「ヒミツのお薬」

「雅史〜〜〜」
「なに?志保」
「ジュース買いに行くのついてきてよ」
「うん、いいよ」



「何にしようかな〜っと♪お、あれは来栖川先輩!お〜い!せんぱ〜い!」
「・・・・・・」
「こんにちは、来栖川先輩」
先輩は青色の液体が入ったビンを持っている。
「あれ?その手に持ってるビンは?」
「・・・・・・」
「ヒミツです?でもその液体とっても綺麗な色していますね」
「もしかしてジュース?先輩ちょっとくださいよ!」
「あ、志保!先輩のものを勝手に・・・・」
ごくごくごくごく
志保は僕が言い終える前にビンの中の液体を半分ぐらい飲んでしまった。
「うん、意外にいけ・・・」
ばた〜〜〜〜〜ん
志保はいきなり倒れてしまった。
「志保!」
慌てて志保に駆け寄った。
「志保!大丈夫?」
「う、う〜〜ん」
「気が付いた?」
「・・・雅史」
ちゅっ
「・・・・・え?」
一瞬何が起きたのか分からなかった。
「雅史〜〜〜〜〜!」
むちゅ〜〜〜〜
「!!!!!!!」
志保がいきなりキスをしてきたのだ。
「うわ!ちょっと、どうしたんだよ志保!」
「・・・・・・・・・」
「え?何ですか先輩?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「志保さんが飲んだのは浩之さんに頼まれて作った薬です?え、それって
どんな効果の薬なんですか?」
「・・・・・・・・」
「飲んだ人をキス魔に変える薬です?浩之はなんでそんなものを・・・?」
「・・・・・・・・・・」
「クラスの女子全員に飲まして俺の世界を作るんだ!って言ってました!?」

浩之、いつか君の頭の中を調べてみたいよ・・・・

「おりゃ〜」
ちゅっ
「うわ、志保ストップ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「え?私は治し方を調べますから雅史さんは志保さんをお願いします?」
コクコク
「でも授業中はどうするんですか?僕と志保は違うクラスですし・・・」
「・・・・・・・・・・」
「そこらへんは先生に伝えておきます?でも・・・」
「・・・・・・」
「ファイトです?って先輩待ってください!せんぱ〜〜〜〜〜い!」
来栖川先輩は部室の方へ歩いていってしまった。
「にひひ」
ちゅ〜〜〜〜〜
「ちょっと志保!はぁ、こんな調子で大丈夫なのかな・・・?」



三限目 数学
「であるから、ここでこの公式を・・・・」
来栖川先輩の計らい?で今日だけ同じクラスになった僕と志保。
自販機前以来、志保はキスをしていない。
さすがに授業中にはしないか・・・
「雅史」
「ん?どうしたの志・・・・」
ちゅ〜〜〜〜〜〜〜♡
油断していた。
志保は一瞬の隙を突いて僕にキスをしてきた。
「ん!ん〜〜〜〜んんん!ん〜〜〜ん!」
離れようとしても、首の後ろに手を回されて離れられない。
「ゴホン、あ〜〜、佐藤に長岡。来栖川から事情は聞いているがあからさまにやられると、先生授業がやりにくいんだが・・・」
クラス中から歓声と口笛が聞こえてきた。
とほほ、今日は厄日だよ・・・



そんな調子で後の授業も続いていった。
結局志保から、キス攻撃を34回受けた所で放課後になった。
「早く先輩の所に行かなくちゃ・・・」
「雅史〜〜〜〜」
「志保〜〜〜〜やめてくれ〜〜〜」



「あ、先輩!!」
「・・・・・・・・」
「お疲れのようですねってもう心も体もぼろぼろですよ・・・」
「・・・・・・・・・・」
「直す方法が見つかりました!?どんな方法ですか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「えぇ!本当ですか!?」
「・・・・・・・・・・・」
「頑張ってくださいってその無意味なガッツポーズはなんなんですか!?
あぁ、待ってくださ〜〜〜い!せんぱ〜〜〜〜〜い!!!!!」
「雅史〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
ちゅっ



とりあえず僕たちは中庭まで来た。
「さっきの方法を本当にやるのか・・・」
「雅史〜〜〜〜」
ちゅっ
ええい!ここで怖気づいてどうする!
志保を元に戻すためなんだ!恥ずかしがってなんかられない!
「志保、このベンチに座っていて」
志保を座らせる。
僕は少し離れた所に立つ。
いくぞ!
大きく息を吸い込んでそれを一気に吐き出した。
「志保〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!大好きだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
僕はありったけの声で叫んだ。
まだ校舎に残っていた人が驚いて中庭のほうを向く。
元に戻す方法は自分の限界の声量で相手に気持ちを伝える事だって先輩が言っていた。
「まさ・・・し・・」
志保の体がゆっくりと倒れていく。
「志保!!!!」
慌てて駆け寄る。
志保は眠っているだけみたいだ。
「はぁ、よかった〜」




「う〜ん。あれ、ここは・・・?」
「起きた?」
「あれ雅史!?授業は?それよりなんで私、雅史にひざまくらされてるの?」
「覚えてないの?」
「へ?何を?」
「実はね・・・」
僕は今日起こった事をすべて話した。
「私がそんな事してたなんて・・・ごめんなさい・・・」
「いやいいよ。もう済んだことだし・・・」
「でも、雅史に迷惑をかけて・・・」
「いいんだよ、志保。僕は志保が笑ってくれるのが一番なんだ」
「雅史・・・・」
そして二人はどちらからともなくキス。
二人に向かってたくさんの拍手が送られた。



「おぉ〜、雅史のやつやるな〜」
「さすが雅史ちゃんだね」
「うん、あいつならやれると思っていた!」
「って言うか今回の原因は浩之ちゃんでしょ!」
「ぎくっ!」
「しかも浮気までしようとして・・・」
「ぎくぎくっ!」
「罰として、浩之ちゃんの部屋から私の部屋に向かってラブコールしてよね」
「おい!ご近所にまる聞こえじゃないか!しかもかなりきつい!!」
「いやなの?」
「あ、いえ、やらせていただきます」
「よろしい。じゃあ、明日の夕方決行ね」
「はい・・・って言うかあいつらいつまでキスしてんだよ!!ちくしょ〜〜〜〜!!!」


あとがき
通学の電車の中で考えたSSです。
かなりキスしてますね(汗)
しかも、今までの僕の作品を見るとすべてがキスをしています(大汗)
いっそのことその方面へ行った方がいいのかな・・・?





 ☆ コメント ☆

綾香 :「浩之ってば何を考えてるのかしら。姉さんにあんな薬を頼むだなんて。
     ホント、しょうがない奴よねぇ」

セリオ:「クラスの女子全員に飲ませるつもりだったとは……。
     浩之さん、あれだけの人数の女性に囲まれていながら、まだ足りないのでしょうか」

綾香 :「これは罰を与える必要があるわね、マジで」

セリオ:「同感です。
     若干志保さんの自業自得な点があったとはいえ、今回の騒動を招いた原因でもありますし。
     再発を防ぐ為にも、きっちりお仕置きをしておくべきかと思われます」

綾香 :「そうよね。
     じゃあ……うーん、どんなお仕置きが効果的かしら」

セリオ:「そうですねぇ。
     わたしたちやあかりさんたち、皆が満足するまでキスをし続けてもらうとか」

綾香 :「却下。それってあまりお仕置きになってないんじゃないの?
     というか、罰で事務的にキスされるのなんか嫌よ」

セリオ:「……それもそうですね。
     では、とある方々に例のお薬を無理矢理飲ませ……もとい、飲んでいただいて、
     その全員からのキスの絨毯爆撃をノンストップで受けてもらうというのはどうでしょう?」

綾香 :「とある方々?」

セリオ:「セバスチャン様ですとか長瀬主任ですとか」

綾香 :「…………」(汗

セリオ:「どうですか? ナイスアイデアだと思うのですが」

綾香 :「あんた、えげつないこと考えるわね。いろんな意味で感心するわ」

セリオ:「いやぁ、それほどでもぉ♪」

綾香 :「……褒めてない褒めてない」(汗





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