作者註 この話は、出来るだけ379話と掲示板の書き込みを読んでからお読み下さい。     また、設定に関する予備知識として、「それいけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ」     (庄司卓原作・富士見書房ファンタジア文庫刊)を読んでおく事をお薦めします。  私立了承学園 五日目放課後・相沢&藤井家  天井からぶら下がる、白熱灯だけが照明の薄暗い、広大な空間――  寒寒とした空気が流れるその場所には、半ばシルエットとなって無数の巨大な人型の 姿が、さながら古代の偶像のように蟠っており、まるで死者の神殿の如く、生者の訪れ を拒むかのような雰囲気を漂わせている。  そんな中を、靴音を響かせて歩く一つの影――  決して、背は高くない。それは、小柄な女性――と、言うより少女のものであった。  静寂が支配する空間の中を、ただ無言で歩き続けた影は、やがてその行き止まりに辿 り着き、足を止めた。  そこには、ビニールシートを被せられた、小山のごとき物体を荷台に載せた巨大なト レーラー・トラックが二台、並んで置かれており、そこだけがこの空間に在って他とは 違う空気を滲ませていた。 「……………………」  一台のトレーラー・トラックの荷台によじ登った少女は、暫しの間無言でビニールシ ートに被われた巨大な塊を眺めていたが、やがて徐にシートを固縛していたワイヤーの 留め金を幾つか外すと、そっと持ち上げられる範囲でシートを捲り上げた。  シートの下から現れたのは、佇立する無数の影と同じ、巨大な人型――  だが、他のものと違い、その表面には無数の傷が刻まれ、無残な姿を留めていた。  少女は、その傷だらけの鋼鉄の表面にそっと、手を触れると、まるで傷ついた小動物 を労るかのように、そっとその手でザラザラとした金属の地肌を撫で始めた。 「………………っ痛っ!!」  不意に、手の平に鋭い痛みを覚え、彼女は手を離し、そして顔の前に手の平を翳す。  無数の、細かな砂塵と鋭い弾片によって叩かれ、扱かれた鋼鉄の地肌は、あちこちに ささくれのような鋭い傷が出来ており、不用意にその一つに触れたことによって、大し たものではないが手の平に裂傷を作ってしまったのだ。  鉄片によって切り裂かれた皮膚の下から、薄らと鮮血が滲み、手の平を伝って流れ落 ちる。  その様子をじっと見つめてから、傷ついた手をそっと降ろし、出血は自然に止まるに 任せながら、少女は横たわる鋼鉄の偶像の頭部に向けて、ぽつりと呟いた。 「………………痛かったんだろうな、お前も」  そこで一端、言葉を区切る。まるで、そうする事によって目の前の巨大な影が、返事 を返すとでも言うかのように。 「………………私の未熟のせいで……酷い目に遭わせてしまった。すまん」  物言わぬ鋼鉄の巨体に向け、そう言って心の底からの詫びの言葉を告げ、無言で頭を 下げる少女。目には後悔の色が滲んでいる。と―― 「――了承」 「…………え?!」  物言わぬ影の向こう側から、思わぬ声が上がり、驚きに満ちた目で少女は周囲を見ま わした。  不意に、それまで白熱灯だけだった照明が明るくなり、少女は不意の明るさの変化に 驚いて、目を瞬かせる。  そして、ようやくの事でもう一台のトラックの傍らに立つ、二つの人影を見つけ出し た。 「………………秋子、弥生……」 「貴女も……やはりいらっしゃいましたね、舞さん」  少女――川澄舞の呟きに応じて、そう答えながら姿を現したのは、理事長の水瀬秋子 と、今日の朝、もう一台のトレーラーに横たわる巨大な人型――MS-07B3・グフカスタ ムを駆って、舞のいるトレーラーに乗せられたモーターヘッド、”破烈の人形”と壮烈 な死闘を繰り広げた相手、篠原弥生であった。 「何時からいた??」 「私達もそんなに長くいた訳ではありません……そうですね、ほんの一〇分ほど前から でしょうか」  当然過ぎる舞の問いに、平板に事務的な口調で応じる弥生。 「いるならいると言えばいいのに」 「申し訳ありません……ですが、貴女がここに来て、どのような態度を取られるか、若 干興味がありましたもので」  その言葉に、舞はやや不快なものを感じ、続けた。 「人のする事を覗き見るの、良くない」  それに対し、秋子はやや恐縮した素振りを見せ、言った。 「そう……それに関しては謝ります。けれど、正直言って、安心しているんですよ。  貴女と……弥生さんが、同じ態度を示してくれた事に対して」  そう言われ、赤面して元々少ない口数を更に少なくし、黙り込む舞。  変わって口を開いたのは弥生であった。 「それは宜しいですが……一つ、腑に落ちないことがあるのでお聞きしたいのですが」 「なんでしょうか」  そう言って、弥生は秋子の顔を――正確にはその瞳を、鋭い刺すような視線で見つめ ていたが、やがて視線をトレーラーの方に転じて、続けた。 「ここで使われる器材については、元々演出としてブロック化されたユニットが脱落す るようにはなっていても、実際に修理が必要な状態に壊れることはない、そうでしたね」 「ええ」 「ですが、今日我々が乗った機体は来栖川の工場と技術者、職工を総動員しても修理に 二日から三日は掛るほどのダメージを受けました。これは一体どういう事なのでしょう か……いえ、秋子さん、貴方は一体、何を目論まれたのですか??」 「目論むだなんて人聞きの悪い……ただ、私は”ある事”を学んで戴きたかっただけな のですよ」 「ある事??」 「ええ……」  基本的に、外観は古今東西の様々なメディアに登場する巨大人型兵器を忠実に模した、 バトリング・フィールドのロボット達。  だが、彼女らは基本的に言わば遊園地の「遊具」であり、その目的において、本来と は正反対の要素――人命の尊重――を最優先として設計され、製造されている。  例えば、その操縦席は一種の二重カプセル構造とされ、その内側は独立次元泡、バブ ルボードと呼ばれる、空間的に独立した存在となっており、例え操縦席を収めた部位に 直撃を受けた場合でも、空間的に切離された操縦席を破壊することは不可能だし、又万 が一バブルボード・システムに障害が発生した場合に備え、緊急用に搭乗者を強制的に 転送させる為の転移魔法、「シュイン」を封入した強制排出装置も備えられている。  また、機体そのものも分子機械、モレキュラー・マシンと呼ばれるミクロンサイズの 微小な機械群が集合され、疑似的に存在を構成したものであり、実際のゲームにおける 「損害」は、被害箇所のモレキュラー・マシン群の結合を解除すると同時に、映画など に用いられる電着の効果を組みあわせることによって演出されるものだ。  無論、用いられる武器も同様で、これらは軍用の演習支援システムのフィードバック 技術が用いられ、例えば実弾系の火器の場合は競技によって違いはあるものの、大抵は 空砲、あるいはペイント弾を利用したものであり、命中判定は操縦席の照準器内に目標 を捉え続けた時間、及び火器の激発機構と同調して作動するガンカメラの映像を、搭載 コンピュータが計測して決定するもので、同様にビーム兵器の場合は機体表面に取りつ けられた受光器が一定以上の硬度を感知した場合、刀剣類の場合は光センサーの替わり に感圧センサーが同様に一定以上の圧力を検知した場合に「攻撃を受け、被害を被った」 事をコンピュータに伝え、コンピュータがそれに合わせて状況分析を行ない、被害の度 合とそれに伴って機体に加えられる「機能不全」の内容を決定するというシステムであ る。  ところが、今回弥生達が乗った機体はそうではなかった。  恐らくは、操縦席こそ他の機体と同じようにバブルボード・システムが採用されてい たであろうが、それ以外は全く、オーヴァーテクノロジーを用いずに組み上げられた、 正真正銘の工業製品――いや、戦闘ロボットそのものだったのである。  更に言うなら、搭載された装備その他も、本物であった。  一歩間違えれば大事故に繋がり兼ねず、又何故その事を伏せて自分達にこのような真 似をさせたのかについて、弥生は一種の殺意にすら誓い感情を覚えながら、秋子を詰問 しているのだ。 「それは――皆さんが、この学園に来られるようになって、ある種の「甘え」の感覚を 持ち過ぎてしまったのではないか、そう思えて仕方なかったからなのです」  そう、前置きしつつ、じっと弥生の鋭い視線を見据えながら、言葉を慎重に選びつつ 秋子は語り始めた。 「私は……出来るだけ、皆さんに不自由の無い、快適な学園生活を営んで戴こうと思い、 最大限の努力を払ってまいりました。非常識の誹りを受ける事を承知の上での、オーヴ ァーテクノロジーや異文明、異世界の技術、文物の積極的な利用もその為です」 「……………………」 「ですが、それらが皆さんにとっての常識として受け入れられた時、私も含めて、この 学園にいる全ての人間が、何か、人として根本的な部分で大切な事を見失ってしまった のではないか、そう思えて仕方がなくなってしまったのです」  いつもとは異なる、酷く真面目な口調と態度で語る秋子に対し、なおも疑いと警戒の 色を湛えたままの瞳を向けながらも、弥生は慎重に首肯いた。 「それを最初に教えてくれたのは……藤田家のマルチちゃん、それから、柳川先生、そ して最後に貴女方、藤井家の皆さん、特に冬弥さんでした」 「冬弥さんが、ですか??」  意外な所で飛び出した、意外な人物の名に弥生は一瞬、驚いて目を見開いた。が、す ぐもとの冷静な表情を取り戻すと、先を続けるよう促した。 「ご承知の様に本学では、課業修了後の清掃活動はメイドロボ達に委ねられており、皆 さんのお手を煩わせる必要はありませんね」 「ええ……」 「ですが、マルチちゃんはこう言われたんです。「一日、私達が使って、お世話になっ た教室ですから、最後に私達が感謝を込めて、きちんと奇麗にしてあげるのがやはり人 として大切な事なのではないでしょうか」と……  柳川先生の場合は、逆説的なんですが、一時期、柏木家の耕一さん達と争って、学内 を無遠慮に壊して廻って、全く反省してくれなかった時がありましたね。  それから、冬弥さんなんですが……」  「冬弥」の名に、再び顔の筋肉をこわばらせる弥生。 「彼……一時期、自分に他の方々のような能力が無いのを気にされて、凄く葛藤され、 足掻いた時期がありましたね」 「ですが、見事に冬弥さんはそれを克服されました」 「ええ……特に特別な能力など無くても、他者を労り、認め、尊敬する路を知れば、特 に抜きん出た特殊な才が無くても、人として尊敬と経緯と愛情を勝ち得ることができる と、悟られた時に」  それに対しては、我が事のように嬉しそうに首肯く弥生。だが、そこまで聞いてもま だ今回の事件との接点が見えてこない為、前にも増して鋭い表情を秋子に向けた。 「この三つの出来事から……この学園の皆さん、いえ、ひょっとしたら今と言う時間を 生きていらっしゃる、全ての若い方達がともすれば忘れがちになっている、人として最 も大事な事の一つに、私は思い至ったんです」  それは、要約すれば「人に敬意を、物に感謝を、英知に尊敬を」とでも言うべきであ ろうか。  秋子は続けた。 「本学には、無数の「心」を有されたロボット達が職員として就労されて……あるいは 学生として通われておりますね」 「ええ……」 「幸いにも、本学の生徒の皆さんは彼女たちに対する何らの偏見も持たれていない…… 自然に彼女たちを「人」と同等の存在として認識し、接することが出来ていると思いま す」 「解ります」 「ですが、彼女たち、限りなく「人」に近い存在が相手であればそうした態度が取れる 人々が、何故物言わぬ無機物――私達が日常、なにげなく使っている道具から、私達が 今いるこの学園の学舎に至る、あらゆる人工物に対し、何らの感慨も持ち得ないどころ か、長年にわたって使われてきたものであっても、些細な故障や破損、あるいは性能の 低下などが発生すると簡単に破棄し、新しいものに買い替えてしまうのか……」  とりわけ、現代社会においては電気製品の分野においてその傾向が顕著である。  例えば、音響機器。性能的には大して差がなくとも、殆どファッションの一部と化し てしまったそれらは、今や一ヶ月周期でどんどん新製品と入れ替わり、自分達が「洒落 物」と自負して止まぬ若者たちは殆どシャツを着替える感覚で古いものを捨て、新しい ものを求めつづける日々を送っている。  例えば、パソコン。既に本来の「情報処理のための、優れた汎用計算機」の枠を越え てしまったそれは、一部の愛好者と技術者の暴走を満足させる為だけに、本来の最大多 数の利用者の存在を無視した恐竜的進化の道をひた走り、無秩序に過剰な性能を備えた 新製品やパーツが氾濫している。  だが、彼等は解っているのだろうか。  そうする事がさも当然のように考え、そうする事が時代の先端に着いていき続ける言 わば唯一の方法であるとばかりに、そうした「便利な」道具達を使い捨てる者たちが、 それが彼らの傲慢としか言い様の無い欲を満たす為に日夜、心血を注ぎ頭脳を削り取ら れるような思いで図面を引き続けるエンジニア達の努力の結晶であると言う事を。  あるいは、それが感性の発露と誤解した、無残な落書きをペンキで施された壁やほん の些細な不満の捌け口となって破壊された備品で満たされた学校の校舎を、文字どおり 己の肉体を酷使し、手に豆を作り、額に汗して作り上げた男達の存在を。  はたまた、夜も更けて後、誰もが自宅や寮や下宿先で馬鹿話やテレビのバラエティ番 組に興じている頃、無遠慮にそこいら中に撒き散らされた、ガムの食べかすや煙草の灰 や吸い殻、空き缶、紙パックを片付け、明日も快適な学園生活を送って貰えるようにと 心を込めて校舎の維持をしてくれている人々がいる事を。  例え、非常識が通り相場の了承学園とはいえ、この巨大な施設を維持し、管理し、運 営していく為に払われるワークコストは並み大抵のものではない。いや、むしろ並外れ て巨大だからこそ、と言うべきだろうか。  自分達が、何一つ不自由の無い、望めばいかなる物も手に入ると思われがちな了承学 園の学園生活、並の王侯貴族ですら裸足で逃げ出してしまう程のその快適さは、いや、 現代における日常生活のありとあらゆる局面での、誰もが気にする事の無い細々とした 便利さは、だがしかし、その影で多くの人々の労力や頭脳や英知、技術によって賄われ ていると言う事を、なるべくドラスティックな形で生徒たちに学ばせたい。  今回、秋子が仕組んだことは全て、そうした彼女なりの「教育哲学」の発露、そう言 ってよかった。 「……現に、貴女方は今日、貴女方が乗り潰した――失礼、ですが、こう言って差し支 えないと思います――機体のことをちゃんと考えていらっしゃった。  自分達の楽しみのために、自分の替わりに傷つき壊れてくれた「道具」に対する感謝 と、後悔の気持ちをちゃんと抱いてくれた。  貴女方であれば、私の考えを口に出さずとも、自然に自分で結論を見出してくれるも のと信じていた。だからこそ、今回の授業を仕組ませて戴いたのです」 「ずるい人ですね、貴女は……そう言われれば、私には反論など出来なくなってしまう ではありませんか」  秋子の締め括りの言葉に、ふっと肩の力を抜き、穏やかな表情と声で語る弥生。  他の家庭には存在しない、「社会的地位を伴った大人の女性」ならではの理解力と包 容力で、秋子の考えを理解し、同時に彼女を許す他に術が無い事を悟ったのである。 「最初は候補として藤田家クラスのマルチちゃんや、健太郎さんなども考えました。な により、マルチちゃんはこの大切な事を最も最初に気付かせて下さった方ですからね。  ですが、やはりもう一つの大切な理由、データ収拾ののことも考えれば、この二点を 両立できるのは貴女達しかないと思ったんです。そして、結果は見事に私の期待を満足 させてくれるものでした」 「それでは……」 「ええ、勿論貴女方が私の見込み違いと判断されれば、そうですねえ……あの二機は思 った以上に修理に時間がかかる、ということにして、その間一週間程はボールあたりを 渡そうと思っていました」  にっこりと微笑みながら、恐い事をしれっという秋子。だが、弥生も舞も、その口ぶ りに毒がなかった事を知って、思わず口元に笑みを浮かべてしまった。 「秋子、それかなり意地悪……」 「ふふふ……でも、いいじゃありませんか。これで、名実ともにグフ・カスタムも”破 烈の人形”も貴女方の物になったんですから。  来栖川の皆さんには腕によりをかけて、ぴかぴかに修理して貰いませんとね。それか ら、貴女方似合わせたカスタマイズも。ふふふ、三日後が楽しみですね」 「はちみつくまさん」 「そうですね」  そこで、ふと時計を見る。  時刻はまもなく一二時を迎え、日付が替ろうとしていた。 「あらあら……随分と長話をしてしまいましたね。それでは、皆さん、帰りましょうか」  そう言って、二人を促し、外へと向かって歩み始める秋子。  後に続く二人の歩調も、入って来た時とは裏腹にどこか身軽で、楽しげである。 「今日、お二人にお話ししたことは、いずれ全校生徒、全教職員の皆さんにもお話しす る予定です。ですが、折角お二人には話したのですから、一度ご家族の皆さんともゆっ くりと話し合ってみてくださいね」  フロアを渡る長い影がやがて消え行き――照明が消されると、格納庫内は再び元の静 寂と薄暗闇を取り戻した。  それは、了承学園アミューズメントエリアの新名所、バトリング・フィールド本開設 の四〇時間前の、ちょっとしたドラマであった。 End. 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  こんばんわ、うめ☆cyanです。  又しても長文です、御免なさい。  ついでに、これのどこが「了承」やねん、です。重ねて御免なさい。  更に、又しても予備知識が必要です。重ね重ね御免なさい。  ロボットバトルの話を書いた後で、掲示板で幾つか論議がおこったので、それに対す る個人的回答……と言うか見解として書かせて戴きました。  今でこそ、某ソフトハウスにて原画マン兼CG塗りと言うヤクザな商売をしている私 ですが、学生時代までは元々どちらかと言うと工業デザインの方を専門にしてた人間で すので、どうしてもメカニズムや工業製品というものに対しての思い入れというのが強 くなってしまいます。  今回の話は、「了承」を読んでいて、最近の展開でどんな理不尽な要求や事態もあっ さりとハッピーエンドで解決されてしまう、納得の行かない部分や、開始直後から漠然 と感じていた、「登場人物達はこの学園に、勉学よりもむしろ社会通念や道徳観など、 人としてのあり方を学ぶ為にいる筈なのに、度の過ぎた快適さを与える事で彼らを甘や かし過ぎてはいないか」と言う疑問に対する問題定義と、それ+普段私が日常生活で感 じている事、及び、私なりの「了承学園におけるロボットバトルの存在意義」について の考察をそっくり小説の形をとって描いています。  了承学園自体は言ってしまえばかなり「トンデモ」(失礼!!)な世界ではありますけれ ども、それでも「学園」を名乗っている以上は教育機関であり、そこに存在するあまた の施設は、それが「遊戯」に供されるものであっても、何らかの「教訓」を利用者に与 えるもの出なければいけません。  そういう意味で、ロボットバトル競技場の存在理由を、私は「人と物との共存、道具 への感謝、道具を産み出す人間の英知へ尊敬」をドラスティックな形で学ばせる為の施 設、として定義しましたが、いかがなものでしょうか。  もっとも、ここで触れた「もっともらしい」内容のどの程度までを自分で実践できて いるのかについて、自分でも少々疑問を感じているような人間ですので、こういう事を しでかす奴を千鶴さん……じゃなかった「偽善者」って言うんでしょうね。 ……………………って、ああっ、千鶴さん、一体何するんですかァァ〜〜〜
ザシュゥゥゥゥゥゥゥ
 終わっとく。 *改定第二版  終盤に、一部不用意な表記があった為、修正致しました。  



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