「あなたはあなた」
ピピピピピピピピピピピピピピピ
カチッ
「ふぁ〜〜〜〜〜〜あ」
昨日遅くまで勉強やってたせいか眠い。
「いってきま〜〜〜す」
今日は中間テスト最終日だ。
前方に志保の姿が見えた。
「志保、おはよう」
「あ、おはよう、雅史」
テスト続きで元気が無い志保
「元気ないね、志保」
「うっさいわね〜〜〜、原因分かるでしょ?」
「ははは」
「そう言うあんたこそ疲れてるんじゃないの?」
「え、そうかな?」
「どうせアンタの事だから遅くまで勉強してたんでしょ?」
「うん、一応・・・」
「いったい何時まで勉強してたのよ?」
「えっと、三時ぐらいかな?」
「さ、三時〜〜〜〜?」
「今日は英語と化学だから・・・」
「あんた、そりゃぁ睡眠たりてないわよ」
「そうかな?」
「おはよ〜〜〜志保、雅史ちゃん」
「ウッス」
あかりちゃんと浩之が来た。
「お、どうした雅史、クマできてるぞ」
「え?本当?」
「それに雅史ちゃんなんだかしんどそう」
「大丈夫だって、それより早く行かないと遅刻しちゃうよ」
「おっとそうだ」
「最終日がんばろうね」
テストが終わり、今日から部活が始まる。
いつも通りの練習メニューをこなす。
「佐藤」
「あ、垣本」
「相変わらずがんばってんなぁ」
「そんなことないよ」
「でも、お前最近無理してねーか?」
「え?」
「たまには休めよ」
「あ、あぁ、そうする」
練習が終わり、帰り道を歩いていると、
「お〜〜〜〜い、雅史〜〜〜〜」
後ろから志保の声が聞こえた。
「志保、今帰り?」
「うん」
「こんな時間までなにしてたの?」
「ちょっと図書館で睡眠を」
「ははは」
「そう言うアンタは?」
「僕は部活を」
「げ、アンタ、テストの後によく部活なんて出来るわね」
「これぐらいなんともないよ」
「うそ」
「本当だって・・・うわっ!」
足がもつれる。
「ち、ちょっと雅史!」
あろうことか志保の胸に飛び込んでしまった。
「うわっぷ」
「雅史」
「ご、ごめん志保!そんなつもりじゃ・・・」
てっきり突き飛ばされると思ったけど実際は違った。
「バカ・・・」
といいながら僕を抱きしめる。
「し、志保」
突然のことに頭が真っ白になる。
柔らかい物が顔全体に当たる。
「アンタ、最近無理しすぎよ、見てらんない」
「・・・」
「あんたが昔っから努力を重ねてきたことは知ってるわ、でも無理してるなら意味ないじゃない!」
うっすら涙目の志保。
「志保・・・」
僕は後悔していた。
僕は浩之みたいにスーパーマンでもないし、
あかりちゃんみたいに気が利くわけでもないし、
志保みたいに明るく、元気なわけでもない。
だからせめて自分のできることを精一杯やってきた。
しかし、それが最愛の人を悲しませることになるなんて・・・
「雅史・・・」
と言うと志保はいきなりキスしてきた。
「志保・・・」
「これ以上あたしに心配かけないで」
志保の瞳からぽろっと涙がこぼれる。
「ごめん、志保」
志保の涙を拭いてから唇にキスをする
「これからは気をつけるよ」
「分かればいいのよ、無理しなくてもアンタはアンタなんだから・・・」
もう一度唇を重ねる。
今度はちょっと長めのキスを・・・
あとがき
ちょっとシリアスなものを書こうと思ったけど結局甘甘になってしまいました。どうやら僕は甘甘なSSしか書けなくなってしまったようです。