題目  『  ショート・ショート・ショート 』



題目   『 お嬢様  』

・・・綾香の場合。

浩之 : なぁ、綾香。

綾香 : な〜に、浩之。

浩之 : 前から不思議に思ってたんだけどさ、綾香だってお嬢様の端くれだろ?
     どうして寺女なんぞに通ってるんだ?

綾香 : 端くれだなんて失礼ね・・・寺女だって、ここらじゃ有名なお嬢さま学校よ。

浩之 : まぁそうなんだろうけど・・・もっと有名なさ、例えば武蔵野の、私立○リアン女学園とかは?

綾香 : え〜〜〜〜! 絶対、嫌よ!

浩之 : どうして?

綾香 : だって、堅っ苦しいじゃない。浩之知らないの?
      同級生同士は名前に「さん」をつけて呼び、上級生を呼ぶ時は「さま」をつける。
挨拶の言葉は「ごきげんよう」。スカートのプリーツは乱さないように、
白いセーラ一カラーは翻さないように歩くのがたしなみ・・・・。

浩之: う〜〜ん。  芹香先輩ならいざ知らず、確かに綾香じゃ無理そうだなぁ。

綾香: でしょ。(笑)

浩之: あぁ、綾香みたいなバチお嬢様で、跳ねっ返りのじゃじゃ馬じゃ絶っ対無理だな。
     一日だって持つわけね−や。聞いた俺が馬鹿だった許してくれ。

綾香: ・・・ここまで言われると腹が立つわね。(怒)




・・・芹香の場合

浩之 : 芹香先輩

芹香 : ・・・・・・。(ぺこつ)

浩之 : 挨拶は良いって。それより、前から聞きたかったんだけど、芹香先輩って生粋のお嬢様だろ。
      此処より、もっと芹香先輩に合った学校って有ると思うけどな。
     例えば、私立リ○アン女学園とか・・・・・。

芹香 : ・・・・・。(フルフル)

浩之 : え? リリ○ンに行ってたら、俺と出会えなかったからって・・・嬉しい事言ってくれるなぁ。

芹香 : ・・・・・。

浩之 : え? それに”部長さん達”が嫌がるからって、どうしてなんだ?

芹香 : ・・・・・。

浩之 : ・・・・・そうだな、力トリックの学校で黒魔術の研究は不味いもんな。




・・・佐祐理の場合

祐一  : ねえ佐祐理さん。佐祐理さんはどうしてこの学校にしたの?

佐祐理 : ほえ? 自宅から1番近い高校でしたから・・・特にそれ以外の理由は・・・。

祐一  : ふ〜ん、そうなんだ。

佐祐理 : 祐一さん、如何したんですか?

祐一  : ん? ああ・・・巷噂の超お嬢さま学校、私立リリ○ン女学園って所があるらしいんだ。
      良家の子女を淑女に養成する目的で明治34年に創立された学校で、佐祐理さんみたいな
      お嬢様や良家の子女が沢山通ってるらしいんだ。

佐祐理 : あはは・・・祐一さん、お詳しいんですね。

祐一  : 詳しいって程じゃ無いけどね。
      何でも、『スール制』って制度があって、
      上級生が下級生にロザリオを渡して『姉妹(スール)』になるんだって。
      で、スールの姉(グラン・スール)が妹(プティ・スール)を個人的に指導して
      淑女に躾るらしいんだ。

佐祐理 : ほぇ〜『姉妹(スール)』ですか。   
     佐祐理なら、舞のロザリオを戴きたいですねぇ〜。(ぽっ)

祐一  : だから、ロザリオの授受は上級生から下級生にだってば。
      しかも、何故に顔を赤らめる?




・・・栞の場合

栞   :  お姉さま、私にロザリオを頂けませんか?

香里  :  ・・・ちょっと栞、また変なドラマ見たのね。




・・・香里の場合

香里 :  私に妹(プティ・スール)なんていないわ。

栞   :  そんな事言う人嫌いです!



・・・月姫トリオ+1の場合

秋葉 : 嫌です! あんな純粋培養した女の園なんか行きたくありません!
     今の学校でも持て余してるのに・・・羽居とか。

シエル: 私は神に仕える身ですから。
     今更という気が・・・。

アルク:  え?私?
      志貴が行くって言うなら別に構わないわよ。真祖って、元々は敬虔なクリスチャンだから。

志貴 :  へぇ〜そうなんだ。じゃ、弓塚さんは?

弓塚 :  私はちょっと・・・。

志貴 :  あ、弓塚さんは吸血鬼だから、流石に賛美歌や十字架はきついか。

弓塚 :  あ、いえ・・・そっちは何とかなるんですけど、
      美味しそうな獲物がいっぱいで我慢できるか・・・。

志貴 :  そっちかい!





・・・あゆの場合

孝之 :  なあ大空寺。お前学校って何処行ってるんだ? 巷噂のリリ・・・。

あゆ :  はぁ? あんですかぁ? へたれの分際で、私のパーソナルデータを聞き出そうなんぞ、
      100億年早いんじゃい!  ぼけぇ!
      猫のウンチでも踏んでしまえ!  こっの、糞虫!

孝之 :  ・・・・・・・・・・やっぱ良い。




・・・秋子さんの場合

秋子 : 私立リリアン○学院ですか?

祐一 : はい、巷で何故か噂に上ってる学校なんですよ。
     聞いた事有ります?

秋子 : 聞くも何も、私の母校ですから。

祐一 : え! まじっすか!

秋子 : ええ。  ジャムの作り方も○リアンで教えて戴きましたし・・・。
     因みに、”甘くないジャム”のレシピは山百合会の伝統なんですよ。

祐一 : じゃあ、山百合会のメンバーは誰でも作れるんですか?

秋子 : はい。・・・あ、でも詳しい事は言えないんですよ。
     だって、お姉さまに叱られますから・・・。(ぽっ)

祐一 : ・・・・・・・・・・・。



・・・名雪の場合

名雪 : ねぇ、ねぇ、お母さん。お母さんってリ○アン出身ってホント?

秋子 : 高等部だけですけどね。

名雪 : いいなぁ〜。私も行きたかったなぁ・・・。

秋子 : あらあら・・・。でも、名雪にはちょっと辛いかもね。

名雪 : どうして?

秋子 : 姿勢とか、お話しの仕方、立ち振る舞いまで校則で決められててね、
     兎に角厳しい所でしたから・・・。

名雪 : そんな事我慢するよぉ〜。香里が教えてくれたんだけど、
     私でもアレルギーにかからない『仔猫』が沢山いるんでしょ。

秋子 : あらあら・・・・。確かに沢山いるけど・・・名雪には、”祐一さん”がいるでしょ。

名雪 : へ?





     題目  『 マリア様の心はサファイァ・・・。 』

祥子 : 前から不思議だったの、どうしてサファイアなんでしょう・・・。

祐巳 : ・・・お姉さま、私思うんですけど、琥珀や翡翠よりは良いんじゃないかなって・・・。

祥子 : ・・・・・・・・・・・。




     題目  『 最凶タッグ! 危険! 』

蔦子 : 志保さまの類稀なる情報収集能カ。東スポ並みの信憑性にも関わらず発表してしまう実行カ。
     ご尊敬してましたわ。

志保 : 何言ってんのよ・・・写真の為なら盗撮まがいな行為も辞さない、そのパパラッチ根性、
     私だってあんたの事は一目も二目も置いてたんだから。

蔦子 : とんでもございません。良心の呵責に苦しむ事無く、ネタのためなら笑って御友人を落とし入れる所とか、
     火のない所に態々煙を立たせる所とか、私も見習いたいなって思ってましたのよ。

志保 : あんただって、自分の写真を出展させる為、クラスメートの弱みを握って死地(薔薇の館)に追い込んだでしょ。
     ホント、ジャーナリストの鑑だって思ってんのよ。

蔦子 : 志保さま、私達『ベストパートナー』だと思いませんか?

志保 : そうね、あんたとなら『いい仕事』が出来そうね。

蔦子 : あの・・・・これからは”お姉さま”って、呼ばせてもらって宜しいですか?

志保 : 勿論よ、”蔦子”。







      題目 『  裏庭・・・ 』


祐巳 : 何時もこんな所で食べてらっしゃるの?

栞   : ええ、一年中・・・。

祐巳 : 変ってらっしゃるわ。

栞   ; そうですか?  寒い時に食べるバニラアイスって言うのも、なかなか美味しいですよ。

祐巳 : やっぱり変ってらっしゃるわ。



     題目 『 な・ま・え 』

あかり :  紅薔薇さまが、ロサ・キネンシス。
       白薔薇さまが、ロサ・ギガンティア。
       黄薔薇さまが、ロサ・フェティダ。
       そのつぼみが、
       紅薔薇さまのつぼみが、ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン。
       白薔薇さまがつぼみが、ロサ・ギガンティア・アン・ブゥトン。
       黄薔薇さまがつぼみが、ロサ・フェティダ・アン・ブゥトン。
       その妹が、
       紅薔薇さまのつぼみの妹が、ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン プティ・スール。
       白薔薇さまがつぼみの妹が、ロサ・ギガンティア・アン・ブゥトン プティ・スール。
       黄薔薇さまがつぼみの妹が、ロサ・フェティダ・アン・ブゥトン プティ・スール。
       
       はい、浩之ちゃん、早口言葉だよ3回言ってね。

浩之 : ・・・・・・・・・・・。

      ばこっ!

あかり : ・・・痛いよ。






 ☆ コメント ☆

コリン:「リ○アンって言うの? この学校、なんか面白そうだね」

ユンナ:「そう?」

コリン:「うん。笑いのネタには困らなそうだし」

ユンナ:「それ、根本的な所で激しく何かを勘違いしてると思うわ」

コリン:「そうかな?
     まあ、なんにせよ、あたしはこの学校に行ってみたいわ」

ユンナ:「なんで?」

コリン:「だってさ、チヤホヤされそうじゃない?
     あたしは天使なのよ。しかも本物。専門用語でモノホン。
     とれたてぴっちぴちの新鮮天使ちゃんなんだから」

ユンナ:「チヤホヤ、ねぇ」

コリン:「うん♪ だってカトリック系だもんね。
     きっと天使は人気者間違いなしよ」

ユンナ:「……」

コリン:「何よ? 何か言いたそうね」

ユンナ:「別に。ただ、コリンを見たら、天使に幻滅する娘が多そうだなぁって思っただけ」

コリン:「……どういう意味よ?」

ユンナ:「自覚が無いのが致命的よね。はぁ〜、やれやれ」

コリン:「し、失礼ねぇ。このナンバーワン理想的天使のコリンちゃんに向かってなんたる暴言」

ユンナ:「……ふっ」

コリン:「は、鼻で笑うなぁ!」




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