私立了承学園
4日目 昼休み ONE 〜輝く季節へ〜


 ここは了承学園の中庭。  中庭と一口に言っても了承学園の中庭はとても大きく、場所によって植えられてい る木々や草花は違うので、同じ中庭とは思えない多彩な景色を楽しむことができます。  そんな素敵な中庭の、ちょっとひらけたお花畑。  そこで二人のちいさな女の子が遊んでいました。  一人は大きなリボンが印象的な女の子。  もう一人は茶色の髪の、元気そうな女の子。  リボンの女の子、澪ちゃんが楽しそうにスケッチブックに絵を描いているのを、も う一人の女の子、繭ちゃんは横から同じくらい楽しそうに眺めていました。  見ているだけで微笑ましい、のどかな光景でしたが、澪ちゃんが絵を描き終えると 不思議なことがおこりました。  なんと、澪ちゃんが描いた絵が、スケッチブックから飛び出してきたのです!  飛び出してきたのは、白くて長ーいイタチさん。  そのイタチさんを繭ちゃんは嬉しそうに抱きしめました。  繭ちゃんが澪ちゃんの描いた長ーいイタチさんと遊んでいる間にも、澪ちゃんは絵 を描きつづけました。  ネコさん、イヌさん、ヒヨコさん、ハトさん……  やがてその空間はちいさな女の子の夢をそっくりそのままとりだしたかのような、 不思議で優しい空間になりました。  周りが澪ちゃんの描いた動物さんでいっぱいになったころ、仲のよさそうなお兄ち ゃんとお姉ちゃんがやってきました。  澪ちゃんが元気に挨拶すると、ちょっと目つきの悪いお兄ちゃんも、黄色のリボン が似合うお姉ちゃんも笑顔で返してくれました。  そして、澪ちゃんはお兄ちゃんとお姉ちゃんも一緒に遊ばないか、と誘います。  お姉ちゃんがお兄ちゃんに何かお願いしています。  お兄ちゃんは、しょうがねーなー、といったふうに微笑みます。  そのお兄ちゃんの態度に嬉しそうに微笑むと、お姉ちゃんは澪ちゃんのそばに座り、 澪ちゃんの描いた動物さんたちと遊びはじめました。  でも、ふと何かを思い立ち、澪ちゃんに何かお願いしています。  すると、澪ちゃんはにっこり笑顔で、うん、うん、と二度うなづきました。  しばらくすると、動物さんたちに新しく、くまさんが仲間入りしました。  お姉ちゃんはそのくまさんをぎゅーっと抱きしめて、お姉ちゃんなのに繭ちゃんの ように無邪気に遊び始めました。  それを見たお兄ちゃんはまた、しょうがねーなー、といった顔で微笑んでいました。  またしばらくすると、今度は優しそうなお兄ちゃんと、元気そうなお姉ちゃん、メ ガネのお姉ちゃんにちょっと冷めたような、でも頼りになりそうなお姉ちゃん、そし て不思議なお姉ちゃんがやってきました。  そのお兄ちゃんやお姉ちゃんたちも動物さんたちと遊び始めました。  元気なお姉ちゃんは、イヌさんとかけっこをはじめました。  メガネのお姉ちゃんは気持ち良さそうに眠るネコさんをなでていました。  頼りになりそうなお姉ちゃんはみんなを微笑みながら見守っていました。  不思議なお姉ちゃんの周りには、絵の動物さんたちだけでなく、本物の小鳥さん たちがやってきました。  優しそうなお兄ちゃんは、瑠璃子さんらしいね、と呟きました。  またしばらくして、今度はちょっと意地悪そうなお兄ちゃんと、剣を持ったお姉ち ゃん、明るくて優しそうなお姉ちゃんがやってきました。  そしてやっぱり、動物さんたちと一緒に遊び始めるのでした。  剣を持ったお姉ちゃんがつまらなそうな顔をしていたので、澪ちゃんはちょっと残 念そうにしていたのですが、それを見た意地悪そうなお兄ちゃんは、ちょっと解りに くいけど、あいつはアレでかなり楽しんでるんだ、ありがとうな、と澪ちゃんの頭を なでてくれました。  すると、澪ちゃんも嬉しくなりました。 ----------------------------------------------------------------------------  夢は目を覚ませばおしまいです。  キーンコーンカーンコーン……  お目覚めのチャイムが鳴りました。  澪ちゃんの描いた動物さんたちは、澪ちゃんのスケッチブックに帰っていきました。  澪ちゃんと繭ちゃんはお兄ちゃん、お姉ちゃんたちに向かって元気よく、ばいばい、 と手をぶんぶん振りながら帰っていきました。  お兄ちゃんとお姉ちゃんたちも、二人の姿が見えなくなるまでその姿を笑顔で見送 っていました。  さぁ、午後のはじまりです。  一つの夢にさよなら、新しい夢にこんにちわ。  お、澪、今日はいっぱい描いたな  ……  うんっ、うんっ <おわり>
 ERRです。  チャレンジ魂に火をつけろ!!キャンペーン(謎)  童話テイストにチャレンジ。  ……ぐはぁ(爆)
 ☆ コメント ☆ 綾香 :「優しい話ねぇ」(^^) セリオ:「はい。とってもあたたかな気持ちになれますね」(^^) 綾香 :「みんなが笑顔になれる空間って感じかな」(^^) セリオ:「はい」(^^) 綾香 :「あたしも今度、澪ちゃんに絵を描いてもらおうっと」(^0^) セリオ:「いいですね。      それで? 綾香さんだったら何を描いてもらいます?」(^^) 綾香 :「そうねぇ。クマかな」(^0^) セリオ:「クマですか? それはまたどうして?」 綾香 :「格闘家といったらクマでしょ。      何と言ってもステータスシンボルだし」(^0^) セリオ:「…………そ、そうかもしれませんが…………。      なんか……一気に優しい話から遠ざかった様な気がします」(;^_^A 綾香 :「そう? 気のせいでしょ?」(^0^) セリオ:「……絶対に違います」(;^_^A



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