セリオで遊ぼう
 −説明書に事細かに書いてある理由−

作:雅川久遠

 「セリオ、ちょっといいかな?」
 「はい、なんでしょう?」
 「ちょっと俺、試してみたい事があるんだ・・・」
 「はい、私に出来る事であれば、どうぞ。」
 ぷす。
 「・・・・・」
 「・・・・・行為に関しての理由をお聞きしてよろしいでしょうか?」
 「セリオの鼻の右穴に俺の人指し指が入ってる。」
 「状況説明ではありません。浩之さんの行為に関しての理由です。」
 「理由って・・・あー、なんとなく。」
 「・・・それは行為自体の説明においては不充分な発言です。」
 「だってしてみたかったんだもの。」
 「それもこの行為自体の説明においては不充・・・」
 「うるさい」
 ぷす。
 「・・・ほのひほんめのゆびぼ『だんどだぐ』のぼのだのでずね。」
 (訳:この二本目の指も『なんとなく』のものなのですね。)
 「あ、やっぱダミ声になるんだなぁ。面白いなぁ。」
 「(以下バイリンガル?放送で)この行為は製品規格外です。」
 「そりゃそーだ。」
 「この行為による故障に関して、製作社である栗栖川製作所は一切の保証をしかね
ます。可能である限り行為の中止をお勧めします。」
 「なんで?」
 「内燃機関に循環するはずの空気が通常の約40%減少しています。このままでは
内燃機関に多大なる被害が発生する可能性があり、同時に行為者自身に被害を与えう
る可能性の発生が考えられます。すみやかにこの行為に関する行使を取りやめ、通常
状況に戻られる事をお勧めします。」
 「ダミ声だと何言ってるかわからん。」
 「繰り返します。内燃機関に・・・」
 
 「・・・ほんで、結局なんやっちゅーの・・・?」
 「あのほら、あっというまにセリオの口からケムリがむあーっとだな。」
 「UFO見たゆうて熱弁振るう農場主のロバートちゃうねん!」
 「いやだからほら・・・爆発して・・・ケガで・・・」
 「ウチが聞きたいんはなんでそないなアホな事やらかしたんかっちゅー事や!」
 「なんとなく。」
 ぷち。
 「ぬがぁぁ!!そないけったいなアホやらかす人間の鼻っちゅーんはココか!?コ
コなんかぁぁ!!??」
 「痛い痛い痛い痛い!!!!!ギブです!ギブギブ!!!」
 「がぁぁ!!学校吹き飛ばしてなんでお前は生きてんねーーーーーーん!!!」

 「・・・で、これが回収されたセリオ、のお顔なワケ?」
 「は。爆発現場周辺2キロ四方を探索して回収いたしました。おそらくは内燃機関
の暴走が引き起こした事故、かと邪推したしますれば。」
 「説明は不要よ、セバスチャン。その犯人が浩之だってのは理解できるから。」
 「は?何故でございましょうか?」
 「だってほら御覧なさいよ、セリオの鼻・・・」
 「ほほう、末広がりですな。」
 「そ、末広がり。おおかた指でも突っ込んで、空気循環システムに急激な熱貯まり
でも食らわしたんでしょ。で、どっかん。」
 「ははあ。しかし・・・・」
 「・・・言いたい事は解ってるわよ。なんで、こんなことしたのか?でしょ?」
 「ご明察に御座います。」
 「愚問よ。・・・わかりっこないじゃない、そんなアホな事。」
 「あ、アホ・・・綾香お嬢様・・・そのようなお言葉ははしたのうございます・・
・」
 「あーはいはい、言葉を変えるわよ。彼の行動は理解の範疇を超えてる、でいいで
しょ。」
 「は、はぁ・・・ごもっともでございます。」
 (とはいえお嬢様は浩之殿の行動をはっきり理解していらっしゃる。口にするのは
はばかられるが、綾香お嬢様も随分と理解の範疇からは遠い存在でいらっしゃるわい
・・・だいたいその浩之殿を好いてらっしゃるという事自体が・・・)
 「けどねー、セリオシリーズも改定が必要になっちゃったわね。」
 「・・・あー、ああいやいや、さようで御座いますな。」
 「指突っ込めないようにシャッターでも付けようかしらね?」
 「それはまこと奇怪にございます。外見上の変更は厳しいかと・・・」
 「かといって突っ込んできた相手の手を振り解く、とかってなるとね、ロボ三原則
が出てきちゃうのよねー。」
 「使用者が絶対でございますからな。私どもと同じでございますれば。」
 「あたしはセバスチャンの鼻に指突っ込んだりなんかしないわよ!」
 「物の例えでございます。」
 「・・・・あーあ、どーしたもんかしらねー・・・・」

 「新しくできたセリオ型の説明書に改訂版が出たんだって。」
 「へー。あの完璧がモットーな栗栖川製作所が改訂、ねえ・・・」
 「なになに・・・セリオの鼻に、みだりに指等の異物を挿入しないでください・・
・なんだこりゃ?」
 
 「綾香お嬢様・・・おいたわしや・・・」
 「色々考えてもねー、対策講じようにも仕方無いんだもの・・・」
 「理解の範疇を超えておりますれば・・・・」
 「アホなのよ。浩之が。」



・あとがきってのは漢字で書くと「後書」になります・

 なんだか「遺書」みたいでヤな感じですな。
 まぁ「後書」も「遺書」も物事の終わりにあれば良いような程度のものです。
 ニュアンスとしては「風呂上りのビール」みたいなもんでしょうかね。
 何はともあれ本文御笑覧頂けたでしょうか?
 私的に、セリオというキャラは実に「妖し」く、そして「楽しい」です。
 なんていうんでしょうか、ニヒルな幽霊がドジを踏むような面白さがあります。
 全国のセリオファンの方には大変申し訳無いのですが、
 もう少し、私の『冗談』にお付き合い願いたいと思います。
 御笑覧、ありがとうございました。

 雅川久遠





 ☆ コメント ☆

ユンナ:「まったく、なにをやってるんだか」(−−;

コリン:「鼻……ふがふが」

ユンナ:「女の子の鼻の穴に指を突っ込むなんて……」(−−;

コリン:「鼻の穴を……うりゃ」

ユンナ:「……ハァ」(−−;

コリン:「びろ〜ん」(^0^)

ユンナ:「……って……どうでもいいけど、さっきから何してるのよ、あんたは」(−−;

コリン:「いや、ちょっと鼻の穴で遊んでみたんだけどね。
     なんつーか、結構おもろいかも」(^^)

ユンナ:「…………」(−−;

コリン:「もしかしたら、これって流行るかもよ」(^^)

ユンナ:「流行るか!」凸(ーーメ





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