私立了承学園 四日目放課後NWサイド 「あれ?」 俺はふと気がついた。 「どうした?芳晴」 「あ、江美さん。コリン知りません?」 そうなのだ。いつもやたらとうるさいコリンがいない。 みんなで帰りに湖の方へ遊びにいこうって約束してたのだが。 まあ、静かなのもたまにはいいが少し物足りなさを感じる。 「私は知らないぞ」 「そうですか」 「どうしたの、芳晴くん?」 そこにユンナさんがやって来た。 「ユンナさん、コリン知りません?」 「コリン?さっき大志先生と話してたようだけど」 大志先生と?なんの話だろう・・・ 俺がそう考えていると、 「ふっふっふ、あたしをお探し?芳晴」 不意に後ろからコリンの声がした。俺が後ろを振り向くと・・・ 「・・・コリン、お前、なんでそんなカッコしてんだ?」 そこには昨日の授業で使った「ドリル」を持ったコリンがいた。 「芳晴、今のあたしはただのコリンじゃ無いわ・・・ 今の私は空と大地の覇者、無敵の・・・」 「カイザーコリンよ!!」 ばーーーーーーーーーーーーーーーん と、コリンの声と共に効果音が入った。ったくこいつは・・・ 「で、どうかしたのか、それが」 「えっ?驚かないの?」 「おどろくかーー!!」 ベシ 俺はコリンの頭をはたいた。 「ったく人が心配してたと言うのに・・・」 「ぶーー、いいじゃない別にー。それより凄いのよ、芳晴。今の私は空を飛べて 大地に潜れる、全地形対応天使なのよ!!」 なってどーするんだよ、そんなもんになって。 「全地形対応〜?本当にー?」 ユンナさんが横槍を入れる。 「何よユンナ、疑ってんの?」 「ていうかそれ以前にそんなことではしゃいでるあんたにあきれてるんだけどね」 「(グサ)あんた何気にひどいこと言ってない?」 「さあ?『何気に』言ったつもりは無いけど・・・」 なんか険悪ムード、仕方ない止めるか。 「ハイハイ、二人ともそこまで。ところでコリン、結局何ができるんだ、それ」 「もちろん、空を飛び大地をもぐれるに決まってるでしょ。見てなさい」 バッっと飛びあがるコリン。しかし・・・ 「・・・おい、コリン」 「何?」 「30センチしか飛んでねえぞ」 そう、コリンはほとんど飛べてはいなかった。 「あんた馬鹿?そんなもん持って飛べるわけないでしょ」 「ううっ、でもあたしにはこのドリルが・・・」 「はいそれも同じ・・・」 とん、とユンナさんがコリンを池へと押した。 「わっとっとっとっと」 バランスを崩すコリン、そして・・・ ばっしゃーーーーーーーーーーーん 案の定水の中に落ちてしまった。 「ぶくぼけぶぼくぶく」 「とまあ水の中では意味無し。羽もぬれたら飛べないからね」 ぶくぶくと沈んで行くコリン 「わー、ユンナさん。冷静に言ってないで助けないと・・・」 「分かってるわよ。これであの子も少し頭冷えたでしょうから」 こうして俺達はコリンをザルベージして帰途へとついた。 「あー、もう。今日は散々だったわ。特にユンナあんたやり過ぎよ」 俺達は覗き事件を解決し寮に戻っていた。 「あーら、カイザーコリンちゃんは全地形対応だったんじゃなかったの?」 「む〜、海は保証外なのよ」 「後から付け足すんじゃないわよ。大体あんたはもう少し物事をよく考えて・・・」 「あー、もうわかったわよ。その姑地味た説教やめてよ。もう」 「誰が姑よ!それに分かったんならちゃんと仕事しなさいよ」 「仕事?」 「これよ!!」 ドンとユンナさんが書類の束を置く。 「何これ?」 「あたし達がこの学園に通うからその分仕事ができなくなるでしょ。 だから神様がデスクワークに回してくれたのよ、分かる?」 「えー、めんどいー」 「何いってんのよ、これサボったら今度は本当にクビなるわよ。 そうなれば芳晴くんのそばにもいられないのよ。いいの?」 「うっ、それは困る・・・」 「だったらちゃんとしなさい、分かった?」 「ふぇーい。芳晴〜、ごめんね今日は相手できないよ」 「いや別にいいけど昨日も一昨日もアレだったし。でもなんかサラリーマンみたいだな」 「そうよその当たりは人間も同じ。中間管理職は辛いのよ」 天使の中間管理職って・・・ 「芳晴」 不意に江美さんが声をかけてきた。 「どうしました、江美さん?」 「ああ。実は実家に帰ろうと思ってな」 「ええ?どうして・・・」 おれ何か江美さんに悪いことしたか? 「いや、ただ単にたまには顔を出しとこうと思ってな。ルミラ様の様子も 気になるからな。と言うわけで済まん、今日の夜は相手ができん」 「いやだからいいですって。皆さんにはよろしく言っといてください」 「ああでわな、芳晴」 そして江美さんは行ってしまった。 「はー、今日はもう寝ようかなあ」 「ふふふ、芳晴くん」 振り向くとユンナさんが怪しげな笑みを浮かべていた。 「今日は二人っきりよね」 「いや、コリンがいるじゃないですか」 「違うわよ、夜のお・あ・い・て♪」 ユンナさんが擦り寄ってくる。 「いや、ですから無理しなくても」 「大丈夫。三人分がんばるから。さあ、お姉さんに任せなさい・・・」 「いや、ちょっと待って・・・そ、そうだ!ユンナさんも仕事があるんじゃ・・・」 「ご心配には及ばないわ。あたしはコリンと違ってちゃんと済ませてるから。 こういう時のために。さ、これからは夜のお仕事の時間よ(じゅる)」 よだれを垂らしながら近づいてくるユンナさんに俺は「こういう時ってどんな時 やねん」と言うツッコミを心の中でいれつつ俺は・・・その・・・アレだった(笑) その頃のコリン・・・ 「うぬれ、ユンナ!美味しいとこばっか持っていって。明日は覚えてなさいよ。 そのためにも仕事終わらせなきゃ」 猛スピードで仕事を片付けて行くコリン。 ・・・・・・ミスばっかでやり直しになるとも知らずに(笑)。 コリン・・・特殊能力「いきあたりばったり」 ユンナ・・・特殊能力「計画的犯行」 ・・・・なんちて。 了 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 あとがき ども、まおんです。 今回の話・・・なんか分けわからん(汗)。 とりあえずコリンの馬鹿っぽさをアピールと言うことで(爆)。 まあ天使にも仕事はあるでしょうし。 ちなみに最後のはLFTCGより。 それでは。
 ☆ コメント ☆ セリオ:「ドリル……ちょっといいかも」(〃∇〃) 綾香 :「……へ?」 セリオ:「ドリル……漢の浪漫ですねぇ」(〃∇〃) 綾香 :「あんたは女でしょうが」(−−; セリオ:「コリンさんにお願いしたら貸してくれるでしょうか?」(〃∇〃) 綾香 :「借りてどうするのよ」(−−; セリオ:「もちろん、全地形対応メイドロボとなるのです」(〃∇〃) 綾香 :「……なれないって」(−−;;; セリオ:「そうでしょうか?      頑張れば、少なくとも空ぐらいは飛べるようになると思いますけど」 綾香 :「飛べない飛べない」(−−; セリオ:「ぶぅー。綾香さん、ノリが悪いですぅ」(−−)  ・  ・  ・  ・  ・ コリン:「頑張るのよ、セリオちゃん。ドリルだったらいつでも貸してあげるからね」(^0^) ユンナ:「こらこら。無責任に煽らないように」(−−; コリン:「ちなみに、一泊500円だからねぇ」(^0^) ユンナ:「おいおい。お金取るんかい」(−−;;; コリン:「とうぜん! 世の中そんなに甘くないわよ」(^0^) ユンナ:「……………………ホントに天使か? こいつは」(−−;;;;;



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