私立了承学園
4日目 1時間目(ていうか朝) ONE


 カシャアッ!!  勢いよくカーテンがひかれる音がする。 「ほらぁ、起きなさいよーっ!」  浩平の部屋。  いつものように瑞佳が浩平を起こしにきた。 「う、う〜ん…あと3ボケーだけ寝かせてくれ〜」 「そんな単位聞いた事ないよっ」 「なにぃ? それじゃぁ仕方ないな」  そう言って浩平は比較的あっさり身体を起こす。 「おはよ、浩平」 「あぁ、おは……ぐー…」  と思ったらそのまままた寝た。 「わぁーっ!? どうしてもう一度寝ちゃうんだよっ!!」 「あー? だって今日は記念日で休みじゃないか」 「なんの記念日なんだよっ!!」 「野暮なこと聞くな…オヤスミー」 「野暮なことじゃないよーっ!! ああぁっ、寝ちゃだめだよーっ!!」 「…てこずってるみたいね」  2階の浩平の部屋から聞こえてくる音に呆れたように呟く詩子。 「…そうですね」  まだパジャマ姿で眠そうな顔をしながらも、茜も詩子の言葉に同意した。 ----------------------------------------------------------------------------  それから更に10分後。  ようやく浩平は起きた。 「はぁ〜っ……毎朝大変だよ〜……」  階段を駆け降りながら瑞佳は大きなため息をついた。 「お前の起こし方はパワー不足なんだ。今度からはもっとエネルギッシュにこい」  浩平、反省の色ナシ。 「……はぁ〜〜〜っ……」  瑞佳はもう一度、大きなため息をついた。 「よぉ、みんなおはよう」  居間に入った浩平は、全く悪びれる様子もなく朝の挨拶をする。 「おはよう、浩平くん」 『おはようなの』 「みゅーっ♪」 「それは時計を確認しての発言なワケね?」 「…浩平、遅すぎです」 「まぁいつものことだけどね♪」 「ングング……毎度のことだが、朝食くらい皆で食いたいぞ」  朝食のトーストと目玉焼きをほおばりながら浩平が言う。 「…あんたのせいでしょーが!!」 「なにっ! そうなのか!?」 「…皆だって浩平と食べたいと思ってます」 「……」  うんっ、うんっ 「そうだよ浩平君。ホントは皆待ってるんだよ」 「でも待ってると時間が絶望的になるから先に食べちゃうんだよねー?」 「え、いやあの……スマン…」  いつもの調子でとぼけようとしたが、珍しく雰囲気に飲まれてしまい、あっさりと 謝る浩平だった。 ----------------------------------------------------------------------------  通学路。  折原家は学校に向けて仲良く全力疾走していた。 「も〜っ、どうして学内の寮からなのに遅刻寸前なんだよ〜っ!!」  足は止めずに瑞佳が泣き言を言う。 「全くだ。起床してから家を出るまで全く無駄な動きなど無かったのに」  浩平は真顔でしれっと言ってのける。 「それ本気で言ってるんだったら面白いよね」  詩子もいつもの調子でさらっと言う。 「浩平君の起床に時間がかかりすぎてるんだよ」  そして正論を唱えるみさき。 「なにぃっ! そうなのか!?」 「はぁ〜…もうそれはいいよぉ……」 「……」  はぁっ、はぁっ 「みゅぅ〜…」 「…毎朝…大変です…」  澪、繭、茜は結構辛そうだ。 「むぅっ、このままではまずいな」  そんな後列を見て、浩平は一計を案じた。 「よしっ留美! お前のあふれるパワーで俺達を学校まで投げてくれ!!」 「できるかぁぁぁっ!!」  浩平の無茶な提案を全力で拒否する留美。当然である。 「そうだよ浩平君、それじゃ留美ちゃんだけ遅れちゃうよ」 「み、みさき先輩、そういう問題でもありませんっ!!」  みさきのピントのずれた発言にくじけそうになりながらも、留美はどうにか素ーに 突っ込んだ。 「まぁ冗談だが」「冗談だけどね」  ツープラトン。 「………はあぁぁ〜〜〜っ………」  瑞佳は本日何度目になるかも解らない、大きな大きなため息をついた。 ----------------------------------------------------------------------------  き〜んこ〜んか〜んこ〜ん……  昇降口にたどりついたところでチャイムが鳴った。 「わぁーっ!! チャイム鳴っちゃったよーっ!!」 「大丈夫だ、俺達の担任は住井だからなんとかなるっ!!」 「そうねっ、住井君なら「浩平のせいで遅れちゃったのっ!」とか言えば私達は大丈 夫よねっ!!」 「な、なにぃ!? 俺を売る気かぁっ!?」 「…自業自得、です…」 「そーよね、折原君が朝ちゃんと起きればいいだけだもんね」 「……」  うんっ 「みゅぅ」 「えーと、とりあえず今は教室まで全力疾走すべきだと思うんだ」 「そ、そうだぞ! 最後まで希望を捨てちゃだめだ!!」 「はぁ〜っ……立派な言葉のはずなのに全然説得力が無いよ……」  そして教室に向けてのラストランが始まった。 <おしまい・そして一日の始まり>
 ERRです。  折原家の登校in了承って感じです。って見たままですね(笑)  是非とも浩平には起こしにきた瑞佳を困らせつづけて欲しいものです(鬼)  そのうちハ○トリくんのように天井とかで寝たりして(笑)
 ☆ コメント ☆ 芹香 :「…………他人事とは思えないです」(´`) マルチ:「わたしたちも、毎朝苦労してますもんね」(^ ^; あかり:「浩之ちゃん、朝はホントに弱いから」 レミィ:「その分、夜はとことん強いけどネ」(^ ^; 理緒 :「うんうん。パワフルだよねぇ」(^ ^;;;  葵 :「それなのに、どうして朝はあんなに弱いのでしょう?」 琴音 :「夜のうちに使い切った力が回復出来ていないからじゃないかな?」(^ ^; 智子 :「それはないと思うわ。      何と言っても、『あの』藤田くんやで」 綾香 :「そうねぇ。力を温存はしてても、使い切ってる事はないわね」 セリオ:「浩之さん……『夜の力』は無尽蔵ですから」(;^_^A マルチ:「でしたら、どうして浩之さんは朝起きるのが苦手なんでしょう?」 全員 :『どうしてだろう???』  ・  ・  ・  ・  ・ 雅史 :「浩之は、みんなが起こしに来るのを待ってるんだよ。      寝たふりをしてね」(^^) 志保 :「そうそう。      みんなが来る前に起きたりしたら、あかりたちをがっかりさせちゃうからね。      何と言っても、あの娘らは、ヒロを起こすのを結構楽しみにしてるから」(^^) 圭子 :「なるほど。だから、浩之さんは朝に弱いふりをしてるんですね。      あかりさんやセリオの楽しみを奪わない為に」(^^) 浩之 :「いや……朝に弱いのは事実なんだが……」(−−; 雅史 :「でも、みんなが来る前に、目は覚ましているんでしょ?」 浩之 :「それは……まあ」(−−; 志保 :「ふっふ〜ん」(^〜^) 浩之 :「…………んだよ」(−−; 圭子 :「浩之さんって優しいんですね」(^^) 浩之 :「……………………」(−−;;; 雅史 :「さすがは浩之だね」(^^) 志保 :「ふっふ〜〜〜ん」(^〜^) 圭子 :「浩之さん、格好いいです」(^^) 浩之 :「……………………うるせーよ」(−−;;;;;



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