3年女子ソフトボール・始末記

(注・この作品は『Ballspiel・3年女子ソフトボール』の続編になっております。そちらを未読の方は、先にお読みになることをおすすめします。というより何がなんだかわからないでしょうね、内容が^^;)

「藤田くんのドドドドスケベーーーーーーッ!!」
「浩之の大変態ーーーーーーっ!!」
「浩之さんのロリコンーーーーーーッ!!」
 もうあきらめた。勝手にやってくれ。俺はもう知らん!

 そんなこんなで、綾香、委員長、セリオのチームは順調に勝ち進んでいった。
 ソフトボールは4回戦総当たりのリーグ戦なのだが(トーナメントにすると、負けたチームが暇になってしまうからな)第一試合は7対0で勝利、しかも完全試合だった。
 第二試合は四球を二つ許しただけのノーヒットノーランで、8対0とこれまた勝利。
 第三試合はいくら綾香といえども、さすがに疲れてきたのだろう。ヒットを三本許したが、それでも6対0で勝利。
 あっという間に三試合が終わった。

 そして、最後の第四試合。相手もここまで全勝で来ている。
 ところが、相手チームのキャプテンが・・・。
「あ、あのー、棄権させてください!あなたたちの勝ちでいいです!」
 どうやら、今までの試合を見て、とても勝ち目はないと怖じ気づいてしまったようだ。こうして綾香チームは不戦勝となった。
「やったー!!優勝だー!!」
 綾香たちは抱き合って大喜びだ。
「喜んでるね」
 雅史が言う。
「不戦勝で優勝決定か・・・あんまり後味はよくないけどな。ま、ここは素直に祝ってやるか。よし、今夜は祝勝会だ!」

 そして、閉会式。
「ソフトボール、3年女子、優勝・・・」
 綾香、委員長、セリオは明らかにウズウズしている。『早く呼べ、早く呼べ』とでも言いたげに。
 そして・・・。

「ちょっと!!どういうこと!!なんで優勝があたし達じゃないのよ!!」
 球技大会の実行委員に綾香は食ってかかる。
「残念ながら、優勝は取り消しとなりました」
「どうして!全試合勝ったじゃない!!最後は不戦勝だけど」
「それが・・・セリオさんが、ダウンロードしたデータを試合に使ったというのが問題になって・・・あんなのフェアじゃないって実行委員会に抗議が殺到して、それで合議の結果、反則負けということになりました」
「えー、今さらそんな〜!」
 綾香が失望の声を上げる。
「お前ら、あれだけ言ったのにまたダウンロード使ったのか!?」
「いや、その・・・打つ時には使ってないんですけど・・・」
 セリオが答えた。
「じゃ、何に使った?」
「ゴロやフライの処理でしょ、バックホームでしょ、サインの解読でしょ、あとそれから・・・」
「だーっ!それだけやりゃ使い過ぎだ!反則負けになって当然だ!」
「でもルールには、ダウンロードしたデータを使ったらイカンなんて書いてへんやろ」
「子供じみた屁理屈を言うなっ!」
「僕、知ーらないっと」

 こうして波瀾に満ちた球技大会は幕を閉じた。
 結局、綾香たちのチームは第四試合以外、全試合0対9で反則負けとなった。
 やれやれ、人の悪口をバッティングに使うからこうなるんだ。たまにはいい薬・・・おっと、滅多なこと言うもんじゃないな。桑原桑原(古い)。

 えっ?葵ちゃんのクラスはどうなったかって?
 俺の予想通り、文句なしの見事な全勝優勝だった。やったぜ!!
 
 めでたしめでたし。


綾香&智子&セリオ「「「めでたくな〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!!!!」」」


<おわり>
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あとがき

 初めまして、安比奈誠伸(あいな・とものぶ)です。
 『藤田家のたさいシリーズ』を読んで、自分でも書いてみたくなって、寄稿させて頂きました。
 短くて恐縮です。しかも、管理人様の書かれた話の続編を勝手に作ってしまって、恐縮です(笑)

 ダウンロード、悪用したわけじゃないですが、やっぱりフェアとは言えませんものね。
 こりゃ抗議が来て当然ですね(笑)
 こんなモンでよろしかったら、使ってください。




 ☆ コメント ☆

セリオ:「―――と、いうわけなんです」(;;)

圭子 :「そ、そう」(^ ^;

セリオ:「ぐすっ」(;;)

圭子 :「ま、まあ、そんなに気を落とさないで」(^ ^;

セリオ:「頑張ったのに……しくしく」(;;)

圭子 :「気持ちは分かるけど仕方ないよ」(^ ^;

セリオ:「ダウンロードくらい大目に見てくれてもいいのにぃ〜」(;;)

圭子 :「そんなわけにはいかないでしょ」(^ ^;

セリオ:「ううっ。『目的の為には手段を選ばず、勝てば官軍』って昔の人も言ってるのに」(;;)

圭子 :「……………………おい」(−−;

セリオ:「わたしのいったい何が間違っていたのでしょう? 不思議です」(;;)

圭子 :(……何って……根本的な部分から全てが間違ってる気がするのはわたしだけかな?)(−−;





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