「浩之調査隊」
みなさんこんにちは、私、藤田浩之です。
俺の親友と幼馴染こと、佐藤雅史と長岡志保が付き合ってから早数ヶ月。
今でも数ヶ月前のラブラブっぷりは健在なのか調査しようと思います。
現在の俺の装備
サングラス(100均)
マスク(100均)
帽子(100均)
双眼鏡(100均)
わざわざ家から持ってきた私服
それでは調査開始。
志保を見張っていると早速雅史の方に向かっていった。
ビンゴだ!
今日はサッカー部が休みだからきっとデートに行くはず。
そう思い見ていると、
「ぶっ!」
あの志保が顔を赤らめて雅史にデートの誘いをしている模様。
志保ってあんなにかわいかったのか…
雅史と付き合う前に俺が貰っておけば…
いやいや、俺にはあかりがいる。
っと二人が行動開始した。
早速追いかけねば。
しかし、この格好は学校では目立ちすぎた。
みんなの好奇の視線が痛い。
学校出てから着替えればよかった。
まぁそんなことを気にしてても仕方ない。
二人を追跡していくとヤックに入って行った。
俺もオーダーし、少し離れた席から双眼鏡で見張る。
さぁどんな行動にでるか。
お〜っと雅史のポテトあ〜ん攻撃だ!
これに対して志保はどうする?
素直に従った〜!顔が真っ赤だ。
これは志保にかなりの大ダメージだ。
対する志保はどうでるか。
あ〜っと「唇の横にケチャップついてるよ、もう、仕方ないなぁ」攻撃だぁ〜。
志保は雅史の唇の横のケチャップを指でふき取りそのままぺろりとなめたぁ〜!
しかし雅史は平然とした顔でお礼を言ってる模様。
またしても志保の顔は真っ赤に。
この勝負志保の完全敗北だ。
しかし、俺のオーダーしたメガヤック、食いづらいし、味も濃い。
なんでこんなもんオーダーしたんだろう?
二人のいちゃつきとこれで胸焼けがしてきた。
まだ半分ぐらい残ってたけどごみを捨てに行く振りをして二人の会話を聞き取る作戦に出た。
「ねぇ雅史、今でも私のこと好きなの?」
「え?いきなりどうしたの?」
「だって最近部活ばっかりいってるし、休みの日しかデートできないし」
「部活のことはごめん、試合が近いから練習しないといけないんだよ」
「でもね」
「僕は、志保のことがなによりも好きだよ」
「雅史…ありがとう」
俺は席に戻った。
「何だあの声はーーーーーーーーーーー!!!!!!」
俺は二人に聞こえないぐらいの声量で叫んだ。
どんな女性でもメロメロにできる声出しやがって。
少しばかりいい声してるからって調子に乗ってるんじゃないぞ。
俺なんて
「エロゲに出てる人の声に似てるね」
って言われたことあるんだぞ!
と、ここでまたしても周囲の目線が俺に集まる。
「はは、どうもすみません」
俺は店から出て、二人が出てくるのを待った。
二人が出てきた。
今度はゲーセンに向かう模様だ。
俺もすぐさま後を追う。
ゲーセンに入ると二人はダンスゲームをしていた。
最近流行の曲に合わせて踊っている。
しかし、志保はともかく雅史まであんなに上手かったとは。
雅史、あなどれん奴。
と、こんどはクレーンゲームに挑戦するみたいだ。
青色の髪の女の子とちょっと頼りなさそうな男の子のペアの人形だ。
これは雅史でも苦戦するだろう…
と思いきやなんと二回目で取りやがった。
雅史め、どんだけ株を上げれば気が済む気だ…
志保は青い髪の女の子の人形、雅史は頼りなさそうな男の子の人形を鞄につけた。
ちくしょう二人め、次はどこに行くつもりだ?
今度はカラオケか。
二人の部屋をチェックし、俺も料金を払った。
ドアの前に立ってたら二人の部屋から歌声が漏れてくる
「桜の花が〜咲き乱れ〜」
相変わらず志保は歌が上手いなぁ。
お、こんどは雅史の番だ。
さすがの雅史でもカラオケは不得意だろう。
「静かに呼吸、重ね合わせた、やさしい時の中で〜」
あれ?なかなかうまいじゃないか。
そう思っていたら
「しゃいにんてぃあーーーーーーーーー!」
うわ!びっくりした。
雅史あんな大声出せたんだな。
これでわかった。
雅史はパーフェクト人間だ。
俺は自分の部屋に戻り、マイベストを熱唱した。
さてそろそろデートも終わりだろう。
二人について行くとなんとホテル街に向かって行くではないか。
最近の若者は性が乱れている。
「行っちゃ駄目だ!」
後悔した時にはもう遅かった。
思わず叫んでしまった。
「あれ浩之?」
「ヒロ、あんたへんな格好してなにやってるのよ」
「あ、いや二人がホテルへ行こうとしてたからつい…」
「僕たちはあっちにあるラーメン屋に行こうとしてただけだよ」
「それよりヒロ、もしかしてあんたずっとあたしたちの事見張ってた訳?」
「あ、いやその…」
「浩之ちゃん、見〜つけた」
なんとあかりが登場した。
俺は何かを忘れている…?
「あっ!」
「ふふふ、思い出した?今日は私とデートの約束でしょ?それをこんなところで何をやってるのかな〜?」
「ヒロ、どうなのよ」
「浩之、ずっと僕たちのこと監視してたの?」
あかりと志保は見るからに怒っている。
雅史は笑っているけど目が笑ってない。
「あわわわわわわわわわわわ」
「浩之ちゃん…」
「ヒロ…」
「浩之…」
「ぎゃあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」
その後俺の身に降りかかった怒りはあえて書かない。
だって思い出したくないもん!ガクガクブルブル…
後書き
たまには違う趣向のも書こうと思い、こんなのを書きました。
これは雅史と志保が付き合ってるという僕の最初の頃の設定ですね。
思えばあの頃の作品はまだ修行が足りない感じでしたね。
まぁ今もですけど。
これからもがんばって書いていくんで。
あと浩之ファンの人は恨まないでくださいね。