私立了承学園 四日目三時間目 こみパサイド 「失礼いたします」 理事長室に大志が入ってきた。 「いらっしゃい、大志さん」 「何かご用でしょうか?」 「ええ、実はあなたに聞きたいことがあって」 「聞きたいこと?」 「ええ、ずばり聞きます。あなたがこの学園に来たのは世界征服のため?」 「そうです」 あっさりと答える大志。 秋子は少し悲しそうな顔をして続けた。 「では目的はこの学園の力ですか?」 「くくく、それは違いますよ、秋子殿」 「?」 「我輩の野望はおたくのおたくによる世界征服。 ・・・まあ,ああいうのも面白くはありますが」 「じゃあ・・・」 「ここは・・・いい所です」 どうして、続けようとした秋子の言葉を遮り大志は言った。 「ここでは我輩が力を貸すようなことも起こりませんからな」 「・・・・・・・・・・」 大志は理事長室の窓から見える光景を遠い目をした。 「こう見えても昔は大変だったのですよ。あさひちゃんや南女史とかのことでね。 何度かやきもきさせられましたよ」 こう見えても大志は和樹がピンチに陥るたびにそれを救ってきたのだ。 ・・・誰もそれを認めてはくれないが。 「今はそれがないとでも?」 「無いという訳ではないでしょうが、今は和樹のそばにはたくさんの妻がいます。 どんな問題も自分達で解決してくれるでしょう。」 「それはそれでさびしいんじゃありませんか?」 「少しはね。でもこうでなくてはいかんでしょう。なんせあやつもいまや一家の長。 それなり成長しないとね。まあ、だからこそ・・・」 大志は秋子の方を振り向きにやりと笑った。 「我輩も野望に専念できるというものです」 「はぁ、結局はそれですか」 秋子は苦笑した。 「野望ってそんな大切なものなのかしら?」 「ええもちろん。野望と言うものは持つことに意義があるんですよ」 「持つこと?」 秋子は尋ねた。 「ええ。誰だって明日を生きるための夢や希望と言うものを持っているでしょう? 野望もそれと同じようなものなんですよ」 「同じ物ですか?」 「我輩にとってはね」 「じゃあ別に本当に実行しようと言うわけではないのですね?」 「それとこれとは話が別ですよ」 大志はソファーに腰掛けて言った。 「男として生まれたからには己の野望くらい貫きませんとな。・・・まあそう言う意味では この学園の家族も皆野望を持っているのですよ」 「野望を?」 「ええ。自分の大切な人をを幸せにするという、限りなく近くにあり、 またとてつもなく遠い・・・『野望』をね」 「近くて遠い・・・ですか」 「人の幸せにどこまでで『終わり』なんてものは存在しません。幸せにすると 決めたなら死ぬまでそれを貫かねばなりませんからな。」 「・・・まあそう言う意味では間違ってはいませんね」 秋子はため息混じりに答えた。 「しかし大志さん・・・あなたって本当に変なひとですね」 「お褒めに預かり光栄ですな」 大志は立ちあがり秋子に背を向け言った。 「秋子殿、男には男の、阿呆には阿呆の生きる世界があるのですよ。 そして我輩は『男』で『阿呆』ですからな(ニヤリ)」 「自分で認めてどうするんですか」 「はっはっは、いいんですよこのことは一番自分がわかってますから」 「あまり御自分の『野望』に他の方々を巻き込まないで下さいね。あまり無茶 なさるなら私も怒りますよ」 てことは今までのは怒ってなかったのか。大志はそう思った。 「分かりましたよ。まあ、我輩としては野望に生き、野望に散れるというのなら 満足ですからな」 「散るんですか」 「物のたとえですよ」 そう言うと大志は立ちあがった。 「では我輩はもう、授業に行きますよ」 「そうですか。長いことお引き止めしてすいません」 「いいですよ。それでは」 大志は出て行った。 「・・・・本当に我が道を行く人ね、あの人は」 秋子は小さくため息をついた。 「でもちゃんとこの学園の生徒のことも気にかけてくれてるようだし良しとしますか」 秋子はそうつぶやくと立ちあがった。 「まあ、馬鹿につける薬は無いと言いますからね」 そう言ってクスリと笑った。 一方千堂家クラスは・・・ 「遅いな、先生。どうしたんだろう」 「さあ。でも確かこの授業は大志やろ?だったらこんほうがええんとちゃう?」 「まあそうだな」 あいつがやる授業がまともなわけないし。 「本当、このまま来ないといいのにね」 いいや、バカは来る(byゼクス)。 俺がそんなことを考えていると、 「ふはははははははははははははは、Myすちゅーでんと、待たせたな!」 ほら、やっぱりね。 「遅かったな」 「ああ、少し『野望』についての論議交わしていたのでな」 「?そうか。まあいいや。で、何すんだ」 「うむ、今日の課題はこれだーーー」 「かるぴす」 「「「「「「「「「一遍死んで来ーい!!」」」」」」」」 千堂家全ツッコミ武器が火を吹いた。 「あいしゃる・りたーーーーーーーーーーーん(キラーン)」 大志は星になった。 彼は今日も己の野望のために生き続ける。 ・・・・って本当か?まじで。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 あとがき ども、まおんです。 大志の野望のお話です。一応かっこいい馬鹿を書こうと思って書いたのですが・・・ うーん上手く表現できんかったなー。ていうか大志でシリアスは無理あるか・・・ ちなみに「男には男の〜」の部分はルパン三世の影響です、はい。 それでは。
セリオ:「何と言いますか……不思議な方ですねぇ」(;^_^A 綾香 :「格好いいんだか悪いんだか」(^ ^; セリオ:「ホント、判断に苦しむ方です」(;^_^A 綾香 :「でも、その難解さが、大志さんの持ち味なんでしょうね」(^ ^; セリオ:「そうですね。      周りの方々は、振り回されて大変でしょうけど」(;^_^A 綾香 :「まあね。根っからのトラブルメーカーみたいだし」(^ ^; セリオ:「ある意味、志保さんと同じ種類の方なのかもしれませんね」(;^_^A 綾香 :「そ、そうかも」(^ ^;;;  ・  ・  ・  ・  ・ 志保 :「ちょっと!! 大志さんなんかといっしょにしないでよ!!」(ーーメ 大志 :「そんなに謙遜するな。まいシスター」 志保 :「謙遜じゃなーーーい!!」(ーーメ 大志 :「ふっ。素直になれない女心、か」 志保 :「ちっがーーーーーーう!!」(ーーメ 大志 :「照れるな、まい兄妹。お前の気持ちは分かっているぞ」 志保 :「…………あんた……ヒロより何十倍も質が悪いわね」(ーーメ 大志 :「それはそれは。      お誉めに与り恐悦至極」 志保 :「…………もうイヤ。誰か助けて」(;;)



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