投稿作品 「激ラブセリオさん」 ※作者注:健全な青少年は読まないほうが身のためです。頭わるいです。マジで。 「おはようございます、セリオさん!」  今日もマルチさんが、元気いっぱいの笑顔を見せて下さいます。  ひしっ。 「おはようございます、マルチさん」 「あ、あ、あのぅ、セリオさん?く、くるしいですぅ〜」 「ああっ。このスベスベが。ほっぺのぷにぷにがムニムニしてぽよぽよでぷるぷるで もっちりとして」  すりすりむにむにすりすりむにむにすりすりむにむにっ。 「朝っぱらから…なーにをやっとるか――――っ!!」  どごし。  綾香様の踵が脳天を直撃し、思わずマルチさんをがっしりぎっちり拘束した腕が外 れてしまいまいした。 「…いたいじゃないですか、綾香お嬢様」 「…いたいの?あんた?」 「だって、脳天に踵落としなんかくらったら、痛いものなんでしょう?」 「知識として知ってるだけかいっ!」 「うわー、セリオさんものしりですぅ〜」 「そこ!感心しない!」  最近、妙に綾香様のツッコミはキレが出てきたような気がします。 「あんたのせいでしょうがあんたの!毎日毎日毎日毎日、ロボット同士でナニ背徳行 為を繰り返してるかっ!」 「ええっ!」  マルチさんが驚愕のポーズをとりました。当然背景はベタフラ稲妻トーンです。 「はいとくこうい、って…なんですか?」  ぎゃふん。  お約束なボケに、私と綾香お嬢様は思わずコケてしまいました。でも、マルチさん はかわいいからオッケーです。 「はぁ。…なんかもー、朝っぱらから疲れちゃった」 「いつものことなんですから、いい加減なれてください」 「勝手にいつものことにしてしまったのはアンタでしょーがっ!!」 「ええっ!」  私は驚愕のポーズをとりました。今度の背景はフラッシュ稲妻集中線です。 「いいじゃないですか。あきらめてください」 「うわ、すっげームカツク」 「さ、早くしないと遅刻してしまいます。さっさと行きましょう」 「そうですね、セリオさん」 「ってなに二人してあたしを無視してんのよ、こらーーーーぁつ!!」  お嬢様たちは毎日リムジンで登下校なさいますが、私たちメイドロボはバス通で す。まあ、朝からあの馬面の長瀬さんの顔を見るのはむさくるしいから、こちらの方 が良いのですが。なんといっても、マルチさんと一緒ですし。でも、この混雑ぶりは ちょっと、辟易ですね。 「…あっ」 「どうかしましたか、マルチさん?」 「い、いえ、その…」  満員のバスの中で、私たちは密着した状態で吊革につかまっています。うふふ。 「なんか、嬉しそうですねセリオさん?」 「え?あ、はい、まあ」  ああっ。この状況を利用して、マルチさんに密着しほうだい。なんて素晴らしい状 況なんでしょう!…なぜか、マルチさんは冷や汗のようなものを額に浮べているよう ですが。 「…あっ!」 「?どうしましたマルチさん?」  マルチさんの様子に、何か尋常でないものを感じて私は心配になります。マルチさ ん、どこか苦しいのですか?気分でも悪くなりましたか?ロボットですけど。  もしそうなら、今日は学校フケてどっかで休みましょう。それがいいですそうしま しょう。丁度駅前には色々その手のご休憩場所があるものです。  大丈夫です、服を脱いで楽になれば、すぐに気分がよくなりますとも。ロボットで すけど。それに、私がサテライトサービスを利用した豊富なテクニックで快楽の絶頂 へ… 「マルチさん!」 「は、はいっ!」 「子供は何人欲しいですか?」 「セリオさん、話飛びすぎです〜〜〜〜〜〜〜〜!!」 「っていうか、お前ら女同士だろ」 「つーかロボットだし」  周りの皆さんがそんなことをぼやいてるようですが、まあいいです。 「あ、でも子供は三人くらいがいいんじゃないですか?」 「「「「「「お前も素で返してんじゃないっ!!!」」」」」」」  乗客の皆さん全員ツッコミです。これはちょっと凄いですね。でも、そうですか、 三人ですか。わかりました、努力します。 「…きゃふん!」  ああっ。マルチさん、その鼻にかかった甘い喘ぎ声…素敵です、素敵すぎますわ !って、…喘ぎ声? 「マルチさん。…もしかして、痴漢ですか?」  声を潜めて尋ねる私に、マルチさんは顔を真っ赤にして小さく頷きました。  ………………。  お、おのれ―――――――ッ!!痴漢ですって!?私のかわいいマルチさんに、よくも そんな破廉恥な行為を!!マルチさんのすべすべした太腿の感触を楽しみながら、やが てその手は徐々にスカートの中にまで進入し、小さなおしりの割れ目を指でなぞった りするのですか?しかも片手はセーラー服の中に潜り込み、慎ましい小さな乳房を揉 みしだき、その頂点を指でいじったり、つまんだり、こねくりまわしたり、指の腹を こすりつけながら乳房の中に埋没させたりとか?  そして、そして、もはやぐったりしてされるがままに身体をまかせるマルチさん の、一番恥ずかしいところに、前から後ろから…!  許せない!そんなことしていいのはこの私だけですっ! 「セリオ・イヤー!!」  解説しよう!セリオ・イヤーは50km先の来栖川芹香の呟きすら聞き取れる高感度 マイクなのだ!凄いぞセリオ! 「うわああああああああっ、うるさくって全然わかんない〜〜〜!」  私としたことが、とんだオマヌケさんです。混雑したバスの中でこんな能力が何の 役に立つというのでしょう。 「ならば…セリオ・インフラビジョン!」  またまた解説しよう!セリオ・インフラビジョンは赤外線探査で相手の弱点を見抜 くことができるのだ!あんた、仮面ライダーBlackか? 「うわっ、バス中真っ赤で全然わからない〜〜〜〜〜!!」  ううっ、私ってダメダメちゃんです。ええい、マルチさんを痴漢の餌食にするくら いなら、いっそのこと、この場で私がマルチさんの処女を…!! 「セ、セリオさん私こんな衆人環視の中での初体験だなんて、そんな露出狂な女にな るのは嫌ですぅ〜」  あ、マルチさん「衆人環視」なんて言葉知ってたんですね。偉いですよ。  とにかく、このままにはしておけませんから、周囲を注意深く観察してみましょ う。なにかソレっぽい、いかにも根暗で不健康そうで、パソコンをHゲー専用機にし か使わないような人間のクズを探してみましょう。  ………ハッ!? 「セリオ・ナックル!」  チタン製のナックルガードを装着した私の右拳が、ちょうどマルチさんの背後にい た怪しい黒尽くめの男を殴ろう…として、となりの簾ハゲのオヤジにヒットしてしま いました。  ………………。 ドンマイ。 「ああっ、よけるなんてズルイです!」 「なにがだっ!」  耳から血を流して白目を剥いてるオヤジを(イヤそうに)抱きかかえて、怪しい黒 尽くめが喚きます。ふっ、そんな黒い帽子に黒い革ジャン、黒いジーンズにスニー カー、おまけに黒い丸グラサンなんて露骨に怪しいです。警官に速攻で職務質問され そうですよ。 「いや、ここまで露骨に変だと単純に変人だって思われるだけで…派出所で道聞いて も、優しく応対してくれましたよ?」  誰もそういうことは聞いてません。 「と、とにかく、俺は痴漢なんかしてないぞ!ただ…」 「ただ、なんです?」 「その子可愛いから、持って帰りたいなーとか思って隙は覗ってましたけど」  どかばきべきぐしゃどか。  周りの乗客の皆さんも一緒になってタコ殴りです。更にズタボロになってヒクヒク 痙攣してる黒服の男を、私は踏みつけました。 「ああっ、もっと」 「真性の変態ですか、あなたはっ!」 「いや、冗談ですけど」  こんな状態でまだ受けを狙うんですか、あなたは。 「で、でも…さっきから見てたら、その子に触ってたのはキミ…ぐはぁ!」  ガシ!ガシ!ガシ!ガシ!ガシ!ガシ!ガシ!ガシ!ガシ!  更にガシ! 「…セリオさん…」 「さ、マルチさん、悪は滅びましたよ」 「セリオさんっ!?」 「あ、着きましたよマルチさん。ささ、降りましょうか。ずずずいっとこう、乗降口 に向かって毎秒3mくらいのスピードで」 「セリオさーーーーーーん!!」  歩いて5分ほどの、二つ目の交差点。ここで私たちは別れてそれぞれの学校へ向か います。 「それじゃセリオさん、また帰りに」 「はい、マルチさん」  元気よく手を振ってから去ってゆくマルチさんの後姿に、思わず欲情…もとい、寂 寥を禁じ得ません。これから放課後までマルチさんと会えないなんて。しかも、学校 にはあの男、藤田浩之さんがいます。  あの煩悩魔人の毒牙に純情なマルチさんが汚されてしまわないか…ああっ、心配で す。  あの手の男は自分も初体験のくせにミョーにオヤジくさい手口に精通していたりす るものです。ふきふきとか。 「ああっ、私もマルチさんをふきふきしてみたいっ!」 「なに、朝っぱらから天下の往来で恥ずかしいこと喚いてんのよアンタはっ!?」  どげし。  背中から蹴倒されて、わたしは前方回転してからすっくと立ち上がりました。 「…わざわざツッコミ入れに待機してるなんて、ヒマですね綾香お嬢様」 「そう思うならボケるのはやめなさい!…まったく、どうしてこんな風に育ってし まったのかしらねー?昔はあんなにマジメだったのに」 「…私にこの道を教えて下さったのは綾香お嬢様でしょうに」 「うっ」 「しかも、私は予行演習の相手でしょう?綾香様の本命は実の姉の芹香お嬢様…」 「わーっ、わーっ、わーーーーーーっ!!」  ………………。 「ケダモノですね」 「や・か・ま・し・わ!」  なにやらシクシク泣いている綾香様です。どうして泣いているんでしょう? 「でも、綾香様には感謝しているんですよ。私にこんな素晴らしいことを教えてくだ さって」 「あたしゃー今までの人生で、こんなに後悔したこたーないわよ」 「がんばってください」  ぽんぽん。 「肩たたくなーーっ!」 「私もがんばって、いつかマルチさんを私だけのお姉さまにしてみせますから」 「…もういい。好きにしなさい。…って、え?お姉さま?マルチを?」 「はい?だって、マルチさんは私の姉ですし」  …………。 「セリオ。あんたもしかして…ネコ志望?」 「はい。そうですけど…それが何か?」 *********************************************************************** 「ああっ、マルチお姉さま、もう許してください…」 「えへへー。ダメですぅ。さ、セリオさん、お姉さまの足を舐めるですー」 「は、はい、マルチおねえさま…」 「よくできましたね、仔猫ちゃん。ご褒美に頭、なでなでしてあげますー」 *********************************************************************** 「セリオ…言っちゃなんだけどそれ絶対無理よおおおおおおお!」 「そうでしょうか?」  無理だってば。  関係ないが、やや離れた電柱の影で、一人の女性が二人を見守っていたりする。 「…がんばるのよ、セリオ!」 「…なにやってるんですか、弥生さん?」 <強引に終わる> 【後書き】  ナニを後書けばいいのでしょう?  どーすんだよこんなバカなもん書いて。  でも、自分の中のセリオ像って、実は結構こんなもんだったりします。こんなも んっていうのはつまり隙あらばマルチを薄暗くて人気のない所に引っ張り込もうとし てるとか、まあそんな感じですが。  本当です。嘘ですが。  あと、綾香の方も実は隙あらば芹香を(以下省略)  弥生さんも実は隙あらば由綺を(以下省略)  あ、弥生さんはマジだったけ。
 ☆ コメント ☆  阿黒さんから、またまたセリオSSを頂いちゃいましたーっ\(^▽^)/  >「…いたいじゃないですか、綾香お嬢様」  >「…いたいの?あんた?」  >「だって、脳天に踵落としなんかくらったら、痛いものなんでしょう?」  >「知識として知ってるだけかいっ!」  待てい!!  R・田中○郎か、お前は!?  注)最近頻発している、若い人置いてきぼりネタでした(^ ^;;  >毎日毎日毎日毎日、ロボット同士でナニ背徳行  >為を繰り返してるかっ!  ま、毎日……?(−−;  こ、これって、日課だったのか……。  >お、おのれ―――――――ッ!!痴漢ですって!?私のかわいいマルチさんに、よくも  >そんな破廉恥な行為を!!  ち、痴漢!?  まさかこのまま、このHP初の18禁の展開に……。  どきどき(*・・*)  >そんなことしていいのはこの私だけですっ!  …………おいっ(−−;  >「で、でも…さっきから見てたら、その子に触ってたのはキミ…ぐはぁ!」  …………………………………………。  …………………………………………。  ……………………………………はい?  えっと……もしかして……犯人って……。  ……ま、まさかねぇ。  あはは……は……は……はぁ(−−;    >「…私にこの道を教えて下さったのは綾香お嬢様でしょうに」  えっ!?(@◇@)  >「しかも、私は予行演習の相手でしょう?綾香様の本命は実の姉の芹香お嬢様…」  ええっ!?(@◇@;;;    しっかし、前回のセリオとは雰囲気が180度変わってますねぇ(^ ^;  ホント、完璧に別人です。  でもでも、今回のセリオも可愛いですよね? ね? ね?(^ ^;;;  それにしても、見事なまでのボケっぷり。  う〜む、ただ者じゃない。  まあ、うちのセリオも同系統ですけど(^ ^;  阿黒さん、ありがとうございました\(>w<)/



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