「ずっと傍に・・・」

ふぁ〜あ
今日も疲れたな
浩之達は先に帰っちゃたのかな?
まぁ、今日は部活もないしゆっくり帰ろう


公園まで来たときに女の子と女子高生が木に向かって何かしているのを見つけた。
「何してるんだろう?」
近づいていくと、
「ちょっと、そこの君」
「え?僕?」
「そう、ちょっと手伝って」
女子高生が僕に向かって手招きをしている。
けっこう美人だった。
制服を見ると、その子は寺女の生徒みたいだ。
「えっと、どうしたの?」
「この女の子の猫が木の上から降りられなくなったみたいなの」
「たすけ〜」
「たすけって猫の名前?」
「そう。ねぇ、私が木に登るからあなた台になって」
「いや、これぐらいの木だったら僕一人で大丈夫だよ」
僕はそう言うと助走をつけて一気にジャンプし、幹を蹴りながら枝をつかんだ。
「ふっ、よいしょっと」
懸垂の要領で枝を登り、猫を抱きかかえた。
そのまま枝にぶら下がり飛び降りた。
ズダン
「あいてて・・・はい、猫は無事だよ」
「君、大丈夫?あんな高いところから・・・」
「大丈夫、そんなにやわじゃないよ」
「ありがとう!お兄ちゃん、お姉ちゃん」
女の子はポケットをガサゴソと漁り、
「これお礼、それじゃあね」
女の子は猫を抱きかかえ、手を振りながら走っていった。
「これは私が貰うわね」
彼女の手には女の子がくれた飴がある。
「え?がんばった僕には何もなし?」
「大丈夫、ちゃんとあるわよ。はい、これ」
もう一方に持っていたアイスを差し出してきた。
「これ、貰っていいの?」
「うん、こんなのいつでも食べられるし。あ、一応有名な店のだからね」
「あ、ありがとう」
「ところで君、何かスポーツしてる?」
「うん、一応サッカーを」
「へぇ〜」
「?」
「じゃあね!」
走って行ってしまった。
何だったんだろう?
あ、アイスが溶けてきた。
ってこれってもしかして間接キス!?
いやいやいや、そんなこと気にしない!
パクッ
うん、おいしい。





「ってな事があったんだよ」
「ふ〜ん、寺女の生徒ねぇ」
「その人の名前聞かなかったの?」
「え?うん、すぐに入っちゃったから」
「寺女の近くにアイス屋なんてあったかしら?」
昼休み、いつもの面子の浩之、あかりちゃん、志保、僕の4人でお弁当を食べる。
何気ない雑談。
午後の時間は緩やかに過ぎていく。


帰り道、河原を通って帰る事にした。
僕は密かにこの河原が好きだ。
いつもの河原に見たことのある女の子が居た。
「あれは・・・」
猫を助けた時の寺女の子だ。
向こうもこっちに気付いたらしい。
「あら、あなたは・・・」
「昨日の公園の・・・」
「そうそう。あ、そういえば自己紹介をしてなかったわね。」
昨日は名前を言う前に別れたんだっけ。
「えっと、僕は佐藤雅史」
「雅史・・・いい名前ね。私は来栖川綾香」
「ふんふん、来栖川・・・来栖川?」
どこかで聞いたことあるな。・・・
「この河原にはよく来るの?」
「うん、この河原結構気に入ってるんだ」
「私もこの河原、結構気に入ってるの」
夕焼けに照らされた川面がキラキラ光っている。
「それじゃ、私帰るね」
「うん、じゃ」
来栖川さんは手を振り歩いて行った。
そういえば前に会った時も一人で居たな・・・
たまたまかな?





部活が終わり、いつも通り帰る途中ふと商店街へ寄って行こうと思った。
と、きょろきょろしながら走っている来栖川さんを見つけた。
と、彼女は僕を見つけるなり、こっちに走って来た。
「ちょっと協力して!」
彼女は僕の返事を待たずに手を握って引っ張っていく。
「え?ちょ!ちょっと!」

しばらく走ったあと、細い路地に入った。
「はぁはぁ、ここまで来れば大丈夫ね・・・」
「ふぅ、一体なんなの?」
「あぁ、ごめんね。」
「こんなとこまで連れてきて一体どうしたの?」
「あの人に捕まると色々面倒だからね・・・知った顔を見つけたからとっさにね」
「あの人?」
「完全に撒くまで協力してくれない?」
「いいけど、何をすれば・・・」
「お嬢様〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
突然叫び声が聞こえてきた。
「な、何?いまの声」
「やばっ」
と言うといきなり抱きついてきた。
「ちょ、何を!?」
「このままでいて!」
このままって言われても・・・
何か柔らかいものが当たってるし。
しばらくその状態でいると叫び声が遠ざかっていった。
「あの、来栖川さん、もう大丈夫みたいだよ」
ゆっくりと拘束が解かれていく。
「ふぅ、無事撒いたみたいね」
「今のなに?」
「機会があったら説明するわ」
「色々大変みたいだね」
「そう、大変なのよ。あ、あのね・・・」
「?」
「名前呼ぶときは下の名前で呼んでくれない?
名字で呼ばれるのはあまり好きじゃないから・・・」
「わかった。えっと、綾香」
「うん、ありがと雅史」
何だか恥ずかしいな・・・
綾香の頬がほんのり紅くなっている。
多分僕もだろう。
でも苗字がイヤなら名前で呼ぶしかないしな・・・
「それじゃ、またね」
綾香は手を振りながら歩いていった。
「うん、また」
え?また?またってどう言うこと?



数日後

いつもと同じ昼休み。
志保が何かしゃべっている。
僕は話を聞かずに何故か綾香の事を考えていた。
一体なんだったんだろうか・・・?
「ちょっと聞いてる?」
「え、あ、ごめん」
「あのね、この学校にメイドロボが来るのよ、しかも来栖川製の」
え!?来栖川?
「ちょっと、今来栖川って」
「あら、知らないの?天下の来栖川グループ。HMXシリーズで有名な」
聞いた事はある。
けれど、その名を聞いて思い浮かんできたのは
「綾香・・・」
「ん?どうしたの?」
「い、いや、何でもない・・・」
ただの偶然かな。
でも名字で呼ばれるのが好きじゃないって言ってたのは・・・?
今度会えたら聞いてみよう。
・・・でも会えるのか?



その時はすぐに来た。
綾香の姿を見つけた。
初めて会ったあの公園で。
「やっほ〜、久しぶりね」
「綾香・・・どうしてここに?」
「あなたを待ってたのよ」
「え?僕を?」
「そう、あの時協力してもらったお礼をしようと思ってね」
変な叫び声から逃げたあれか。
「そんな、別にいいよ」
「まぁ、そんなこと言わずに。待ってたのが無駄になっちゃうじゃない」
「え?もしかしてあの日から毎日ここに?」
「そうよ、ここでなら会えるかと思ってね」
僕に会うためだけに毎日ここで?
その事を聞こうと思ったら後ろから数人の男が近づいてきた。
「うっひょ、すっげぇ美人」
「お姉ちゃ〜ん、俺達と遊ばね〜?」
「いいことしよ〜ぜ〜」
「な、何なの?あなた達」
「綾香!」
僕は綾香を守るように前に立つ。
「あ〜?んだ〜お前」
「俺らはこの子に用があるんだよ」
「見るからに頭の悪そうなチンピラね・・・」
「逃げよう、綾香」
僕は綾香の手を引いて走ろうとしたが、
「ぐへへへへ」
男たちの一人が前に立ちはだかった。
「ガキは引っ込んでろ!」
ドガッ
「ぐっ」
僕は頬を殴られ吹っ飛んだ。
「雅史!」
「へへへ、お姉ちゃ〜ん」
「早く行こうぜ〜〜」
「やめて!」
「あ〜〜〜ん?」
「綾香逃げろ!」
しかし、綾香は逃げなかった。
次の瞬間僕は目を疑った。
綾香がスッっと前に移動したと思ったら素早いパンチが一人の腹に入った。
「ぐふっ」
「な、何だ」
男たちが呆気にとられている隙にもう一人も沈める。
「こ、このアマ!」
綾香は男のパンチを意図も簡単に避け、回し蹴りを放つ。
「ぐはっ!」
「ひ、ひぃ〜」
残りの男は腰が抜けて立てないようだ。
あやかは男が襲ってくる気配がないのを確認してこっちに来る。
「大丈夫、雅史?立てる?」
「う、うん。何とか・・・」
綾香の肩を借りて立つ。
「とりあえず逃げましょう」




商店街近くの公園まで来た。
綾香は近くの水道でハンカチ濡らして僕の頬に当ててくれた。
「イタタタ・・・」
「大丈夫?」
「これぐらいなんとも無いよ」
「そう・・・」
そこで不意に会話が途切れる。
そのまま五分ぐらい過ぎた。
何か話さないと気まずいな。
「あの・・・」
「驚いた?」
「え?」
「男たちを倒した私の事を・・・変でしょ?こんな女子高生・・・」
「えぇっと・・・」
確かに驚いた。
けど・・・
「変じゃないよ」
「え?」
「確かに驚いたけど、綾香のおかげで助かったんだし、僕は変だとは思わないよ」
「雅史・・・」
突然、綾香が抱きついてきた。
「わ、ちょ!綾香」
「ごめんなさい、しばらく・・・この・・・ままで・・・」
綾香は泣いていた。
僕には何故泣いているのかが解らなかった。
僕に出来る事は泣き止むまで抱いてあげる事だった・・・



「ごめんなさい」
「いや、僕は大丈夫だよ」
「あのね、雅史」
「何?」
「いつか・・・私の話を聞いてくれる?」
「うん、僕なんかでよければ」
「ありがとう雅史」
「待ってるから、落ち着いたら話してくれたらいいよ」
「うん、それじゃね」
「うん、じゃ」
綾香は行った。
僕はしばらく立ち尽くしていた。
綾香とは会って間もないけど、
無防備に泣く様な人じゃないと思う。
きっと、僕には分からない苦労を背負っているんだな・・・
しばらくして僕は家に帰った。
今日の出来事は夢じゃなかったんだろうか?
ふとそう思う。
でも、頬の痛みと服に付いた涙の染みが夢じゃない事を物語っていた・・・




僕は一週間、部活後に綾香を待った。
もちろんあの公園で。
いつか綾香に会えるだろうと思い、待ち続けて八日目。
綾香と再会した。


「久しぶりだね」
「うん・・・」
近くの自動販売機で暖かいコーヒーを買い、近くのベンチに座った。
「・・・おいしい」
「そうだね・・・」
綾香は何となく、迷っているように見える。
そして、静かに語り始めた。
「あのね、雅史。来栖川グループって聞いたことある?」
「うん、友達から」
「私ね、そこの跡取りみたいなもんなの・・・まぁ継ぐ気はないけどね」
僕は半分驚き、半分驚かなかった。
「私は小学生の時ぐらいからアメリカに行ってて、ちょっと前に帰ってきたばかりなの」
「うん」
「向こうでね、勉強はもちろんだけど、エクストリームも学んできたの」
「エクストリーム?」
「エクストリームっていうのは簡単に説明すると総合格闘技になるかな?」
あのチンピラ達を退けたのはエクストリームか・・・
「私、幼いころは空手を習っていたの。でも向こうでエクストリームの素晴らしさに気が付いた」
「うん」
「空手道場のみんなは私の事を良く思っていないと思う。・・・それは仕方ないわ。私は空手を裏切った事になるもの・・・それでも私はエクストリームをしたかった。
それでね・・・エクストリームと来栖川の名で周りの人は私に近寄りがたくなってるの。」
「・・・」
「雅史もね、無理しなくていいのよ・・・格闘技をしてる女子高生なんて・・・」
「そうだ!」
「ちょっ、いきなりどうしたの?」
「僕が初めての友達になればいいんだよ」
「・・・え?」
「僕は綾香の事を近寄りがたいなんて思ってないし。僕じゃ役不足かな?」
「えっ?・・・ううん、ありがとう」
「話してくれてありがとう」
「雅史こそ、話を聞いてくれてありがとう・・・」
しばらく身を寄せ合いながら座っていた。
「寒いね・・・」
「うん・・・」




次の日学校へ行くとクラスの男たちが何か雑誌を読んでいた。
「何読んでるの?」
「おう、佐藤。これだよ、これ」
雑誌の名前は月刊エクストリーム
「このエクストリームチャンピオンがすごく強いんだよ」
「美人だしな」
チャンピオンって・・・綾香!
「チャンピオンの来栖川綾香ってあの来栖川グループのご令嬢らしいぜ」
「すげーよな」
「俺たち凡人とは身分って言うか、格が違うよな」
綾香がチャンピオンだったなんて。
すごいな、綾香。



今日は部活がないので、河原の方を通って帰ることにした。
ある人物を捜しながら土手を降りていく。
いた。
「お〜い、綾香」
「あ、雅史」
「ここで何してるの?」
「えっとね・・・エクストリームの練習・・・」
綾香の周りにはミットやらグローブやらが置いてある。
「雅史は部活は?」
「今日はないんだよ」
「そう」
「いつもここで練習してるの?」
「ううん、いつもは屋敷の道場で。たまにここで練習してるの」
「ふ〜ん、大変そうだね。手伝おうか?」
「い、いいわよ、けがしたら大変だし」
「大丈夫だって、僕だってサッカーで鍛えてるしね」
僕はそう言いながら置いてあるミットをはめる。
「よし」
「本当に大丈夫?」
「多分ね」
「じゃあ、弱めにいくね」
ヒュッ
バシッ
「うっ」
意外に重い・・・
「大丈夫?」
「う、うん」
ヒュッ
バシン!
ヒュッ
バシン!
やっぱり綾香はすごいな・・・
と、その時
ズルッ
「うわ!」
僕は何かを踏んずけて体勢を崩した。
「あ!」
ドガッ
「ぐっ」
腹に衝撃と痛みが走る。
そのまま意識が遠のいていく・・・




「う・・・ん」
えっと、僕は・・・
あ、そうだ、何か踏んで体勢をくずして蹴りが直撃してそのまま・・・
ん?何か後頭部に柔らかい物が。
「大丈夫?雅史」
「う、うん、何とか」
綾香の顔が目の前にある。
ってことは・・・
ひざまくら!?
「ごめんなさい、こんな事になるなんて」
「いや、完全に僕の不注意だよ。綾香が誤ることはないって」
ひざまくらされていると知ったらちょっと恥ずかしくなってきた。
幸いにも人は居ないようだ。
「まだ痛む?」
「ううん、もう大丈夫」
「よかった・・・」
「・・・ごめん、心配かけて」
女の人にひざまくらされるのって初めてだな。
結構気持ちいい・・・
って思考が浩之みたいになってるよ!
「あのさ、綾香」
「なぁに?」
「エクストリームの大会っていつあるの?」
「来週に地区予選が」
「・・・今度も優勝するようにがんばって」
「知ってるの?」
「うん」
「そう・・・」
う・・・ん
何だか眠くなってきた。
昨日ちょっと夜更かししちゃったからな・・・
「ねぇ、雅史・・・」
「・・・ん?」
「あなたは・・・ずっと私の傍に居てくれる?」
質問の意図は解らなかった。
綾香とは知り合ってそんな長くないけど
なんだか気が合うって言うか、
一緒に居て楽しい。
できれば一緒にいたいと思う。
「・・・・・・うん」
僕はこの言葉だけを搾り出して眠りに落ちた。



ふぁ〜あ。
すっかり眠っちゃった・・・
って寝ちゃったよ!
「あ、雅史起きた?」
「ごめん綾香。重かっただろ」
「ううん、平気よ」
体を起こす。
「僕どのくらい寝てた?」
「30分ぐらいよ」
もう陽も落ちかけてる。
「そうだ、綾香」
「なに?」
「今から時間ある?」
「え?うん、あるけど」
「ラーメン奢るよ」
「え?いいの?」
「うん、ひざまくら代として」
「真顔で何言ってるのよ、バカ!」
「あはは」



「おいしいだろ?ここのラーメン屋」
「うん、おいしい」
フーフーズルズル
「私ね、こんな時間が幸せだと思うの」
「僕もそう思うよ」
ズルズル


「ご馳走様でした」
「どういたしまして」
「雅史、試合・・・見に来てくれる?」
「うん、もちろん。部活の練習試合があるから途中からになるけど」
「うん。待ってるから。それじゃあね」
「バイバイ」
綾香は嬉しそうだった。
綾香の笑顔を見ると元気が出てくるな。




試合当日
僕の方は2−0で勝利した。
今からだったら準決勝には間に合うな。
急がなきゃ。


会場に着いた。
えっと入り口はっと。
「・・・雅史・・・」
この声は・・・
「綾香!どうしてここに?準決勝は?」
「雅史ぃ・・・私・・・負けちゃった・・・」
「えぇ!?」




夏大会のチャンピオン来栖川綾香が三回戦敗退という事で会場はざわついていた。
優勝は高校一年の松原葵という子だった。
「綾香・・・綾香はがんばったんだし、また次があるじゃないか」
「これじゃあ、何も変わらないの・・・」
「え?」
「私がアメリカに留学してた事は話たでしょ?」
「うん」

私がアメリカに居た頃、勉強やエクストリームを教えてくれてた人が居るの。
私はあの人に憧れてた。少しでもあの人に近づこうと努力した。
ある日、試合でその人を倒したの。
あの人は私の成長を喜んでくれるかと思った。
でも違った。
あの人は信じられないぐらい取り乱し、私に暴言を吐いて飛び出してしまった。
私はどうしていいか解らなかった。
あの人から逃げる為に帰国した。

「あの人の事を忘れるために、帰ってからもエクストリームを続けた」
「・・・」
「でも、こんな結果じゃ・・・」
「綾香・・・」
「私は、どうしたらいいんだろう・・・?」
僕は決心した。
綾香の背に手を回し、そっと唇を重ねた。
「ま・・・さし・・・?」
「約束したじゃないか。僕がずっと傍にいる」
「・・・」
「どうしたらいいかは二人で考えて進めばいい」
「雅史・・・」
「それとも、僕じゃ役不足かな?」
「ううん、ううん。そんな事ないよ。私、すごくうれしい」
「綾香・・・僕は君が好きだ」
「私も好きだよ、雅史・・・」
今度は綾香から唇を重ねてくる。
僕は綾香の暖かさを感じながら二人で歩き進んでいく事を決意した。







「おい、佐藤。最近美人の寺女の生徒とデートしてるって言う噂が流れてるんだけど本当か?」
「おい佐藤!マジかよ!」
「どうなんだよ!」
僕は迷わずこう言った。
「僕の大切な人だよ」




「やっほ〜」
「あ、綾香」
「今日はどこに行く?」
「う〜ん、あの河原にでも行く?」
「うん、久しぶりね」
「あっと、その前にラーメン食べて行こうか」
「もちろん雅史の奢りよね?」
「うっ、仕方ないなぁ・・・」
「じゃ、行きましょう」
僕たちは手を繋いで歩き出す。
「あのね、雅史・・・」
「なに?」
「大好き・・・」
「うん、僕も」




〜後書き〜
久しぶりにSSを書こうかなぁと思ったとき、
「僕の中で男キャラ一位と女キャラ一位をくっつけた作品にしよう」
と体育の時間、サッカーのゴールキーパーをしていて寒さに震えながら考えた作品です。
僕が書く雅史は積極的すぎますね(笑)
その分浩之の影が薄すぎです。
この作品では一言しかしゃべってませんし。
まぁ、いつかは浩之も。
セリフがワンパターンになっていますが見逃してください。
作品の中の設定は全て架空ですので(特にエクストリーム)
「全然違うぞコラァ!ウィルス送るぞ!!上履きに画鋲入れるぞ!!!」
など言わないでください(笑)
っと長くなってしまいましたね。
多分次も雅史を書くと思います。
それでは。






 ☆ コメント ☆

コリン:「ほうほう。こりゃまた、随分と珍しいカップリングですなですな」

ユンナ:「2回も言うな。
     ――それはさておき。
     今では、雅史くんの相手役は圭子ちゃんと相場が決まってるからね。
     こういう組み合わせは本当に珍しいわ」

コリン:「ま、こういうのもにじそーさくの醍醐味っちゅーやつやね、うんうん」

ユンナ:「二次創作くらい漢字で言いなさい、漢字で。
     そんな事だからアーパー天使とか言われるのよ」

コリン:「うっさいわねぇ。いいじゃない、別に。誰にも迷惑掛けてないんだし。
     っていうか、誰がアーパー天使ですって? 失礼ねぇ」

ユンナ:「失礼も何も、そのまんまでしょうが」

コリン:「むかっ。
     この愛と夢と希望の美少女天使コリンちゃんに向かって何たるぼーげん。
     ユンナ、許すまじ」

ユンナ:「……主役が雅史くんになると、どうしてもギャグっぽい展開は少なくなるわね。
     浩之くんとは違って生真面目な性格をしてるから。
     その辺の対比が実に面白いわ」

コリン:「こらーっ、シカトするなーっ!」

ユンナ:「原作とは趣きとか方向性が異なってるっぽいけど、これはこれで正統派と言えるかしらね。
     スポーツマン同士の爽やかな恋愛話って感じで」

コリン:「人の話を聞けーっ!」

ユンナ:「ところで、浩之くんと綾香ちゃんの場合はフィフティフィフティの関係だったけれど、
     この二人だとどうなるのかしら。
     やっぱ、主導権は綾香ちゃんが握るのかな?
     どう考えても、雅史くんが振り回される図しか思い浮かばないんだけど」

コリン:「……性悪女」(ぼそっ

ユンナ:「…………」(ごすっ

コリン:「はうっ!
     うううっ、い、痛ひ。
     な、なにも殴ることないでしょー、しかもグーで。
     つーか、聞こえてるんなら、ちゃんと返事しなさいよ。
     そんなだから世間様から『腹黒天使』だとか『狡猾魔女』だとか『天使の羽を持った悪魔』だとか……」

ユンナ:「コリン」(にっこり

コリン:「っ!?」(びくっ

ユンナ:「撲殺と刺殺と焼殺と爆殺のどれがお好み?
     特別に選ばせて、あ・げ・る♪」(にっこり

コリン:「……あ、あう、あうあうあう」(汗





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