私立了承学園 五日目三時間目 教師サイド    作まおん 「ふい〜〜〜〜〜、暇ねえー」 「・・・・・・ソウデスネ」 ここは保健室。 二時間目に壊されたが、度重なる崩壊を経てきたせいか治るのも早い。 「そう言えば、マイン貴之君は?」 「貴之サマナラ買物ガアルトカデ出カケテイマス」 「ふーん、珍しいわね、貴之君が外出するのにあなたがついていかないなんて」 「ハア。舞奈サンガツイッテイッタヨウナノデ」 「そう・・・」 「・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・暇ね、やっぱり」 「ソウデスネ」 「暇だからなんかしてあそぼっか」 「貴之サマヤ柳川サマガ帰ッテクルマデナラ・・・」 「じゃあ今日は工作を教えてあげるわ。図工の授業よ」 「図工デスカ・・・」 かくしてメイフィアとマインの図工の時間が始まった。 しばらくして、 「オイ、貴之はいるか?」 柳川がやって来た。 「ア、柳川サマ」 「マイン、貴之はどうした?」 「貴之君なら舞奈と買物に行ってるわよ」 「そうか・・・ところで」 柳川は部屋に散らばるテープや紙くずの山を見まわした。 「ア、ソレハデスネコレヲ作ッテイタノデス」 マインはテーブルの上にあった物体を取り上げた。 「なんだ?その牛乳パックは」 「………ウウ、牛乳ぱっくデハナイデス。コレハ『量産型HM−12』ト言ウノデス」 「・・・・・・どう言う意味だ、それは」 柳川はマインの持っていた物体を取り上げた。 ちなみに柳川が牛乳パックと見間違えたのも無理はない、なにせ牛乳パックで できているのだから。でもよく見ると目やら手らしき物がついている。 「私達HM−12ハ、マルチオ姉サマノ量産型。ソシテコレハ私ノ量産型ナノデ 『量産型HM−12』ト言ウノデス」 「俺が聞いてるのはそんなことじゃない。だからなんだと聞いているのだ」 「エエットソレハ・・・、アッ、ソウデス、トリアエズオ辞儀ヲシマスデス。エイッ!」 マインはその物体についていた紐をグイッと引っ張る。 ぽろ 「ハワワワワワ、頭がトレチャッタデス、のりノ量ガ足リナカッタデショウカ?」 「・・・・・・・・・・・・・・」 「エエット・・・ソウデス、コレナラ!ろけっとぱーんち」 ぴこん マインが別の紐を引っ張るとそれからロケットパンチ(ゴム動力)が飛び出し 柳川の鼻先にあたった。 「・・・・・・・・だからどーした!」 「アノ………ソノ……ゴホービ…」 「はぁ?!」 「工作シテテメイフィアサマガ『上手にできたらごほうびになでなでしてもらえるかもよ☆』 ト申サレテマシタノデ・・・」 「…………結局は貴様かメイフィア!」 メイフィアの方を振りかえる柳川。 「あーら失礼なこと言わないで頂戴、あたしはただマインちゃんに図工の授業をしてて、 柳川さんが誉めてくれるかもよーって言っただけよ」 「それは構わんがあとが余計なんだ、貴様は」 「じゃあ、それともなに?素っ裸に黄色い帽子とランドセルだけからわせて、 『お兄ちゃん、ガッコ遅刻するよ?』とか言うのを教えた方が良かった? 大丈夫よそっちの方に抜かりはないから」 「貴様・・・どうやら命がいらんようだな」 ちょっと鬼化する柳川。 「ホッホッホ(含み笑い)、いつもいつもやられるあたしだと思う?」 「ふん、たいした自信だな」 「ふふふ、風の属性をなめんじゃないわよーー!」 「ほざけ!鬼の体力と攻撃力思い知れ!」 とうとう戦い出したメイフィアと柳川。 「ハワワワワワ、ヤメテクダサイー」 「ただいまー・・・ってあれ、またやってんの?」 そこにちょうど貴之と舞奈が帰ってきた。 「アッ、貴之サマ。オカエリナサイマセ」 「ただいま。で、どうしたの、これ?」 「ナンダカ色々アリマシテ・・・」 「まあいいや、終わるまでこっちで待ってよ。舞奈、お茶頂戴」 「カシコマリマシタ」 「デモ、イインデショウカ・・・」 「だからと言って俺達にどうにかなるもんじゃないだろ?腹が減ったらやめるって。 所でお前その手の物体は何?」 「アッ、コレハ量産型HM−12ト言イマシテ………………」 マインはまたこの物体の説明をはじめた。 結局この戦いは賞味十分ほどで終わった。なぜなら・・・ 「・・・・・・・・壊れんな、この部屋」 いつもならこのくらいで崩壊を起こしている部屋が壊れていない。 ……まあ部屋の中は無茶苦茶だが。 「そりゃア毎日壊されてりゃねえ、対策もするわよ。最初の頃のこの部屋を ヒトカゲくらいなら今はリザードンって感じ?進化したのよ、進化」 「あっ、終わったかい?」 そこに貴之が声をかけた。 「ん?お前いつの間に帰ってきてたんだ?」 「だいぶ前からね。終わるまでお茶飲んでたから。お二人もいかが?」 「貰おう」 「あ、ありがと」 「ところで貴之、何処行ってたんだ?」 「ああ、それはね」 貴之は足元にあった物を取り出した。 「へへへー、これを買いに行ってたんだ」 貴之が取り出したもの・・・それはギターだった。 「どうしたんだ、それ?」 「前のがだいぶ古くなってたんでね、いい機会だから買い換えたの。 ローン十回払いなんだけどね」 「へー、じゃあ弾いてみてくんない?」 「いいですよ、ちょっと待ってください」 貴之はアンプをつけて音合わせをした。 「それでは・・・」 そして一同はしばしその演奏に耳を傾けた…………… 「・・・・・・・ってとこだけど、どう?」 「・・・・やるわね結構、プロになれるんじゃない?」 「……ヨクワカリマセンデシタガ、ナンダカスゴカッタデス」 「……六十五テン」 「あいかわず厳しいね、舞奈は」 「・・・ふん、貴之だから当然だ」 貴之はギターを肩から下ろした。 「なんか久しぶりだったけど、やっぱりいいな、ギターは」 「そうみたいだな、だが・・・」 柳川が尋ねた。 「体のほうは大丈夫なのか?」 「うん、今は発作の方もあんまり起こらなくなってるし、ギターの練習くらい だいじょうぶだよ」 「そうか、無理はするなよ」 「ありがと、柳川さん(にっこり)」 「フン・・・」 貴之の笑顔に顔を赤くする柳川。 ・・・・・・・・よく考えるとえらく不気味な光景だった。 「あ、そうだ、実はこれ買うとき思いついたことがあるんだけど」 「なんだ?」 「……俺達でバンド組まない?」 「「「「はい!?」」」」 一同は目を丸くした。まあいきなり「バンドやろう?」と言われりゃ 当然かもしれないが。 「だから、バ・ン・ド。前々から考えてたんだ」 「バンドと言っても俺は何も知らんぞ」 「大丈夫だよ、練習すれば。柳川さんはさしずめ・・・ドラムってとこかな?」 「ドラムぅ?」 「で、メイフィアさんがキーボード」 「ちょっと私も入ってんの?」 「舞奈はベース」 「ハイ」 「ちょ、ちょっと舞奈、あんたはなんで否定しないのよ!」 「買物ニ付キ合ッテイタ時カラキカサレテタノデ」 「そして俺がギターで、マインがボーカルな」 「「「へっ?!」」」 みんなは目を丸くした。 「アノ、貴之サマ、私ガぼーかるトイウノハ・・・」 「ああ、ボーカルってのはね歌を歌うんだよ」 「・・・私ニMIDI再生機能ハ、ツイテオリマセンガ」 「何言ってんだよ曲を再生するんじゃなくて自分で歌うんだよ、自分で」 「デスガ私ハ・・・」 「おい、貴之。それは無茶じゃないのか」 柳川が横から口を挟んだ。 「はっきり言ってこいつにそんなことが・・・」 「そんなのやってみなけりゃ分からないだろ」 貴之は笑って言った。 「少なくともやってみなけりゃ始まらない、どんな不可能みたいなことでも 試して見なけりゃ結果は出ないんだから」 「デスガ私ニソンナ大役・・・」 「そんな気負わなくていいんだよ、あくまで趣味として気楽に考えな」 「気楽ニ・・・デスカ」 「そうそう、それでさバンド名決めようと思うんだけどどんなのが良い?」 メイフィア「メイフィアちゃんと森の愉快な仲間たち」 舞奈「馬鹿の道楽地獄編」 柳川「貴之オールスターズ」 マイン「私ハナンデモ・・・」 こうして五人はバンドの名前決まるまで話し合い結果、 バンド名      「Demon and IronAngel」(貴之命名) となった。 これが実際に活動するかは神のみぞ知る。 おまけ 「・・・・・・・・うん?」 柳川は人の気配に気づき目を覚ました。 ???「はやく起きないと遅刻するよ、お兄ちゃん」 そう、そこにいたのは・・・。 了 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 あとがき どうも、まおんです。 マインを使ってみましたが、ちゃんとマインらしい喋りになってるでしょうか? ちょっと心配。バンド名は結構適当、て言うかまんま(笑) これからどうなるかは謎です。 それと「裸ランドセル」には靴下までつけるべきでしょーか(激爆) はっはっは・・・・・何言ってんだか………。 それでは。
 ☆ コメント ☆ 綾香 :「バンドかぁ。いいわね」(^^) セリオ:「そうですね。楽しそうです」(^^) 綾香 :「あたしだったら……そうねぇ。      ギターかドラムがいいかな」(^^) セリオ:「あれ? 綾香さんって、ギター弾けましたっけ?      それに、ドラムは?」(・・? 綾香 :「だーいじょうぶ。ノー問題よ。      これから覚えればいいの」(^0^) セリオ:「そ、そうですか」(;^_^A 綾香 :「ところで、セリオは?      あなただったら何がいい?」 セリオ:「う〜ん。そうですねぇ。……やるとしたらボーカルでしょうか」 綾香 :「おっ。花形ね。いいじゃんいいじゃん      そっか。セリオは歌唱力に自信があるんだ」(^^) セリオ:「はい。ダウンロードすれば、理奈さんでも由綺さんでもあさひさんでもOKです。      ご本人の声とテクニックで熱唱してみせます」(^-^)v 綾香 :「……………………それって…………ずるい」(−−;



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