四日目の三時間目ONEサイド 休み時間、浩平の元に一通の手紙が届いた 折原浩平様へ 次の授業に必要な“物”を持ってきて貰います その必要なものとは……… ちなみに、その手紙は妻たちにも同様に来ていた 教室にて がらがら〜 みずか「こんにちは」 みずかちゃんが教室に入ってきて挨拶をする 瑞佳「こんにちは、みずかちゃん」 七瀬「こんにちは」 詩子「やっぱ可愛いねぇ、みずかちゃん」 茜「こんにちは」 みさき「こんにちは」 澪『こんにちは』 繭「…おはよう」 その挨拶に教室にいる全ての人が挨拶を返してくれる とりあえず一人足りない みずか「あ、あのぉ…浩平…は?」 まだ馴れないらしく少し戸惑いながら皆に訊いてくる 瑞佳「えっと、浩平なら…」 詩子「持って来るもんがいっぱいあるから少し遅れるって、そのうち来るんじゃない?」 台詞を奪われた瑞佳は少し淋しそうだった がらがら… 茜「噂をすれば…です」 両手で抱え込むようにダンボールを持った浩平が登場する 浩平「悪い悪い!何をもって来ればいいのか迷ったから全部持ってきたら道に迷ってしまって…」 七瀬「はいはい、あんたの言い訳なんか聞きたくも無い」 茜「でも、面白いです…時々」 浩平「よし!全員そろったところで授業を始めるか!」 七瀬「あんたが言うな!」 みずかは黒板に今日の課題を書く “思い出の品” 瑞佳「ねえ浩平、そんなにいっぱい…何が入っているの?」 やはり気になるのは浩平の思い出の品だろう 浩平「ああ、これか?…思い出の品に決まってるじゃないか」 詩子「そんなことより速く見せなさいよ」 浩平「ああ、ちょっと待て」 浩平はそう言うとダンボールの中の物を一つ一つ出していった その中には妻達が良く知っているもの(手袋、目覚し時計など)から、知らないものまであった 詩子「とりあえず、私たちが知っているものをどかして…これは何!」 詩子が手にしている物…それはどう見てもメイドの髪飾りであった 浩平「ああ、それは初めてマインにあった時に貰ったんだよ」 七瀬「んなもん貰うなぁ〜!」 ばき! 浩平「…いいパンチだ」 みさき「浩平君、これは何?」 みさき先輩の手には一枚の紙切れがつままれていた ちなみにその紙には判子が二つ押されていた 浩平「それは…献血の奴だよ」 なぜか浩平の口調がどもる 瑞佳「浩平が献血なんて聞いたこと無いよ」 ひょい、と後ろから紙を覗き込む 確かにそこには献血という文字があった、ただその前にルミラという女性の名前が書かれていたが… 瑞佳「こ、浩平! これ!」 瑞佳が悲鳴をあげる そして妻達が皆、それを覗き込む みさき「浩平君って、えらいんだね」 みさき先輩は未だにただの献血だと思っているらしい 詩子「で、血を吸われるってどんな感じ?」 浩平「ああ、結構気持ち良かったぞ」 実際、かなりの快感を感じていた 七瀬「あ〜ん〜た〜は〜!そっちの趣味かい!」 ばき! 七瀬の拳はいつもの事でたいしたダメージはなかった…が! 茜「浩平…嫌いです」 俺は巨大な石が頭に落ちてきたような衝撃と共に深淵の縁へと旅立った 授業の方は俺が倒れたにもかかわらず着々と進んでいった ……… ……… ……… 瑞佳「………と言う訳で、私は浩平から貰ったウサギのぬいぐるみ“バニ山バニ夫”だよ!」 七瀬「相変わらずのネーミングセンスね…」 詩子「な〜んだ、皆して浩平からのプレゼントじゃない」 茜「今一番大切なのは浩平ですから…」 みさき「さり気なく恥かしい言葉を言ってるね」 詩子「さて、残るはみずかちゃんだけね!」 みずか「え?…え?」 こちらに振られるとは思っていなかったのか戸惑いの声をあげる みさき「やっぱりその、カメレオンかな?」 みずか「あ…あの、あのぉ」 澪『教えて欲しいの』 繭「みゅ〜」 繭も目で訴える みずか「わ、私の思い出の品は…その…屋上にいけば…」 詩子「じゃあ、これから皆で屋上に行きましょうか…天気良いし」 みさき「誰が一番に着くか競争だね!」 繭「みゅ〜、鬼ごっこ」 三人はさっさと行ってしまう 瑞佳「浩平…どうしようか」 ちなみに倒れたままだ 七瀬「そっとしておけばそのうち復活するでしょう…それとも瑞佳、屋上まで運んで行く気ある?」 …というわけで、浩平以外は皆、屋上へ向かった 七瀬「うう〜ん、気持ちいい!」 屋上の風を体いっぱいに受け深呼吸をする 詩子「クーラーで涼しいのも良いけどこういうのもまた格別よねぇ」 茜「詩子、スカートの中が見えています」 詩子「え?あ、うあ!?」 詩子は、奇妙な声を上げてスカートを押さえつける みさき「それで、みずかちゃんの思い出の品は?」 みずか「あ、あの…これです!」 人差し指を真上に突き出す 瑞佳「そら…かな?」 みずかは、こくん、とうなずく みずか「浩平が“終わってしまった世界”に来た時に私が飽きるまで“動く世界”を見せてくれたの」 瑞佳「そうなんだ…」 みずか「でもね、わたしはまだ見飽きてないよ…だって、同じ物は何一つないんだから」 多分、みずかちゃんがここにいるのは偶然じゃなくて、みずかちゃん自信がここに来たいと願ったから…だよね みさき「残りの時間はここでお昼寝しようか」 詩子「さんせ〜い!だって、ぽかぽかしてて気持ち良いんだもん」 繭「みゅ〜、ねむい」 妻たちは時間いっぱいまで日向ぼっこを楽しんだ ついでに俺は次の時間まで忘れられていた あとがきの挨拶 お初にお目にかかります朝といいます たぶん可も無く負荷も無く…そんな感じだと思いますが 批評、苦情、その他(物理攻撃を除く)、甘んじて受けますので宜しく あとがきのお遊び 朝「あとがきだぁ〜」 秋子「あとがきとは書いたすぐ後に書くものですよ」 朝「あ、秋子さん…」 私は数歩後ずさりをする 秋子「何故逃げるのですか?」 朝「いや〜、もうこんな時間なのでトト様とカカ様が心配するかなぁ〜と思って…」 秋子「家で書いているのではないのですか?」 朝「あう〜、意地悪…」 秋子「貴方が言っても気持ち悪いだけです…」 朝「それはそうかもしれないけど…」 秋子「罰を与えます」 朝「やっぱり…」 秋子「あとがきを書きたいがためだけにSSを書いているなんて言語道断!」 朝「建前はいいから速くジャム頂戴!一度食べてみたかったんだ」 私は秋子さんからジャムを受け取るとひとすくい食べてみる 朝「…だ、大丈夫ゥ〜〜〜」 秋子「なかなか粘りますね」 秋子さんがぱちんと指を鳴らす 何処からか樽が出現する 秋子「これはジャム三十年物です…どうぞ召し上がれ」 朝「三十年物って…秋子さん三十路…」 再び秋子さんが指を鳴らす ガディム「はい、なんでしょうか?」 秋子「これを地下牢へ」 ガディム「ラルヴァ!連れて行け」 朝「ああ〜〜〜」
 ☆ コメント ☆ 綾香 :「瑞佳たちの思い出の品は、浩平からのプレゼントなのね」(^^) セリオ:「そうですね。      やはり好きな男性からのプレゼントは思い出に残りますよね」(^^) 綾香 :「うんうん」(^^) セリオ:「プレゼント。プレゼントと言えば……」 綾香 :「プレゼントと言えば?」 セリオ:「♪ あなたがわたしにくれた物〜♪」(^0^) 綾香 :「いきなり歌い出すか」(^ ^; セリオ:「……♪ ……♪ ……♪」(^0^) 綾香 :「それにしても……プレゼント、か」 セリオ:「……♪ ……♪ ……♪」(^0^) 綾香 :「あたしが浩之に貰った物で、一番印象に残っているのは……」 セリオ:「……♪ ……♪ ……♪」(^0^) 綾香 :「そうだなぁ」 セリオ:「……♪ ……♪ ……♪」(^0^) 綾香 :「河原で浩之に貰ったパンチ、かな」 セリオ:「……♪ ……♪ ……♪」(^0^) 綾香 :「あのパンチに、あたしはKOされちゃったのよね。      ……心が」(*^^*) セリオ:「……♪ ……♪ ……♪」(^0^) 綾香 :「それが……あたしにとっては一番の思い出ね。      まあ、『品』じゃないけど」(^ ^; セリオ:「……よなら〜してあげるわ〜♪」(^0^) 綾香 :「……あなた、まだ歌ってたのね」(^ ^; セリオ:「ふぅ。気持ちよかったです」(^^) 綾香 :「そりゃ〜、フルコーラス歌いきれば気持ちいいでしょうねぇ」(^ ^; セリオ:「…………って、あれ!?      わたしが歌ったところが全部『……』になってますよ!!」(@◇@;;; 綾香 :「俗に言う、著作権対策ってやつよ」(^ ^; セリオ:「ぶー。せっかく歌ったのにぃ〜」(−−) 綾香 :「こんな所で熱唱するあんたが悪い」(^ ^; セリオ:「ぶー」(−−)



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