私立了承学園 五日目 放課後(T)雫+NWサイド 「ふう、今日も終わったね祐くん」 「そうだね。沙織ちゃん」 僕達は授業が終わった後繁華街に向かっていた。 「たまにはいいよね、半ドンってのも」 「うん。こうしてみんなと遊びに行けるもんね」 「あれ?祐介さん、あれ芳晴さん達じゃ・・・」 瑞穂ちゃんが指差した方を振り向くとそこには、 「ねえ、芳晴〜、これ買ってー」 「ん?だめだだめだ、大体なんだこの『身に付けてるだけで幸福に!奇跡の力 パワーストーン』って。うそ臭いことこの上無しだろうが」 「でも、本当に身に付けてるだけで幸福になれるなら便利じゃん」 「・・・天使の言うセリフじゃねえぞ、それは」 間違い無い。芳晴さん達だ。 「芳晴さん。こんにちは」 「あ、祐介君こんにちは」 「こんにちは〜」 「芳晴さんのとこもデートですか?」 「あ、ああ、まあね。そっちもだろ」 「ええ」 二人がそんな会話をしていると、 「ヤッホー、祐介くん達に芳晴くん達じゃない!」 その声に振りかえると腕組んで歩いて来るティリアさんとデュークさんがいた。 「あらあら?お二人ともデート?アツアツねえ」 「「それはそっちも同じでしょうが!!」」 見事にハもる祐介と芳晴。 「あははー、やっぱバレバレ?実はね、このあたりに美味しいケーキバイキングの 店を見つけてね・・・・」 「「「「「「「美味しいケーキの店?!」」」」」」」 突然大声をあげ集まってくる両家の妻たち。 「それってどこです?教えてください」 「そうね、あなた達ならいいか、みんなで行く?」 「「「「「「「もちろん!!いいよね??」」」」」」」 「ああ・・・」 「いいけど・・・」 妻たちの迫力に圧倒される二人。 「・・・なんかすごいですね、ケーキと聞いただけで。瑠璃子さんまで・・・」 「まったく、いつもおとなしい江美さんのあんな顔はじめて見たぞ」 「それだけ女性には特別なんでしょうか、ケーキって」 「さあ?俺達には分からないけどな」 「まったく」 と、言うわけで俺達はケーキバイキングの店「ムッシュ・ハニョラリーレ」に来ている。 ・・・名前はアレだがちゃんとしたケーキ屋らしい。 店内は自分達を除いてはすべて女性だった。 「・・・成程、これはなかなか男性だけじゃ来れないな」 「そうですね。ちょっと恥ずかしいですね」 二人は店の隅で縮こまっていた。 「どうしたの祐くん、ケーキ食べないの?」 「そうだよ芳晴。せっかく来たんだから食べなきゃ損だよ」 そう言いながら沙織とコリンが近づいてきた。 沙織ちゃんはチョコレートケーキを、コリンはミルフィーユをさらに大盛りに 乗せている。 「沙織ちゃん・・・そんなに食べるの?」 「もちろん!て言うかおかわりもするよ」 「さっき昼御飯食べたのによく入るね・・・」 「昔から言うでしょ、甘いものは別腹って」 「そうだよ(もぐもぐ)祐介君(がつがつ)。女の子は甘いものならいくらでも 入るのよ(ゴックン)」 「こら、コリン!食べながら話をするな、下品だろ」 「はいはい、じゃ私は食べ終わったからまたとって来るね」 「あ、待ってあたしも」 そうして二人はまたケーキ取り場に向っていった。 「やれやれ、コリンの奴ときたら・・・」 「いいじゃないですか、元気があって」 「まあな。ま、それが唯一の取り柄みたいなもんだからな」 「そんなこと言うと怒られますよ」 と、しばらく二人は雑談していた。 「・・・祐介ちゃん」 「芳晴・・・」 ふと気がつくとエビルと瑠璃子がそばに来ていた。 「あれ、瑠璃子さんにエビルさん、どうかしましたか?」 「・・・ううん、ただ祐介ちゃん達のことが気になって」 「そうだ。どうしてお前達は食べない?どこか調子悪いのか?」 「違いますよ、江美さん」 芳晴は苦笑しつつ答えた。 「ただちょっと恥ずかしくて・・・」 「恥ずかしい?何故?」 「だっておれたち除いてみんな女性ばっかじゃないですか。ちょっとねえ・・・」 「男の子にはこういうとこむかないかな・・・」 瑠璃子が尋ねた。 「ええ、そうですね。まあみんなと言うわけじゃないですけど」 そう言った祐介の脳裏に嬉々としてケーキの山にかぶりつく ある男の姿が目に浮かんだ。それが誰かは敢えて言うまい。 「ま、まあおれたちは少し恥ずかしいかな。な?祐介君」 「そうですね。あ、でも別に僕達のこと気にしなくて良いですよ存分 楽しんできてください」 「そうか?ではお言葉に甘えさせてもらうぞ。デュラル家にいた頃はこんなに ケーキを食ったことは無かったのでな」 「・・・それじゃ私達、祐介ちゃん達にケーキとって来てあげようか?」 「あ、お願いします」 「うん、じゃあ何が良い?」 「えーとじゃあ僕はモンブランを」 「俺はレアチーズを」 「分かった。少し待ってろ」 そう言って二人は去って行った。 こうして俺達はそれなりにケーキの味を堪能した。 その頃のティリアとデュークは・・・ 「どうしたんだティリア?お前もケーキ食いに来たんじゃないのか?」 「へへへー。実は違うのよん。あたしは別のもの頼みに来たの」 「別のもの?」 「うん。あ、来た来た」 ティリアたちのほうにウェイトレス何やらおっきなジュースらしきものを持って 近づいてくる。 「お待たせしました。当店特製『虚空を舞う愛の雫』です」 「はあ?」 「ではごゆっくり・・・」 そう言ってウェイトレス。 「ティリアこれって・・・」 「へへへ、実は前雑誌に載ってたのを見たの。いつかデュークと一緒に 食べたくて。それとも・・・だめ?」 「いや、だめじゃないけど・・・」 しげしげと運ばれてきたものをデューク。 大きなガラスの入れ物に入ったトロピカルブルーのジュース。 その上にはアイスや色とりどりの果物が乗っている。 それに刺さった二股ストローはご丁寧にもハートのの軌跡を描いている。 「なんて言うか圧倒されるなこれ・・・」 「デも恋人同士って感じがとってもするでしょ?」 「まあそうだけど・・・」 「やっぱりだめかなあ・・・」 ちょっと寂しげな表情のティリア。こんな顔されたら断れるわけもなし。 「いいよ、なんたってティリアと一緒だもんな」 「わーいデューク!」 がばっ、とデュークに抱きつくティリア。 「オイ、馬鹿、やめろって!」 「いいじゃない、どうせこれ頼んだ時点でみんなにはそう見られてるんだし」 「そりゃそうだろうけど・・・」 「気にしなーい気にしなーい」 「トホホ・・・」 こうしてティリアたちもラブラブな時を過ごした。 おまけ 「ふー、一杯食べたね。もうおなか一杯」 「ハハハ、あれだけ食べればね」 「ふう、どうしてもこう言うとこ来ると食べちゃうのよねー。ダイエットしなきゃだわ」 と、香奈子ちゃん。 「ははは、みんな楽しんでくれたみたいね」 「ええ、ティリアさん今日はありがとーございます」 「いいのよ。その代わりって言ったらなんだけどこの店のこと誰にも言っちゃだめよ」 「?どうしてです」 「『あの四人』しれたらえらいことになるからよ」 「あっ」 なにか思い当たったようにつぶやく面々。 「でも大丈夫でしょう?いくら『あの四人』でも店のものを食い尽くすことは・・・」 「ふふふ、甘いわね確かに一人一人じゃ怖くないわ。でも・・・」 「三つの心が・・・じゃなくて、四人の胃袋と対抗心が一つになれば一つの店 を食い尽くすことも可能なのよ・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 「まあ、あの人達のことだからいつかはここに感づくでしょうけど」 「ここが『あの四人』のバトル会場にならないことを祈りましょう」 「そうね」 「アーメン」 こうしてみんなは神様にお祈りなんかした。 了 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 あとがき  ども、まおんです。 この話結構骨折れました。何にって?ティリアたちの飲んだジュースの名前に(爆)。 結局すんごいネーミングになりました(笑)。 そしてこれ書きつつふと思ったこと。 もしあの四人が戦隊を組んだら・・・ 大食いレッド・・・誠 大食いイエロー・・・みさき先輩 大食いブラック・・・楓 大食いピンク・・・スフィー ・・・・後一人ですな(笑)。て言うかなにくだらんこと考えてんだろう、自分。 まあいいや(オイ)。それでは。
 ☆ コメント ☆ みさき:「残念でした。もう、知ってるよ」(^^) スフィー:「ふっふっふ」( ̄ー ̄)ニヤリ  誠 :「俺達の情報網を甘く見ない事だな」( ̄ー ̄)ニヤリ  楓 :「どうでもいいですけど、何故、わたしがブラックなのでしょう?      暗いから? しくしく」(;;) みさき:「いいじゃない。似合ってるよ」(^^)  楓 :「嬉しくありません。しくしくしく」(;;) スフィー:「まあ、それはともかく……今から、そのお店に行くわよ!!」(^0^)  誠 :「了解」d(^-^) みさき:「賛成」(^^) スフィー:「みんなで思いっ切り食べようね」(^0^)  誠 :「当然だな」(^^) みさき:「お腹いっぱいになるまで食べるつもりだよ」(^^) スフィー:「それでは! 張り切っていきましょー!!」(^0^)/ 誠・みさき:「「おーーーっ!!」」(^0^)/  楓 :「お店の方、ごめんなさい。      …………と言いつつ、わたしも手を抜くつもりはありませんけどね」( ̄ー ̄)ニヤリ



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