「Hiroの部屋」200万HIT記念(!?)SS

「藤田家のたさい」シリーズ番外編



「セリオ13」



HILANDER




それはある日のこと、夕食後の団欒の時にかかってきた電話から始まりました。


「はい、藤田です」
「もしもし、ああ、その声はセリオだね。ちょうどよかった」

長瀬主任でした。
何となく死刑宣告をされる犯罪者の心境が分かるような気がします。


「…であのオッサンが何だって?」
「はい、新しいオプションが出来たから見に来てくれ、だそうです」
「またか(溜息)なんか不安だから俺も行くわ」
浩之さんが同行を申し出てくれました。これ以上はない援軍です。
「あ、私も行く。何か面白そうだし」


結局、私と浩之さん、それに綾香さんの3人で行くことになりました。

             ○   ○   ○


「やぁ、よく来てくれたねセリオ」

本当は行きたくもないところです。けれど全ては過疎レンジャーの限定フィギュアのために…

「で、今日はどんなオプションですか?パイルバンカーかなんかですか?」

露骨にイヤそうな顔をして問う私。しかし主任は涼しい顔をしたままです。

「それも捨てがたいんだけどね。今日はこれだよ」
「「「…腕?」」」

そう言って主任が持ってきたのは私のものとそっくり…いや、全く同じ腕でした。

「これは肘から先が分離できてね。さらに遠隔操作も可能という優れもの…」
「却下」

即答です。何でそんな物が必要なのでしょうか。私はちゃんと2本の足がある完成体です。
それに私はニュータイプでも強化人間でもありません。

「それ以前にあなたロボットだしね」

綾香さん、地の文に突っ込まないでください。

「何言ってるの、しっかり声にしてたわよ」

……私ともあろうものがこんなお約束を…

「そうか。これは気に入らないか。だが安心してくれたまえ。こっちにはもっと良い物を
用意してあるから」

そう言って奥に進む主任。いい加減にして欲しいものです。
そしてロッカー(?)から何やら物騒な物を取り出しました。

「これは…鎌か?」と浩之さん
「こっちは…斧?」と綾香さん
「…チェーンソーですか…」これは私

今、私の頭の中を「罪」だの「戦」だの「終」だの不吉な単語がぐるぐる回ってます。

「その通りだよ。どうだい今迄とは一線を画すこのデザイン。勿論威力の方も保障するよ」

あぁ、また目がイってます。お二人の方を見ると何やら思いつめたような表情でこちらを見返しました。
どうやらやりたいことは一緒のようです。
私達はゆっくりと近づくと例の武器を手に取りました。

「おお!!気に入ってくれたか!私は嬉しいよ!」
「ええ。ですから主任はお礼といっては何ですが…」

ここに至ってやっと自分が囲まれていることに気付いたようです。


「「「試し斬りを!!!」」」


ドカ! バキ! グシャ! ガシャーン!


「うわーーーーっ!」

「やったか?」
「あら?白衣しかないわよ?」
「逃げられましたね」

そこにはぼろ雑巾と化した白衣しかありませんでした。
あの状態からどうやって逃げおおせたのでしょう。ハ○ケンジャーも真っ青の忍者っぷりです。
どうやら今回もフィギュアはお預けのようです。

           ○   ○   ○

その夜、過疎レンジャーのビデオを見ながらふと思いました。
(あの3人で勝てないということは戦力不足なのでしょうか?
今度は葵さんにも…いや、念のためレミイさんや琴音さんや智子さんにも手伝ってもらって…)

何を考えているんだ?








あとがき

はじめまして。これがSS処女作となるHILANDERと申します。
まずは200万HITおめでとうございます。

こんな拙いSSですが、受け取ってくだされば幸いです。

今回の元ネタですが、「肘が分離〜」は「バーチャロン」の登場機種「バル・バス・バウ」
(形式番号XBV-13-t11)、鎌、斧、チェーンソーは「バーチャロンフォース」の登場機種
「スペシネフ13」(形式番号YZR-13)の「罪」、「戦」、「終」の各タイプです。
セリオとは「13」つながりってことで(^_^;)

もし、誤字脱字や言葉遣いの間違いなどがありましたら掲示板までお願いします。








 ☆ コメント ☆

主任 :「ふふふふふ。無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!
     そう簡単に倒される私ではないよ」

祐介 :「……ハァ」

主任 :「おや。長瀬一族の異端児、唯一顔がちんちくりんな祐介君じゃないか。
     どうしたんだい? ため息なんか吐いて」

祐介 :「……。
     ため息の一つも吐きたくなりますよ(こんな変な人が親戚だなんて)」

主任 :「ハッハッハ。何を言ってるんだい。
     妄想暴走ふきふき電波男の君に言われたくないなぁ」

祐介 :「心を読まないで下さい。
     瑠璃子さんや沙織ちゃんならともかく、あなたにそんなお約束はされたくないです。
     てか、ふきふきとかゆーな」

主任 :「そんなに照れなくても」

祐介 :「いや、照れるとかそういう問題じゃなくて」

主任 :「ふふふ。て・れ・や・さ・ん、だねぇ」

祐介 :「……」(ちりちりちりちり

主任 :「ハッハッハ。怒りに任せて電波を放つのはやめてくれないか。
     思わず太田さん風に叫びたくなっちゃうじゃないか♪」

祐介 :「……(ひょっとして、最初から(ピー)な人には効果が無いのか、電波って?)」(汗





戻る