了承学園 5日目1時間目 藤田家(エクストリーム部)編 byたっきぃ 午前6時 「ふわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・今何時だ・・・・・・・・」  浩之は目を覚ますと、ベッドの傍にあった目覚まし時計を手に取り、時間を確かめた。 時計の針は、丁度12と6を指した状態になっていた。 「んっと・・・・・・・・・・・・・・・・・6時だってぇ?!おい、起きろ綾香!!」 「んもぅ・・・・何よ浩之ったらぁ・・・・・ゆうべあれだけ頑張ったのにまだ足りないのぉ・・・・・・・・そっちがその気なら、 私も望むところだけどぉ・・・・・・・・・・」  時計が6時を指しているという事を知るや否や、浩之は隣で眠っていた綾香を起こしにかかったが、綾香は夜の寝技の勝負の 疲れが残っているらしく、まだ完全には目が覚め切っていないようだった。 それどころか、朝から寝技で勝負を挑もうとしていた。無論、ベッドの上での勝負である。 「あのなぁ・・・・・今日から朝練やるってことになってただろ!それも6時から始めるって!!もうその6時なんだよ!!! 寝技の勝負はまた今度してやるから、早く起きろって!」 「んもう・・・・・・・・・・・・・・・・・朝練って何よ・・・・・・・私そんなの聞いてないわよ・・・・・・・・」 浩之はなおも綾香を起こそうとし続けたが、彼女は一向に起きようとする気配がなかった。 「今日から朝練やるって言った張本人が何言ってるんだ!!」 ガバッ! 「あたしそんな事言った?!」  我慢の限界に達した浩之の発した言葉に、綾香は勢いよく跳ね起きた。その顔には、驚きの表情が浮かんでいた。 「朝練やるって、あたしいつそんな事言ったの?!覚えてないわよ!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・綾香・・・・・・・・昨日の部活が終わってからのこと覚えてないか?」 「昨日の部活の後ねぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、そういえば・・・・・・」  浩之の説明に最初は半信半疑だった綾香だったが、やがて何かを思い出したらしく、何やら納得した様子に変わっていった。 「その様子だと思い出したようだな、綾香。それだったら話は早い。俺は他の二人の様子を見に行ってくるから、先に玄関で 待っててくれ」 「ん、分かったわ。それじゃまた後で」 そう言うと浩之は寝室を後にし、あとに残された綾香はベッドを下りると、一人練習着へと着替え始めた。  話は昨日の夕方へと遡る。 いつものようにエクストリーム部の練習が終わった後、綾香がこんな事を言い出したのだ。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・明日から朝練をやるわ!」 「「「朝練?!」」」 それを聞いて浩之・葵・セリオの3人とも驚いた。 「朝練ったって・・・・・・・綾香、お前朝弱いだろ。何でそんな事を急に言いだすんだよ?セリオ、お前も知ってるだろ?」 「ええ、来栖川家にいた時から起こすのには綾香さんを起こすのには苦労させられてました・・・・・何しろ、いくら揺さぶっても 目を覚ましませんでしたし、あんまりうるさくやると右のボディがレバーにいい感じでヒットするものですから、うかつに近寄れ ないんです。かといって、今度は優しく起こそうと耳元でささやくと、寝ぼけた綾香さんに抱き締められてしまい、身動きが取れな くなってしまうんです。本当に苦労させられました・・・・・・」 「こら、セリオ!そんなことまで話さなくっていい!!大体、あんたメイドロボでしょ。どこにレバーがあるのよ!」 地面にのの字を書きながら涙ながらに話すセリオに、綾香がすかさず突っ込んだ。 「それは丁度場所を説明するのに都合が良かったからです。それにレバー打ちは『あしたのジョー』以来の伝統ですから」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あんた、何でそんな事まで知ってるのよ・・・・・・・・(汗)」 さらにボケるセリオに、綾香は絶句するしかなかった。 「・・・・・・・・二人とももういいか?やるのはいいんだけどさぁ、何で急に朝練なんてやろうなんて言い出したんだ?」 「そうですよ綾香さん。今のところは夕方の練習だけでも充分成果は上がってると思いますよ」 気を取り直した浩之と、葵が立て続けに聞いてきた。 「何でって・・・・・・・・・・・・・・・部活には朝練がつきものじゃない!だからよ!」 「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!そ、それが理由・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」 綾香の理由とは到底言えない理由に、3人は呆然としてしまった。 「何3人とも固まってるのよ。明日は朝6時に集合だからね。遅れないでよ」 そう言い残すと、まだ固まったままの3人を残して綾香はそそくさと帰り支度を始めたのだった。 これが、朝練を始める事になったいきさつである。 しかし・・・・・・・・・・なんつー理由で始めるんだか。 では話を元に戻す事にしよう。 午前6時10分  玄関で一人待つ綾香のもとに、浩之が現れた。 ちなみに、綾香は赤地に黒のラインが入ったトレーニングウェア、浩之は色違いで黒地に白のラインが入ったウェア姿である。 「遅かったじゃない」 「わりぃ。葵ちゃんはもうすぐ来ると思うけど、セリオを起こすのに手間取ってな。あいつ、お前以上に寝起きが悪くって、ベッド から引き摺り出すだけで一仕事だったよ・・・・・・・・・・・・って、あ、綾香さ〜ん。その構えはどうしたんですかぁ?」 言い終わるや否や、浩之は物凄い殺気を自分の目の前から感じた。  見ると、綾香がファイティングポーズの姿勢を取っていて、いつでもホースト張りの後頭部に絡みつく右ハイキックを出せる 状態にあった。 「私が・・・・・・・何ですって?(ピクピク)」 顔は笑っていたが、こめかみには怒筋が浮かんでいた。今の綾香に逆らったら病院送り確実である。 「あ、いや・・・・・・・・・・・・・・・・・何でもないです」 「分かればよろしい(にっこり)」 冷や汗をながしつつ浩之が答えると、綾香は構えを解いた。 「それにしても・・・・・・・寝起きの悪いメイドロボなんて聞いたことないぜ。大体、メイドロボって専用のベッドで寝るはず だろ?何であいつは普通のベッドで寝てて、布団を引っぺがそうとすると丸まって取られないようにするんだ?長瀬のおっさん、 何考えてるんだ・・・・・・」 「私に聞かないでよ・・・・・・・私だってあの娘とは付き合い長いけど、最近のセリオを見てると、本当にメイドロボなのか 自信が持てなくなってるんだから・・・・・」 はぁ〜〜〜〜っ、と二人は額を突き合わせてため息をついた。  とその時、葵とセリオが揃って現れた。 「藤田センパイ、綾香さん、おはようございます!」 「浩之さん、綾香さん、おはようございます」 葵は青地に白のラインが入ったウェアを、セリオは白地に黒のラインが入ったものを着ている。 「ああ、おはよう。だけど、葵ちゃんはセリオより早く起きたはずだろ?何で一緒に来てるんだ?」 浩之は不思議そうに葵に尋ねた。彼が葵の部屋に行った時には彼女は既に起きていて、ちょうど顔を洗っていたところだったからだ。 普通に考えたら、もっと早く来ていてもいいはずである。 「そ、それはですね・・・・セリオさん、歩きながら寝ちゃってとんでもない方に進んでしまうんで、私が付いていたんです・・・ おまけに、寝ぼけてたせいかトイレにまで行こうとするし・・・・・・・・大変でした」 こけ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!! 葵の発言に、浩之と綾香は越前屋俵太も真っ青と言わんばかりに盛大にコケた。 「セ、セリオ・・・・・・・・・・・・・・あんたそれ本当なの?何でメイドロボなのにトイレに行こうとするのよ?!」 辛うじて立ち上がった綾香がセリオに尋ねた。浩之はまだコケから立ち直れていないようだ。 「あ、あの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私、よく覚えていないんですが・・・・・」 セリオはそう答えるのが精一杯だったが、寝ぼけてる時の事なんて誰も覚えていないのが普通である。 かくいう作者も、子供の頃トイレと間違えてごみ箱だのふすまだのにしてしまったという話を、親から聞かされた事がある(自爆)。 もっとも、メイドロボがトイレに行って何をするのかはよく分からんが。 セリオがきれいな水を・・・・・・・・だって?・・・・・・・・・・・・・ちょっといいかも(木亥火暴) 閑話休題。 「・・・・・・・・・・事情は分かったから、早く練習に行こうぜ。何だか練習する前から疲れたような気がするけど・・・・」 「そうね、早く行きましょう。・・・・・・・・私も疲れたわ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「私もです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 こうして、4人は朝練に向かったが、浩之・綾香・葵の顔には、練習前だというのに疲労の色が隠せなかった。 「どうして皆さんお疲れのご様子なのでしょうか?」 「「「あんたが言うかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」」」」 セリオの一言に3人が一斉に突っ込んだのは、ある意味当然の事であった。 午前6時20分  4人は、家の近くにあるだだっ広い空き地で準備運動をしていた。 「1・2・3・4っと・・・・それにしてもこの空き地、広すぎやしないか?」 屈伸運動をしながら、浩之は自分たちが今いる場所について綾香に尋ねた。 「5・6・7・8っ!何でも、これから入学する家族のための寮を建設するらしいわよ」 「寮ってことは・・・・・・俺らんとこみたいな家を建てるって事か」 「私達の家ほどじゃないけど、大家族で住むには不自由しない程度の大きさの家を用意するらしいわね」 「なるほどねぇ〜」 綾香の答えに、浩之は納得したようだった。  ここは了承学園の学生寮地区となっていて、その中でも多妻部の各家族のための寮が設けられているのだ。 寮といっても、一戸建てが建てられており、それが各家族に支給されているのである。 一戸建てとはいえ、その間取りや部屋の広さなどは一般的なそれを完全に上回っており、お屋敷と呼んだ方が正しいかもしれない。 また、庭もかなり広く設けられており、環境面にも文句のつけようがない作りになっている。  さらに、これ以外にも幾つかの家族には今まで住んでいた自宅を学園内に持ち込む事が許可されている場合もある。 例えば柏木家は鶴来屋を持ち込んでいるし、相沢家や宮田家も自宅を学園内に持ち込んでいるといった具合である。 その中でも、藤田家が持ち込んだ家は他を圧する偉容でそびえ立っており、一戸建てというよりは屋敷・大邸宅と呼ぶのがふさわしい ものであった。 「それにしても、新しい家族が入学してくるってことは、またこの学園も賑やかになるんだろうな」 「そうだといいですね。新しい方たちが入ってくれば、誰かエクストリーム部に入ってくれるかもしれませんし」 葵がうれしそうに話すのを聞いて、浩之は苦笑した。 「おいおい葵ちゃん、ここは前の学校とは違うから苦労して部員集めしなくてもいいんだって」 「あ、そうでしたね〜、ここには同好会とか部の区別はなかったんですものね。忘れてました」 「「「あははははははははは〜」」」  思わず照れる葵を見て、浩之たちから笑みがこぼれた。 それは、朝の空気にふさわしい光景だった。 午前6時45分 「・・・・・・・・・・・・・・はい、そこまでです!」 時計役のセリオから声がかかって、5分間のスパーリングが終了した。 「はぁはぁ・・・・やるわね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・浩之。グラウンドじゃ、私でもちょっと厳しくなって きたわね」 終わるなり、息を切らせながら綾香が浩之に声をかけた。 「よくいうぜ、綾香。お前、俺が腕を取りに行ったときに目狙っただろ。普通なら、腕をロックして決められないようにする場面 だぜ。セメントじゃお前にはまだまだ追いつけねーよ」 「ごめん〜、あれはついとっさに出ちゃったのよ。実戦ならともかく、試合なら間違いなく反則ね。」 「でも、先輩のグラウンドは相当なものですよ。これなら大会でもかなり上位まで進めると思います」 葵の言葉にお世辞やウソはなかった。綾香も葵も格闘技では一流と呼ばれるにふさわしい実力を持っているからこそ、相手の実力 を見抜く事が出来るのである。それ程までに浩之の実力は高まっていたのである。 「セリオ〜〜〜〜〜〜〜〜、いつもの“アレ”、浩之にお願い〜。私達じゃちょっと厳しいわ」 綾香が何やら用事を思いついたらしく、セリオを呼んだ。 「いつもの・・・・・・・・・“アレ”ですね。分かりました。では、これから準備に入ります」 セリオも勝手知ったるといった感じで、準備にかかり始めた。 「セリオの出番か・・・・・・・・・・こりゃ、気が抜けねーな・・・」 浩之の目がいつになく真剣なものに変わっていった。これから、彼らは一体何を始めようというのであろうか? 午前6時50分 「・・・・浩之さん、サテライトサービスの準備が整いました。ご希望の格闘家を仰ってください 「そうだな・・・・・・・・・一度でいいからやってみたかったんだ。ヒクソン・グレイシーを頼む」 浩之がセリオの呼びかけに答えた。エクストリーム部では、以前からセリオにサテライトサービスで有名格闘家のデータをダウン ロードしてもらい、スパーリングの相手になってもらっていたのである。 いかに綾香や葵が実力者とはいえ、いつも同じ人間とばかり対戦していては技術の上達に限りが出てしまう。部員数の少ない エクストリーム部ゆえ考え出された方法なのである。 「分かりました。では、これからデータの受信を行います。・・・サテライトサービス、データ受信開始」 浩之のリクエストに答え、セリオがデータのダウンロードを開始する。全てのデータを受信するまでには少し時間がかかる。 「浩之・・・・・・・ヒクソンだなんて本気なの?いつもよりレベルが高いように思うんだけど」 「先輩、大丈夫なんですか?」 心配そうに尋ねてくる綾香と葵。浩之はそんな二人にこう言った。 「二人ともサンキュな。いくらヒクソンのデータをダウンロードしたからと言ったって、セリオがベースだろ?大丈夫だよ」 「・・・・・・・・・データ受信完了しました。浩之さん、準備完了です」 そうこうしているうちに、セリオの方は受信が終わったらしく、浩之に声をかけた。 「分かった、セリオ。・・・・・・・・・・・・・・手加減無用だぜ」 気合を入れる浩之。と、セリオがこんな事を言い出した。 「っと、浩之さん。申し訳ありませんが少しお時間をいただけませんでしょうか。それと、綾香さんと葵さんをお借りしたいのですが」 「私?」 「私ですか?」 訝しがる二人。浩之も気合を高めていただけに調子を狂わされたようである。 「・・・・まあ別にいいけど。しかし、何で綾香と葵ちゃんを借りるんだ?」 「それは秘密です(にっこり)」 笑顔で浩之の質問に答えると、セリオは綾香と葵を連れて、浩之とは少し距離を置いたところで何やら話し始めた。 内緒話をしているらしく、浩之のいる所からは話の内容はよく聞き取れないので、彼はその様子をただ見ているしかない。 「一体何を考えてるんだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」 しばらくすると話が終わったらしく、三人が戻ってきた。だが、様子がどうもおかしい。 その様子に気付いた浩之は、一瞬何が起こったのか分からないでいたが、事情が飲み込めると即座にセリオに突っ込んだ。 「セリオーーーーーーーーーーーーーーーーーー!お前はこれがやりたくって二人を呼んだのかーーーーーーーーーー!!」 「はい、浩之さん。グレイシーといえば、これがお約束ですから」 セリオは、縦一列になって前の人間の肩に手を乗せて歩く、いわゆる”グレイシー・トレイン”をやったのである。 今の状態では、綾香が最前列でセリオが真ん中、一番後ろが葵となっている。 「セリオ・・・・・・・・こんな事に私達を付き合わせないでよ・・・・・・・」 「そうですよセリオさん・・・・・・私なんてエリオ役ですよ。何でお爺さん役をやらなきゃいけないんですか・・・・(泣)」 口々にボヤく綾香と葵。浩之も見ているうちに戦意を失ったらしい。 「もういいよセリオ・・・・・・違うやつにするから。今度は桜庭を頼む」 「いいんですか、浩之さん?・・・・・・分かりました。データ受信を開始します・・・・・・」 セリオは再びデータの受信を行い始めた。 「全く・・・・・・・・・・・・・セリオは何を考えてるんだ?」 「一体誰がこんなデータをサテライトサービスにダウンロードしたのかしら・・・・・・・今度、研究所の連中を締め上げるしか ないわね・・・・」 ぶつぶつ浩之たちがつぶやいているうちに、セリオの方も終わったらしく、再び浩之に声をかけてきた。 「浩之さん、ダウンロード終了しました。で・・・・・・申し訳ないんですが、もう一回二人をお借りしたいんですが、よろしい でしょうか?」 「またかよ・・・・・・・・・・わかったよ、勝手にしてくれ」 再度のセリオの申し出に仕方なく浩之が返事をすると、セリオは二人を離れた場所へと連れて行ってしまった。 「今度は何をする気だ・・・・・・・・・・・・・いっ?!」 浩之は突然の出来事に驚いた。なんと、外だというのにオレンジ色の照明が周囲を照らし始めたのである。 さらに、打ち込み系の音楽まで鳴り始めたのである。いくら了承学園とはいえ、非常識にもほどがある光景である。 そうこうするうちに三人が戻ってきたが、格好がおかしい事に浩之は気が付いた。 「お、お前ら・・・・・・・・・・・・・・・・・何て格好してるんだよ!!」 浩之が驚いたのも無理はない。何故なら、3人ともオレンジ色の同じマスクを被って横一列でやって来たからである。 マスクの後ろから出ている髪から区別すると、真ん中がセリオ、右側が綾香、そして左側が葵のようである。 ここへ来て、ようやく浩之も状況を理解したらしく、セリオに向かって言った。 「セリオ・・・・・・・これって、桜庭だからこうやったのか?」 「はい、そうです。先ほどの音楽は桜庭選手の入場テーマですし、マスクの方も、スーパーストロングマシンのものを元にしているん ですよ」 ずでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!! セリオの言葉に、浩之のみならず綾香や葵までが派手にこけた。 まるで、「新婚さんいらっしゃい」で椅子から転げ落ちる桂三枝のようである。 「あれ、みなさんどうされたんですか?何か私、おかしな事を申しましたでしょうか?」 全員がコケたのを見て、事情のつかめないセリオがつぶやくと、ようやく立ち直った浩之がこう叫んだ。 「お前平田だろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」 ずでででででででーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!! 今度は、浩之以外の三人が今まで以上に盛大にコケた。 「浩之・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あなたもセリオの事を笑えないわ。相当なマニアよ・・・・・・・・・・・」 綾香のツッコミは誰に聞かれるともなく、風にかき消されていった・・・・・ その後、セリオのボケに全員疲れてしまい練習どころではなくなったため、朝練は早々に切り上げられたという。 今後も朝練が続くかどうかは、綾香の寝起きとセリオの寝ボケの程度にかかっていることは間違いないだろう。 了 あとがき ども、たっきぃです。ついにやっちゃいました、格闘技ネタ。 はっきり言って、どれだけの人がついて来れるか分かりませんが、そういう電波を受信しちゃったんだから しょーがないです。事故だとか犬に噛まれたと思ってあきらめてください(爆) おまけに、こんな内容なのに20KB近くも使ってるし、何考えてるんだか(^_^;) ちなみに、作中で出てくる格闘家の名前等についてですが、身近にいる詳しい方に聞いてもらえたらと思います。 ここでは、エクストリームを寝技系総合格闘技として捉えています。 ゲームやってた時は、エクストリームは立ち技系かな?と思ったのですが、それだと何故葵が空手をやめたか の説明がつきにくいんですよね。フランシスコ・フィリォだって、同じ立ち技系のK1と極真を両立させてますし。 空手にはない何かを求めるために葵がエクストリームに移った理由を求めるなら、エクストリームが打撃以外にも 関節技や絞めのある寝技系ならどうかなと思ったのです。 なので、ここではエクストリームは寝技系という事にしてあります。 一応、下にエクストリームのルールについて書いておきます。 エクストリーム:寝技系総合格闘技 PRIDEや修斗に近いものと考える。 目潰し・急所攻撃・延髄への打撃は禁止。 それ以外は反則にとられない。 リングは八角形で、金網で囲まれている。 試合は5分×3ラウンドで、ギブアップ勝ちもしくはダウン後 10カウントでKO勝ち。 3ラウンド内で決着がつかない場合は、判定。 では、これにて。 またいい電波が受信できたら投稿します(爆)
 ☆ コメント ☆ 綾香 :「まったく、ロボットのくせに朝に弱いなんて。本当に変な娘ねぇ〜」(^ ^; セリオ:「仕方ないじゃないですか。好きで弱いんじゃないですよぉ〜」(;;) 綾香 :「やれやれ。だらしないわねぇ」ヽ( ´ー`)ノ セリオ:「…………(自分だって弱いくせにぃ)」(¬_¬) 綾香 :「でも、謎よね?」 セリオ:「なにがです?」 綾香 :「セリオが朝に弱い理由よ」 セリオ:「ああ、その理由は簡単ですよ」(^^) 綾香 :「まさか、そういう仕様だなんて言わないでしょうね」(^ ^; セリオ:「違いますよぉ〜」(;^_^A 綾香 :「じゃあ、どうして?」 セリオ:「単に低血圧なだけです」(^^) 綾香 :「……………………は?」(−−; セリオ:「低血圧なんです、わたし」(^ ^ゞ 綾香 :「……………………あ、そ」(−−;



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