一日だけの約束
 (ＷＡ　由綺)
このＳＳはたさいシリーズを前提にしています。
では，ごゆっくり・・・・



某コンサート会場　楽屋裏
｢由綺さん，お疲れ様です｣
まだ，覚めない，歓声の渦から帰ってきた由騎に弥生がタオルを渡しながら喋る。
｢あ，弥生さん。どうでした？今日のコンサート｣
｢とても，良かったですよ。冬弥さんもそう言っておられましたよ｣
冬弥・・・彼女達の・・・自分の愛する人の名を聞いて，由綺が見まわすが，
冬弥の姿は無い。
｢え，冬弥君も？あれ，でもいないよ？｣
｢由騎さん，明日はオフだそうです｣
｢えー，弥生さん。私は―？｣
突然，声がする方に振り向くと，三人目の妻の緒方　理奈が立っていた。
ちなみに，一人目が由綺、二人目が弥生である。
｢理奈さんは明日，ラジオの取りがあります｣
｢あ，そうかー｣
すると，弥生が小声で由綺に囁く。
(由綺さん，あとで，由綺さんの部屋の机の上を見てください)
｢え？｣
 
藤井家　由綺の部屋
帰ってきてから，弥生に言われた通り，机の上を見てみる。
｢机の上・・・あ，遊園地の入場券とフリーパス。でも，どうして？｣
その，下に手紙があった。
手紙を見るとこう書かれていた。
『由綺さんへ
         この，手紙を読んでると言う事は，もうお分かりかと思います。
         明日のオフは私達が英二さんに頼み込んでもらった物です。
         最近，由綺さんがお疲れのようですので，明日は冬弥さんと存分に楽
         しんできてください。
                                         弥生より
         ＰＳ
                  でも，今夜は渡しませんよ。うふふ』
最後の１行を見るなり，由綺は机に突っ伏した。
｢や、弥生さん・・・独占欲が凄い・・・・でも，有難う御座います｣
鼻歌交じりに明日の事でくすくす笑っていた由綺がいた。。
 
冬弥の部屋
一方，冬弥君はと言うと・・・・・
｢弥生さん，何か，由綺の部屋から笑い声が聞こえるんですけど？｣
｢冬弥さん・・・・・情事の最中に他の女性の名前を出すとは・・良い度胸です
ね・・・｣
｢あの・・怒ってる？｣
｢怒ってませんよ｣
｢や，弥生・・・顔が笑ってないよ・・・・・・｣
｢笑ってますよ｣
｢許して・・・・｣
｢駄目でーす｣
｢はあ，仕方ないか・・・・｣
｢頂きまーす｣
｢俺・・・明日，起きれるかな・・・・｣
 
翌日
｢はああ・・・・・き，昨日は，疲れた・・・・・｣
くすくす，笑う声が聞こえて，振りかえってみると，由綺が立っていた。
｢おはよう，冬弥君｣
｢ああ，おはよう，由綺・・・・あれ？皆は｣
｢皆，今日は用事に出かけちゃったよ｣
｢ん・・ああ，そんな事言ってたっけ・・・あれ，由綺，仕事は？｣
由綺が仕事が無いのを不思議に思った冬弥が聞く。
｢今日はオフなんだよ｣
冬弥は敏腕ＡＤとしての地位を得ていた。が・・・・
｢ありゃ，俺もなんだよ，どうしようか？｣
｢あのね・・・冬弥君，遊園地の入場券とフリーパスがあるんだけど，行かない？｣
｢あ，良いね。行こうよ｣
｢決まり！！早速，行こ！！｣
 
遊園地内
遊園地で由綺がはしゃぎまわっている。
｢冬弥君，楽しいね｣
暫らくして，冬弥が口を開いた。
｢そうだね・・・・由綺・・・・｣
冬弥が深刻な顔で言う。
｢何？｣
｢やっと，笑ったね・・・最近，元気が無いから心配したよ」
｢あ・・・気がついてたんだ・・・・｣
由綺が，ばれたか・・・・・と言う顔をする。
｢まあね・・・・・｣
当然と言うように冬弥が返答する。
｢ちょっと，スランプに入っちゃって・・・・・皆は励ましてくれるんだけど・
・・・｣
｢だけど？｣
｢やっぱり，冬弥君に励ましてもらいたかった！！寂しかったの！！｣
感情を露にして，由綺が慟哭する。
｢由綺・・・・・・｣
冬弥が，ぎゅっと拳を握る。
｢私・・・酷い子だよね・・・我侭ばっかり言って・・・・・｣
堰が切れたように，由綺が泣き出す。
｢由綺！！｣
冬弥は叫ぶと由綺をぎゅっと抱き寄せて・・・・
｢あっ・・・・んっ！｣
長いキスをした。
｢由綺・・・ごめんな｣
優しい声で冬弥が囁いた。
｢冬弥君，冬弥君！！｣
ぬくもりを求める子供のように由綺が冬弥の胸でむせび泣く。
 
暫らくして・・・・
｢明日から・・・また，頑張れるよな・・・俺も傍にいるからさ・・・｣
｢うん。でも，今日だけは私は冬弥君の恋人だよ｣
ニッコリと由綺が微笑む。
｢もちろん。さて，何処に行く？由綺｣
冬弥はそれを受け止めて普通の女の子としての“由綺”を迎え入れた。
｢うんとね・・・・｣
恋人として，夫婦としての二人が街中へ消えていった。
 
どうして，君と出会えたの？
それは，一つの奇跡だったの。
どうして，君に恋をしたの？
それは，あなたを愛した証なの。
どうして，あなたと歩きたいと思ったの？
それは，あなたが全てを受け止めてくれると信じているから！！
 
愛してるよ，冬弥君。
白い奇跡が続く限り，永遠に愛してる！！
 
                                                    了

大変，遅くなりました。申し訳御座いません！！
約束から随分と経ってしまった様で・・・・・
今回は・・・弥生さんが壊れるシーンが私は結構，気に入ってます
・・・次は・・・・・何が良いかな？
痕？Ｋａｎｏｎ？Ｔｏ　Ｈｅａｒｔ？
それは作者のみが知る・・・・・
ではでは！！(＾０＾)/


どもども、Ｈｉｒｏです(^ ^ゞ

弥生さん、最高！！(^▽^)

お茶目な弥生さんっていうのも、趣があって良いですね（笑）

由綺も可愛いし。

とっても、ベリグなＳＳでした♪

kawamenさん、ありがとうございました＼(^▽^)／


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