ぼくを女の子とまちがえてナンパしてくれたお兄さん、ヒマつぶしにぼくの話聞いてくれる?
 ぼくは柏木初太郎。こんな名前だけど実は末っ子です。



 『「しょたろう」じゃなくて「はつたろう」です。まちがえないでね』



 ぼくが待ってるのはガールフレンドの知真ちゃんとまなみちゃんの姉妹。
 うちと同じくお母さんがいっぱいいるんだ。

 知真ちゃんの方は、ぼくととってもよく似ていてよく姉妹にまちがわれるんだ。
 まあ、普通の人とちょっとだけちがうってとこまで同じなんだけど。
 でも、姉妹はないよね?

 ぼく男の子だもん。

 ちょっとだけちがうとこ?
 柏木家は特殊な血を引いていて、女の子はいいんだけど男だったらとってもとっても大変な宿命が待っているんだよ。
 あ、その宿命はヒミツなんだ。ゴメンね。

 そのヒミツの宿命のせいでお母さんたちは、なかなか出産までふみ切れなかったみたい。
 もっとも、血族どうしは赤ちゃんができにくいってのもあったらしいんだけど。

 うちの一番上のお兄ちゃんと二番目のお兄ちゃんは、五歳も離れている。
 二番目、三番目、ぼくは一年づつ違う。
 一番上のお兄ちゃんが鬼を制御できた時に自分たちも産むことに決めたってお母さんたちが言ってた。
 そしたら見事に全員男の子で、お父さんは「一人ぐらい娘がほしかった」って言うんだ。
 そのせいでちっちゃい時は女物の服着せられてたんだよ、ぼく。ひどいよね。


 でもやっぱり女の子っていいよね。
 知真ちゃんとまなみちゃん、姉妹で一緒にでかけるの、デートって言ってるんだよ。

 ぼくもこないだマネしていっこ上のお兄ちゃんとでかける時、デートしてくるね。
 そう言ったら。

 お父さんは泣き出すし。
 梓お母さんはお説教するし。
 初音お母さんは青ざめるし。
 楓お母さんは親指立てるし。
 千鶴お母さんはにっこりするし。
 大変だったんだよ。


 もう片方の女の子、まなみちゃんはうちの二番目のお兄ちゃんと仲がいい。
 お兄ちゃん、今日もお弁当作ってくれたけど、ぼくたちの分よりまなみちゃんのお弁当大きいし。

 その二番目のお兄ちゃんは一番上のお兄ちゃんより大きいんだ。
 うらやましいよね。
 やっぱり大きいほうがいいのかな?
 お兄ちゃん、知真ちゃんとこの姉妹にもててるし。

 まなみちゃんいわく「背が高くて料理上手なとこがお父さんに似てる」んだって。
 ぼくも身長、ほしいなあ。

 まなみちゃんの影響でお兄ちゃん、バスケに染まってしまった。
 梓お母さん、本当は自分と同じ陸上をさせたかったみたいだけど。
「後輩の押しに弱いとこもあたし似だね」
 って笑ってた。



「しょーちゃん、おまたせ」
 あ、知真ちゃんたちがやってきたみたい。
 それじゃあね。



あとがき
 どうも、一点一角です。
 相互記念、というには余りにも遅いし、かつ、やたら短いですが。
 Hiroさんの藤田家のたさいシリーズ外伝読んでたら思わず書いてしまいました。





 ☆ コメント ☆

セリオ:「本日のコメントパートナーは、たさい外伝である意味一番人気の琴美さんです」

琴美 :「よろしくおねがいします。藤田琴美です。
     ――って、なにやら引っ掛かる言葉が聞こえたような……」

セリオ:「気の所為です」

琴美 :「……そうですか? まあ、この場はそういう事にしておきましょう。
     それはさておき。
     柏木さんの所は男の子が多いのですね。うちとは大違いです」

セリオ:「そうですね。うちは女ばかりですから」

琴美 :「バラエティに富んでいてちょっとだけ羨ましいかも。
     初太郎くんみたいな弟だったら欲しい気もしますし」

セリオ:「可愛いですものね、初太郎くん」

琴美 :「ええ、こんな弟なら欲しいです。今度、パパにお願いしてみようかな?」

セリオ:「お願いですか? ま、まあ、浩之さんなら快く了解してくれる気がします。
     子作り、お好きですから」(汗

琴美 :「ですよね。今度お願いしてみます。
     わたしならいつでもOKですし♪」

セリオ:「……は? わたしなら? いつでもOK?」

琴美 :「はい、わたしならいつでもどこでもノープロブレムですよ。
     パパを受け入れる準備は万全です。抜かりはありません。当方に迎撃の用意ありです」

セリオ:「……い、いや、あの、父親相手にそれは流石にどうかと……倫理とか……人としてとか……。
     つーか、それ、弟じゃないですし」(汗

琴美 :「でも、どうせなら一番最初はムードの有る場所がいいですね。
     そしてそして、愛の言葉を囁かれながら、わたしは優しく抱き締められて、
     『琴美、綺麗だよ』
     『いや、恥ずかしいです。そんなに見詰めないで下さい』
     なーんて事になっちゃったりして……」

セリオ:「え、えっと……既に聞いちゃいませんね、まったく、これっぽっちも」(汗

琴美 :「あーん、もう、パパのえっちぃ。
     やんやんやん♪」

セリオ:「……ハァ」





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