だ。ということは、テストも保健体育!

なんだ、俺の得意分野じゃないか!メイドさんかな♪ネコさんかな♪裸エプロンかな♪あっ、ナースはまだだな。)

と祐一は自分の希望(煩悩)を思い描いていた。

その祐一の希望をうち砕く秋子さんの一言!

「みなさんにうけてもらうテストは簡単な力学の問題です。あと、祐一さんは別室で別の試験を受けてもらいます。」

「えっーーーーー!!秋子さん、どうして俺だけ別なんです!」

祐一の反論を受け流し、更に続ける秋子!

「テストをさぼる人にはこれを飲んでもらいます。」

そう言って取り出した物は、透明な瓶に入ったオレンジ色の液体だった。

「「「「「「「「「…………はい。」」」」」」」」」

こうしてテストが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは別室に移動した秋子と祐一の様子を見てみましょう。

「祐一さん、今から私の質問に答えて下さい。これが、祐一さんのテストです。」

「はい。」

秋子はテストの内容を話し始めた。

「祐一さん、もしこのテストで合格できないと大変なことになります。最悪、退学と言うことも………。」

「!!」

 (退学!いや、妻達のためにもそれはできない!ぜっっっっっっったい合格してやる!)

祐一は、固く決意した。

「まあ、祐一さんなら大丈夫だと思いますが………。」

 

 

 

 

 

 

そのころ妻達は、教室で力学の問題を解いている。その内容とは

 

問1

 なゆちゃんが100mを9秒で走ろうとしています。なゆちゃんはどれだけの加速度で走れば走れるでしょうか?

但し、最初なゆちゃんは止まっていて、等加速度運動をします。

 

問2

 あゆあゆが祐一さんを見つけました。あゆあゆは、時速18Kmで祐一さんに突進し、ぶつかりました。

そして次の瞬間(1秒後)あゆあゆは停止しました。このときあゆあゆの受けた力の大きさを計算せよ。

 

 

そしてそれに対する反応は

「うぐぅ。」

「あうーっ。」

「うー、難しいよー。」

「お姉ちゃん、教えて。」

「ダメよ。自分でやりなさい。」

「…………佐祐理。」

「あはは〜、ダメですよ。テストは自分の力でやる物ですよ。」

「…………」(テストに集中している。)

 

 

 

 

 

そして、祐一のテストは

「では問題を言います。祐一さんの8人の妻達が、断崖絶壁にロープで吊されています。そのロープは今にも切れそうになっています。

誰から助けますか?当然1人を助けたら後の7人は助かりません。祐一さんどうしますか?」

 (あゆは、空を飛べるから後回しにして、一番弱そうな栞から……いや!でも他の6人が…………

この場合選べないのも答えなのか?いや!そうではない!となると………)

「全員助けます!」

「祐一さん、1人しか助けられないんですよ。全員助けようとしたら全員落ちてしまいます。それくらいなら、誰か1人でも助けた方が合理的なのでは……。」

「いえ、俺は全員助けます!」

「奇跡でも起きない限り無理ですよ。」

「奇跡を起こします。俺は今まであいつらと一緒に奇跡を起こしてきたんです。これからも起こせるはずです。」

「祐一さん、合格です♪」

「えっ!」

「多妻の原則は平等です。もし祐一さんが誰か1人を選んでその平等を破ることがあったときには、『市中引き回しの上磔、謎ジャム刑』ですよ。

また、誰も選択できずに見殺しにした場合は『時空の狭間への流刑』です。」

「………そうだったんですか。」

合格できて安心する祐一だったが、内心その刑の内容に恐怖していた。

「じゃあ、祐一さん教室に戻りましょう。」

 

そして教室に戻ってきた秋子は、妻達の答案を回収してこの時間は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして秋子は理事長室で採点をした。

香里、佐祐理、美汐は正解。

残りの答えを見てみましょう。

 

あゆの答え

問1

 名雪さんは途中で眠るので100m走れない

問2

 ボク、あゆあゆじゃないよ

 

真琴の答え

問1 

 10000000000000km

問2

 あゆあゆは1000ポイントのダメージをうけた

 

名雪の答え

問1

 全力で走る

問2

 実は、祐一が避けるのであゆちゃんは祐一にぶつからない

 

栞の答え

問1

 こんな問題出す人嫌いです

問2

 この問題は人類の敵です

 

舞の答え

問1

 死ぬ気で走る

問2

 かなり痛い

 

 

「……………ここまで酷いなんて……。」

あまりの成績の悪さに驚く秋子だった。

「……次から赤点を取った人は『謎ジャムの刑』にしようかしら………。」

次から赤点を取った場合は、『謎ジャムの刑』になることが決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

テストの解答

問1

 x=Vt+1/2at

より、ただし

xは進んだ距離、Vは初速、aは加速度、tは時間とする。この式に値を代入して計算すると

 答えは2.47m/s

 

問2

 F=ma

を使う。

まず加速度aを求める。加速度は時速18kmから0なので、−18km/s2 になる。これをメートルに直して−18000m/s

つぎにあゆの体重は41kgなので計算すると、F=−73800kg・m/s2 になる。

つまり、あゆの進行方向逆向きに−73800kg・m/sの力が働く。

 

 

 

 

 

あとがき

 もうすぐテストがあるので、テストのことを書いてみました。

 了承学園の授業は、主に保健体育と調理実習なので、普通のテストは期待できません。

 よって、祐一には了承学園の在学資格の判定テストを行いました。

 名雪達の受けたテストは、力学の初歩的な問題です。

 

このテストの藤田家版

 琴音ちゃんが、10mの木になっているリンゴをサイコキネシスを使って落としました。何秒後に地面に落ちるでしょう?

ただし、重力加速度は9.8m/sとする。

 

是非解いてみて下さい。

フランク疾風


 ☆ コメント ☆ 綾香 :「ふ〜ん。了承学園にもテストってあるのねぇ」 セリオ:「テストなんて軽い軽い。何でも来いです!」(^0^) 綾香 :「……ダウンロードは禁止ね」(−−) セリオ:「え〜!? またですかぁ!? 最近、禁止される事が多いです」(;;) 綾香 :「あったりまえでしょ! ダウンロードなんてカンニングと同じじゃない」 セリオ:「うう〜っ。仕方ないですね。分かりましたぁ」(;;) 綾香 :「よろしい。      それじゃあ、実力で上の問題を解いてみてね」(^^) セリオ:「は〜い。      ……えっと……なになに……琴音さんが超能力でリンゴを落としたのですね」 綾香 :「うんうん」(^^) セリオ:「ということは、超能力を使って、直接手元まで引き寄せた可能性が高いです」 綾香 :「は?」(−−) セリオ:「ですから……答えは、『何秒経ってもリンゴは地面に落ちなかった』です。      うん、完璧♪」(^0^) 綾香 :「……………………ばか」(−−)



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