今,ここにあるもの (Kanon 佐祐理)
メリークリスマス!!今回も難儀しました。 念の為いっておくとたさいシリーズではありません。 では,お楽しみ下さいませ。 ___________________________________ 俺は一人で待っていた。 彼女を待っていた。 彼女・・・・倉田 佐祐理を・・・ あ,来た,来た。 「ごめんなさーい,祐一さん。遅れちゃいましたー。あははははー」 「待ってないよ」 俺は優しい声で佐祐理さんに言う。 「嘘ですー。手が真っ赤ですよー」 ははは,敵わないな,佐祐理さんに隠し事は通用しないらしい。 「じゃあ,こうすれば良いや」 フワ 「あ」 俺はコートの中に佐祐理さんを招き入れる。 あはは、佐祐理さんが可愛いな。顔が真っ赤だし。 「祐一さん・・・私・・・・今日、お父様に初めて、反抗しました・・・」 「ふうん,でも,来てくれたから,聞かないよ」 「祐一さん・・・・」 「あっと,佐祐理・・・俺と二人の時はなんて言うんだっけ?」 「あ・・・祐一・・」(//////) 「よく出来ました」 ギュッ 俺は急に佐祐理が愛しく想ってきつく抱き寄せる。 「祐一,苦しい・・・」 「あ,ごめん」 俺が力を緩めようとすると、佐祐理は腰の手を強く締めた。 「でも,今だけなら良いです・・・・祐一・・・」 「佐祐理・・・・・・」 二つの影が重なり合う。 俺達は暫らくそうしていた。 「祐一・・・私,今度,お見合いする事になったんです」 「佐祐理・・・」 「・・・私をさらってください,祐一・・・・」 「そうだな・・・・・・後悔はしないか?」 「祐一となら,何処にいっても,幸せです・・・佐祐理は・・・」 「そうか・・・良し,行こう」 「はい。祐一」 「と,その前に指を出してくれないか?佐祐理」 「え?」 戸惑いながらも手を差し出す,佐祐理。 その指に,俺はこの日の為に買っておいた指輪をはめる。 「祐一」 ぽろぽろと涙を流す,佐祐理。 「幸せになろうな,佐祐理」 「はい」 そう言うと佐祐理はとびっきりの笑顔を俺に向けてくれる。 それから,数年後・・・・・ 「舞ー。おじいちゃんだよー。元気だったかーい?」 「元気だよー。あはははー」 「そうか,そうか」 うんうんと頷く佐祐理の父の姿を見て・・ 「・・・・子供が産まれるまで,散々邪魔しやがったくせに,爺は調子良いよな」 「あははー,そのお陰で,認めてくれたから良いじゃないですかー」 「全くだな・・・・」 俺は苦笑した。 「あの人が,過保護だったのは親ばかですからね,祐一さん」 「あ,お義母様,お久しぶりです」 俺はこの人には頭があがらない・・何せ・・佐祐理さんと生活を維持できたのも この人のお陰だからだ。 あの日,倉田財閥から,俺達の家に預金通帳が届いた。 この人の娘への援助とのことだった。爺が襲ってこなかったのもこの人のお陰で あると,後で聞いたから,頭も上がらない。 「くすくす,後悔しない生き方になったわね,佐祐理」 「はい,お母様」 「祐一さん,これからもこの子を支えてあげてね」 「はい」 そう言うと俺達は娘の,舞の所に向かった。 今,ここにあるもの それを離さずに 全てを抱きしめて それを示すもの 愛しい人 ただ,そこにある 全てを抱きしめて 今を生きていこう 了 ___________________________________ 最後のは自分で閃いた詩を書いてみました。(即興) どうでしたか? こんなものでも感想を頂ければ嬉しいです。 あ,つばさ様。メールでのご感想,有難う御座いました。
どもども、Hiroです(^ ^ゞ あうーっ、佐祐理さんが可愛いですぅ。 呼び捨てにするところなんて、もう最高ですね(^▽^) お幸せにー♪ kawamenさん、ありがとうございました\(^▽^)/ そして…………メリークリスマス♪
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