了承学園 五日目 四時限 藤田家

 

「この時間の授業は自習とします」

 

秋子さんの一言で教室を追い出されてしまった。

せっかくなので

 

「昼からのフリータイムの下調べに繁華街に繰り出そうか」

 

なんてあかり達を誘ってみたのにみんな用事とやらでどっかに行っちまった。

一人っきりでぶらつくのも久しぶりだな、などと黄昏てると。

 

「あれ、ヒロじゃない、なにやってんのよ、独り? あかりたちは? もしかしてふられたとか? やっぱりねー、あんたみたいな甲斐性無しがいつまでもあんなハーレムじみた環境を維持できるわけがないのよね、うんうん」

 

ちっ、うるさいのが来た

 

「うるせえっての、あかり達は用事があるんで別行動なんだよ、そう言うお前こそなんでこんなところにいるんだよ、はー、やだやだモテナイ女の僻みってのはこれだから・・・」

 

「ムッカー、この志保ちゃんに向かってモテナイとは無礼な、このあたしが声をかければホイホイ寄ってくる男なんていくらでもいるんだから」

 

「ほー、それでその男どもってのはどこにいらっしゃるんでしょうねぇ?」

 

「グッ、とことんむかつく男ね・・・こうなったらヒロ! 勝負よ! ルールはいつもの通り、敗者は勝者の言う事を何でも聞くってやつよ!」

 

「上等じゃねーか、負けてほえずらかくなよ」

 

「はっ、その台詞そっくり返してあげるわ」

 

とりあえず勝負のために繁華街のゲームセンターにやってきた。

了承学園のゲーセンなんて言うからもっととんでもないところかと思ってたけどなんか普通だな・・・

 

「そういえばそうね、まあこんなもんでしょ、それより勝負の内容はなんにする? エアホッケー、お嬢様は魔女、それとも・・・」

 

んッ、今なんか違和感感じたな・・・なんだろ? まあいいか。

おっ、いいものみっけ、なんか懐かしいな

 

「志保これでどうだ?」

 

俺が指したのは以前志保との勝負に使ったジェットスキーのレースゲームだ。

 

「どれ、うわーほんとなつかしー、あっ、これ対戦型になってる、よーしこれでいこうじゃない、私の本当の実力を今こそ見せてあげるわ!」

 

「今回も返り討ちだぜ」

 

コインを入れてゲーム開始

 

「3」

 

「2」

 

「1」

 

「・・・・・エイッ

 

「Go」

 

げっ、しまった、吹かしすぎた、ってゆーか今なんか変な感じがしたぞ、まるでなにかに操られたような感覚がしたし、ってしまった志保は?

 

「あっはっはーだ、おっさきにー」

 

げっ、もう半周差ついてやがる、チクショー負けてたまるかよ、

 

・・・結局結果は鼻の差で志保の勝ち、くっそーあと一息だったのに

 

「負け惜しみは醜いわねヒロ、さあ約束どうりなんでも言う事を聞いてもらうわよ」

 

「わかってるっての、ただしあんまり持ち合わせねーからな」

 

「あんたの財布の中身ぐらい知ってるわよ、そうねーとりあえずヤックでセットを奢らせて、その後カラオケに付き合ってもらって・・・」

 

ぐう、今月の残り少ないこずかいが・・・

 

「ほら、いくわよヒロ」

 

「ちっ、しょーがねーなー、次は覚えてろよ志保」

 

「はん、返り討ちよ」

 

この後さんざん志保に奢らされた・・・お蔭で財布の中身がすっからかんだぜトホホ・・

 

 

おわり

 

 

 

 

おまけ

 

「ちっ、しょーがねーなー、次は覚えてろよ志保」

 

「はん、返り討ちよ」

 

浩之ちゃんが志保に引っ張られていく、うん、思った通りの展開だね。

 

「芹香先輩、琴音ちゃんご苦労様」

 

「・・・・・・・・」

 

「えっ、どうして浩之ちゃんを負けさせたのかって? だってこうでもしないと志保は正直になってくれないもの」

 

「そやけど長岡さんも素直やないなー、素直にデートしたいゆえばええのに・・・」

 

「OH、デモソコガ志保ノ可愛イトコロダヨ」

 

それにしても・・・志保ったら気がついてたかな?

自分が浩之ちゃんの言葉だけじゃなく頭の中で考えてる事まで読み取ってた事、

それができるのはわたし達とおんなじ浩之ちゃんのことがホントに好きって証拠なんだから。

 

志保、家族になろうね。

これからもわたし達と一緒に!

そのためなら私・・・

手段は選ばないよ?

 

 

 

あとがき

えーと、1歩進めてみました(笑)

わかりにくいかもしれませんがレースで浩之が負けたのは芹香と琴音が影から妨害したからです。

自分としてはやはり志保には藤田家に居て欲しいなという事で・・・



 ☆ コメント ☆ 琴音 :「ぶい」(^-^)v 芹香 :「……大成功、です」(´`) 綾香 :「ご苦労様。琴音、姉さん。ナイスだったわよ」d(^-^) 琴音 :「はい、ありがとうございます」(^^) 芹香 :「(こくん)」(´`) 綾香 :「しっかし、あたしたちが、これだけお膳立てをしてるのに……。      志保ってば本当に素直じゃないわねぇ」(−−; 琴音 :「まったくですね」(−−) 芹香 :「(こくこく)」(´`) 綾香 :「こうなったら、作戦第2弾始動よ」(−o−) 琴音 :「了解です」(−−)ゝ 芹香 :「……らじゃー」(´`) 綾香 :「力ずくでも、志保を素直にさせるわよーーーっ!!」(^0^)/ 琴音 :「おーっ!」(^0^)/ 芹香 :「おー」(´`)  ・  ・  ・  ・  ・ あかり:「あ、あの〜。『力ずく』はやめてほしいんだけど……」(−−; セリオ:「諦めて下さい。あーなった綾香さんは止まりませんから」(−−; あかり:「うぅ〜っ」(−−; セリオ:「わたしたちに出来るのは、志保さんの無事を祈る事だけです」(−人−)ナム あかり:「うぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」(−−;;;



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