「セリオの話」第2話  「セリオのお年玉」
by たっきぃ

1月2日
全国的に澄み切った正月晴れのこの日、藤田家はというと・・・・・・・・・・・・・・・・・・
居間にはこたつが出され、卓上には数の子に栗きんとん、伊達巻に黒豆といったおせち料理の数々が並べられていた。
だが、そこでは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・先頭の○×大が・・・・・・・・・今、二宮を通過しました!2位とは何秒差でしょうか・・・・・・・・・・』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?駅伝は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もうこんな所まで来てたのか・・・・・・・・・・・・」
浩之が目を覚ますと、箱根駅伝はすでに4区に入り、先頭の大学が丁度二宮を通過していったところだった。
時間でいうと、大体12時過ぎといったところである。
「鶴見の中継所までは覚えてるから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2時間も寝ちまったのか・・・・・・・・・・・」
大きなあくびを一つすると、彼は肩までずっぽりと入っていたこたつから這い出て、座椅子へもたれるように座った。
目が覚めきらないのであろう、しばらくの間呆けていた後、彼は卓上に並べられた料理に箸をつけ始めた。
2時間も放ったらかしにされていたせいか、栗きんとんなどは表面がいささか乾きぎみである。
「おばさんの料理もウマイけど、たまに食べるおふくろの料理も悪くはないよな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
彼は一人呟くと、赤く染められた酢だこに箸を向けた。正月になると何故か食卓に上る、アレである。
この正月、浩之は相変わらずの一人暮らしであった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



浩之の両親は、仕事が忙しいゆえに職場近くに家を借りて暮らしており、本来の家に帰ってくるのは月に1度あるかどうかと
いった感じである。
それでも、この年末年始は運良く30日から家に帰って来られたので、浩之は久しぶりに母親の料理を味わう事が出来たので
ある。彼が今食べているおせちも、母親が作ったものである。
ちなみに、両親が帰って来られない時はどうしていたかというと、あかりが家から持って来たおせちを食べていたのとのことで、
もはや「正月といえばひかりおばさんのおせち料理」が浩之の中では定番となっていた。
実際、普段からあかりが煮物だの何だのと持ってきてくれていたので、彼自身舌がそっちに慣れてしまっていたということも
ある。ただ、それでも自分の母親が作ってくれる料理というのは特別なものがあるようだ。
そんな浩之の両親も、「仕事がいつ入ってくるか分からないから」と言って元日の夜には今の家へ帰っていってしまった。
もっとも、「夫婦二人っきりで過ごしたいから」というのが本音のようでもあるが。
そんなわけで、浩之はいつもの一人暮らしを送っているのである。



浩之が目を覚ましてからおよそ3〜40分ぐらい経ったであろうか、駅伝は箱根の山へとその舞台を移していた。
選手たちは険しい上り坂を一歩一歩進んでいくが、折からの強風が選手たちの前方から向かい風となって吹きつけてくるため、
もはや走るというよりは歩くといった方が近いくらいの速度で、彼らは箱根山中を芦の湖のゴール目指して進んでいた。
テレビが駅伝を写し出しているその時、彼は雑煮の餅と格闘を繰り広げていた。この雑煮のおつゆも、浩之の母親が作り置きして
おいてくれたもので、あとはおつゆを温めて餅を焼けばよいといった具合である。

「ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っと。やっぱ、正月に雑煮は欠かせないよな・・・・・・・・・・・・・・・
しっかし、それにしてもよく伸びる餅だぜ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

プルルルルルルルルル  プルルルルルルルルルルル

浩之が餅を伸ばしながら雑煮を食べていたその時、突然電話が鳴った。

プルルルルルルルルル  プルルルルルルルルルルル

「ったく誰だよ、正月から電話なんてかけて来やがって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人が飯食ってる時だってのに。
志保だったらただじゃおかねぇからな」
ぶつくさ文句をたれながら、彼はこたつから抜け出すと電話の置いてある玄関へと向かった。
少し前までの彼だったら、志保がかけてきたものだと考えて放っておいて無視しているところだが、最近は不承不承ながらも以前に
比べるとかなり早く電話に出るようになってきていた。これも綾香・セリオと付き合うようになってからだろう。
セリオはともかくとして、綾香を電話で待たせたり出なかったりすると、スパーリングがきつくなったりヤックでおごらされたり
といった具合に後々浩之の身に降りかかってくるので、勢い早めに電話に出ざるを得ないのである。

プルルルルルルルルル  プルルルルルルルルルルル

ガチャ

「はい、藤田です・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
6回目のベルが鳴ってから、浩之は電話に出た。志保の機関銃のようなしゃべりが聞こえてくる事を予想してか、心なしか身構えて
いるようにも見える。
だが、受話器から聞こえてきたのは彼が最もよく知る人物の声だった・・・・・・・・・・・・・・・



「元気にしてた、浩之?今年もよろしくね〜(はぁと)」
「何だ、綾香かよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  正月早々一体何の用だ?こっちだってヒマじゃないんだぞ」
電話の主が綾香だと知ったせいか、急にいつもの調子に浩之は戻った。
「あら、正月から彼女が電話してきたというのに、そういう態度ってないんじゃないの?どうせ浩之の事だから、テレビ見ながら
ゴロゴロしてヒマを持てあましてたんでしょ。せっかく遊びに行ってあげようと思ってたのに、どうしようかしら・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・当たりだ、綾香。駅伝見てるうちに寝ちまって、ついさっき起きたところだ。正直言うと、ヒマでヒマで
死にそうなくらいなんだ。お願いします、綾香さん。ウチへ遊びに来てください」
新年早々綾香の前に陥落する浩之。どうやら今年も尻に敷かれる事確定のようである。
「全くもう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だったら、最初からそう言えばいいのよ。今からだと、そうねぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・
40分後くらいにそっちに着くようにするわ。私も支度に時間がかかるし」
「おう、分かった。こっちも適当に準備しておくから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、セリオはどうした?
お前一人で来るつもりなのか?」
「あの娘ねぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今日は研究所から呼び出しがあって、朝からずっと行ったきりなのよ。
何でも、『セリオにお年玉を渡したいから』だそうなんだけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「研究所だって!?もうトラブルについてはケリがついたはずだろ?定期検査だって去年のうちに済ませてるし・・・・・・・・・・・
それに、『お年玉』って一体何なんだ?」
綾香の思わぬ発言に浩之は驚きを隠せなかった。セリオが研究所に呼び出される理由が見当たらないからだ。
「それは私にも教えてくれなかったわ。年末から泊まりで何かやってたみたいなのは確かなんだけどね・・・・・・・・・・・・・・・
で、今日浩之の家に行くのもその事と関係してるの」
「は?」
またも飛び出した綾香の予想外の言葉に、間抜けな声しか浩之は出せなかった。
「セリオ、終わったらあなたの家に向かわせるそうなのよ。あの娘が着くのは大体3時頃になるから、今から出ないと間に合わない
ってわけ。全く、誰がこんな事考えたのかしら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
間違いなく長瀬のおっさんだな。
浩之は確信した。

あのおっさん、『私の事を“お義父さん”と呼ぶように』なんてこの前ぬかしてたからなぁ・・・・・・・・・・・・・
いくらセリオが俺と付き合うようになったからって、それはどうかと思うぞ。

もっとも、あの研究所の連中は自分の娘たちの事になると見境がつかなくなるので、誰でも大して変わらないのだが。

「浩之、聞いてるの?」
綾香の声で浩之は現実へと引き戻された。
「あ、ああ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それじゃ、俺の方でも適当に準備しとくから、気をつけて来いよな」
「分かったわ。それじゃ、また後でね(はぁと)」
「お、おう」
ガチャッ
どちらからともなく電話が切られた後、浩之はなんとも言えない表情で突っ立ったままだった。
「長瀬のおっさん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何考えてるんだ?」



それから40分後
「お待たせ〜〜〜〜 道が混んでて途中から歩いてきたんだけど、歩きにくくって〜〜〜〜。って、何ぼーっと突っ立ってるの、浩之?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、いや、何でもねぇよ。まあ上がってくれ、綾香」
玄関を開けた浩之の目の前に飛び込んできたのは、艶やかな振り袖姿の綾香だった。
緋色の生地に白菊を大胆にあしらった柄が、彼女をより華やかに見せている。
いつもとは違った姿に、彼は思わず見とれてしまっていたのだった。
「ははぁ〜ん。さては私のこの姿に見とれてたわね。どうなのかな〜〜〜〜〜〜〜〜、ひ・ろ・ゆ・き」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあな。今日はマジで綺麗だぜ、綾香。和服なんて滅多に着る機会がない
から、新鮮に写るってのもあるんだろうけどな。今のお前を隣に連れて歩いたら、他の男どもが振り返る事間違いなしだぜ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、ありがと」
いつもだったら、減らず口混じりで答えてくるはずの浩之が、今日に限ってはまともに、それも饒舌に答えてきた。それが余りにも
予想外だったのだろう、綾香は赤面したまま玄関先で突っ立ってしまった。
「?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうしたんだ、綾香?早いとこ入らないと風邪ひくぞ」
「あ、そ、そうね。それじゃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お、お邪魔します・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
浩之に促されてようやく我に返ったのか、綾香は家の中へと入っていった。よほど動揺していたのであろう、普段は使った事のない
「お邪魔します」なんて言葉を使ったりしていたのが印象的だった。



「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん、やっぱり日本の冬はこたつに限るわよね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
居間に通されるなり、綾香はこたつに入ると思い切り伸びをして寝転がってしまった。
これにはさすがに浩之も一言言わずにはいられなかった。
「おいおい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんな事すると着崩れ起こすぞ。言っとくけど、俺じゃ着付け出来ねーからな。
ったく、これじゃさっきほめた甲斐がねーよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あら、それじゃさっきのは本気でほめてくれたの?珍しいこともあるものね〜〜〜〜〜〜〜〜〜。ひょっとしたら明日は大雪かも
しれないわね、ふふっ」
そう言うと、綾香はいつもの笑みを浮かべた。
これにはさすがに浩之も言葉を返せなかった。言ったところでさらに返されるのがオチだからだ。
話題を変えるというわけでもなかったのだろうが、彼が壁の時計に目をやると、針は午後2時55分を指していた。
3時までもう少しである。
「ところで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もうそろそろだよな、セリオが来るのって」
「あ、そういえばそうね。あの娘、研究所で何があったのかしらね。変な事されてるとは考えられないんだけど・・・・・・・・・・」
浩之のもとを訪れた本来の目的を思い出すと、綾香の表情が僅かであるが曇りがちなものに変わった。やはり、大切な親友のことが
心配なのだろう。落ち着かないのか、卓上に出された黒豆をしきりに箸でつまんでは口に運び続けている。
「まあ、あそこの連中なら心配はないだろうけど、裏で糸引いてるのが間違いなく長瀬のおっさんだからなぁ・・・・・・・・・・・・・・
あかりも、あのおっさんにはマルチ絡みで結構苦労させられてるらしいし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「やっぱりそう思った?長瀬主任、仕事熱心でセリオやマルチの事を大事に思ってるのは分かるんだけど、度を超したことが一度
や2度じゃないのよね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。そっか、神岸さんもなのね・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「「ふうぅぅぅぅぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
綾香が話し終わると同時に二人は溜息をついた。いかに研究所の連中が、今までとんでもない事をやらかしてきたかが分かるだろう。

ピンポーン

と、その時玄関の呼び鈴が鳴った。どうやらセリオが着いたらしい。
「来たみたいね」
「そうみたいだな。行こうぜ」
即座に二人はその音に反応すると、セリオを出迎えに玄関へと向かった。



どたどたどたどたどたどたどたどたどたどたどたどたどたどたどたっ!

居間から玄関まで来栖川家のように距離があるわけでもないのに、二人は何故か大急ぎで玄関に向かうと、我先にとばかりにドアノブ
に手を伸ばし、思い切り扉を開けた。
そして、セリオの顔を見るや否や、思わず二人は同時に叫んでしまった。
「「セリオっ!変な事されなかった(か)!?って・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ!?」」
だが、叫びはしばらくすると驚きへと変わっていった。
なぜなら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そこに立っていたのは、振り袖に身を包んでいたセリオだったからだ。
セリオの方は、萌黄色の生地に丹頂鶴と白雲を柄としてあしらったもので、こちらもまたセリオの美しさを十二分に引き出している。
髪型の方も、いつものストレートからアップにまとめており、うなじの白さについつい目がいってしまいそうだ。
耳元に気がつかなければ、思わず声をかけてしまう男が続出する事確実である。いや、気がついていても声をかけるだろう。
「浩之さん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
そう言うと、セリオはぺこりと頭を下げた。
セリオの姿にただただ驚くばかりだった二人は、その声でようやく我に返った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、ああ、セリオ。今年もよろしくな」
「こちらこそ、よろしくお願いします。浩之さん」
「それにしても、振り袖とは驚いたぜ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・とてもよく似合ってる。綺麗だよ、セリオ」
「い、いえ、そんな事ないです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(ぽっ)」
「え?」
浩之がセリオの着物姿をほめると、何故か彼女はうつむいてしまった。まるで恥ずかしがっているかのようだ。
浩之はそんな彼女の態度に違和感を感じた。
いつものセリオとは何処かが違う。いつもだったら、こんな返答の仕方なんてしないはずだ。
「アリガトウゴザイマス、浩之サン」
これで終わりのはずだ。
ところが、今、自分の目の前にいるセリオはどうだ。
いつもの有能な美人秘書然とした、どこか人を寄せ付けがたい雰囲気を持ったセリオはどこにもなく、そこにいるのはどこにでも
いる普通の年相応の女の子といった雰囲気のセリオではないか!?
一体これはどういう事なんだ?
浩之の頭の中は混乱し続け、思考が無限ループに入ろうとしつつあった。
一方、綾香はセリオの着ている振り袖に目を向けていた。
「セリオ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・この振り袖は一体どうしたっていうの?確か、家を出る時は私服だったはずよね。
もしかすると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これが研究所の連中が言ってた『お年玉』なの?」
「これの事ですか?」
セリオは両方の袖を持ち上げた格好で綾香に尋ねた。どこで覚えたのか、膝を軽く曲げた状態で立っている。
綾香もまた、セリオのそんな態度に違和感を覚えた。が、話しを続けた。
「そ、そうよ」
「この振り袖は、研究所の方に頂いたものです。着付けや髪の方もしていただいたんですよ。これも『お年玉』かもしれませんね。
こんな綺麗な着物を着るのは初めてですから。
でも、『お年玉』はこれだけじゃないんです。こっちの方が大事だって主任も仰ってました」
「長瀬主任が?」
「ええ、そうです。私が着いた頃を見計らって、浩之さんのお宅へ電話すると仰ってましたが、まだみたいですねぇ・・・・・・・・・・・・・」
「電話ですって!?ちょっと浩之〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜って、いつまでそうやってるのよっ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お、どうしたんだ綾香?セリオとは話はもう終わったのか?」
「それどころじゃないのよ!セリオへのお年玉の件で、これから研究所から電話がかかってくるのよ!
セリオが着いた頃を見計らってかけるらしいから、もうそろそろよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・何だって!?だったら、さっさと中へ戻るぞ。セリオ、お前も早く上がってこい」
「あ、はい。それでは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お邪魔します」
浩之の声に促されるようにして、セリオもまた家の中へと入っていった。
綾香は、彼女が脱いだ履物を整える仕草をじっと見つめながら、やはりどこかいつもの彼女とは違う事を感じていた・・・・・・・




プルルルルルルルルル  プルルルルルルルルルルル

3人が居間に入ってからものの数分ほど経ったであろうか、電話が鳴り始めた。その音を聞くなり、浩之は普段では考えれらない
程のスピードで電話機の元へと走っていった。
続いて綾香とセリオもその後を追ったが、あんまり急いでいたのであろうか、綾香は着物の裾をまくって浩之の後を追っている。
セバスチャンが見たら滝のような涙を流す事間違いなしの光景である。
彼女の後をセリオがまだ着物に慣れていないのであろう、とてとてと危なっかしそうに付いていった。

ガチャ

「・・・・・・・・・・・・ハァハァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい、藤田ですけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
息を切らせながら浩之は電話を取った。が、
「あ、もしもしヒロ?新年最初の・・・・・・・・・・・・・・」」

ガチャン!

受話器から聞こえた声を聞くなり、問答無用で彼は電話を切った。こめかみには怒筋が浮かんでいる。
「誰からだったの?」
「志保からだった・・・・・・・・・・・・・・・・ったく、下らねぇ電話なんかかけてくんじゃねぇよ」
綾香の問いかけに浩之は吐き捨てるように答えた。新年早々、志保からの電話があった事が相当頭に来ているようだ。
浩之の言葉に、綾香はあきれた様子で溜息をついた。セリオは研究所からの電話がかかってこないせいか、不安げな様子である。

プルルルルルルルルル  プルルルルルルルルルルル

暫くすると、3人の目の前で再び電話が鳴り始めた。今度は浩之も心の準備を整えて、誰からの電話でも対処できるようにしていた。

ガチャ

「はい、藤田ですけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ちょっとヒロぉ〜〜〜〜〜!いきなり切るなんて失礼じゃないの〜〜〜〜!せっかくこのあたしが新年最初の志保ちゃん情報を
教えてあげようとしてるのに〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「失礼なのはお前の方だ!新年早々下らねぇ電話をかけてきやがって、こっちはテメェの話に付き合ってるヒマはねぇんだ!!
じゃあな!!」
「あ、ちょっと、待ちなさいってば・・・・・・・・・」

ガチャン!!

志保の話も聞かずに、浩之は勢い任せに受話器を叩きつけるようにして電話を切った。
「あのバカ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いい加減にしろよな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハァハァ・・・・・・・・・・・」
大声で一気にまくし立てたせいだろうか、浩之は息を切らしていた。
「また長岡さんのようね・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かったわ、今度は私が出るわ。3度目の正直といきたいところね」
「2度あることは3度あるだったりしてな」
「そうならない事を願うのみよ」

プルルルルルルルルル  プルルルルルルルルルルル

そうこうするうちに3度目の電話が鳴った。今度は言葉通りに綾香が電話に立った。

ガチャ

「はい、藤田ですが、どちら様でしょうか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、はい!あけましておめでとうございます!・・・・・・・・・・・・・・
こちらこそ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・・・・・・・・・・いえ、そんな・・・・・・・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・では、本人に代わりますんで」
保留ボタンを押すと、綾香は浩之の目の前に受話器を差し出した。心なしか勝ち誇ったような顔をしている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰からだ?」
「3度目の正直の方よ。ふふっ」
彼女の言葉を聞くなり、浩之はもぎ取るように受話器をつかんで保留を解除すると、電話の主と話し始めた。
「藤田ですけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長瀬主任ですか?」
「もしもし、藤田君かい?あけましておめでとう。今年もよろしく頼むよ」
「え?あ、はい。おめでとうございます。こちらこそよろしくお願いします」
「う〜ん・・・・・・・・・・・・・・・まだお義父さんとは呼んでもらえないようだねぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
電話の主である長瀬のこの言葉に、浩之の肩から力がどっと抜けるのを彼は感じた。
「お義父さんって、それだけはカンベンしてくださいよ〜〜。主任って呼ぶようになっただけでもいいじゃないですか。
って、そんなことより大事な話があったんじゃないんですか?」
「おお、そうだった。忘れるところだったよ。セリオへのお年玉の件だったね。あれはだねぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
こんな調子で、セリオへのお年玉についての説明が始まったのであった・・・・・・・・・・・・



「それにしても、研究所の連中も手の込んだ事をするわねぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「まあ、それだけセリオの事を考えていたという事だろ。なぁセリオ?」
「そうですね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・最初、研究所に呼び出された時は突然だったので驚きましたけど・・・・・・・・・・」
長瀬との電話が終わり居間へ戻ると、浩之は綾香に電話の内容について話し始めた。

曰く

セリオへのお年玉とは、感情プログラムを彼女に搭載したということ。
セリオが浩之と付き合うようになったのを機に、研究所スタッフの方からこの話が挙がったということ。
何としてでも正月に間に合わせるようにするため、スタッフ総出で連日の徹夜だったということ。
プログラムはマルチに用いているものをベースにし、それをセリオ用にカスタマイズしたものだということ。
(この調整に時間がかかったため、徹夜が続いたらしい)
あくまでも、どこにでもいる普通の女の子が基本であって、天然ボケや人間臭いといった要素は含まれていない。

といったところである。

「でも、皆さんの気持ちが伝わってきて、とてもうれしかったし、感動しました・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「「セリオ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
感極まったのか目頭を押さえるセリオを、浩之と綾香は優しさに満ちた眼差しで見つめていた。
「あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すいません、恥ずかしいところをお見せしてしまって」
「そんなことないさ。これからはそうやって自分の気持ちに素直になっていけばいいんだからな。違うか?セリオ」
「今までだって、わたしと浩之を見ててうらやましいとかやってみたいなって思った事が何かあるでしょ?例えば・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ぎゅっ
そう言うと、綾香は浩之の右腕にしがみついて離れなくなってしまった。
「お、おい綾香!」
「浩之は黙ってて。どう、セリオ?今まで自分からこういう事はしなかったみたいだけど、本当はこんな風にしてみたいんじゃ
ないの?自分からこういう風に浩之といちゃついてみたいとか思ってるんでしょ?どうなの、セリオ?」
「綾香さま・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
気持ちが揺れ動いているのだろうか、セリオは黙り込んでしまった。
その傍らでは、浩之が綾香に小声で食ってかかっていた。
(「おい綾香!今のはいくら何でも言いすぎじゃねぇのか?ひょっとして、感情プログラムが搭載されたから俺の事をセリオに取られる
とでも思ってるのか?」)
(「そんな事思ってるわけないでしょ!あの娘、人に気を使い過ぎで自分から身を引くところがあるから、何とかしたいと思って
たのよ。今が丁度いい機会なの!」)
(「それだったらいいけどよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、この感触は一体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?!」)
綾香とやり合っていたところ、急に左腕に重みと柔らかな感触を浩之は感じた。
彼が自分の左側に視線を送ると、そこには自分の左腕にしがみつき寄り添うセリオの姿があった。
「セ、セリオ、お前一体!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私も綾香さまのように以前からこうやってみたかったんです。・・・・・・・・・・・・・いけませんか?」
「い、いや、いけなくはないけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
上目づかいに見つめられながらセリオに聞かれ、浩之はそう答えるのが精一杯だった。
そこへ、さらに予想外の出来事が彼を待っていた。
「それと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これも一度でいいからやってみたかったんです。浩之さん、私のほうを向いて
もらえせんか?」
「ああ、いいけど、一体何をするつもり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・んんっ!?」

ちゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ 
れろれろれろれろれろれろれろれれろれろれろれろれろれろれろれろれろ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そう言うや否や、セリオは自分の目の前に浩之の顔を向かせると、どこで覚えたのかとびきり濃厚なディープキスを自分から
浩之にした。ご丁寧にも、浩之の両頬に自分の手を添え、舌を絡ませたり舐めたり吸ったりまでしている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぅ。浩之さん、いかがでしたか?」
「・・・・・・・・・・・・セ、セリオ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お前、何処でこんな技を覚えたんだ・・・・・・・・・・・・・・
いくら何でも上手すぎやしないか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「そうですか?浩之さんにされたキスを、私は参考にしたつもりなんですが・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「お、俺、いつもこんなキスしてたか?!」
セリオの言葉に、浩之はいささかショックを受けたようだった。と、そこへ、今まで浩之とセリオのキスシーンを眺めさせられていた
綾香が二人の間に割って入ってきた。
「ちょっとセリオ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、いくら何でもそれは反則じゃない?私はそこまでやっていいとは言わなかったけど?」
「自分からやってみたい事やうらやましい事って仰ったのは綾香さまじゃないですか〜〜〜〜〜〜 第一、綾香さまだって浩之さんに
自分からしてるじゃないですか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「わたしはあんたみたいにディープなのは自分からはした事ないわ!そんなに言うんだったら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・浩之!」
「え?どうした綾香・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、んんっ!」

ぶっちゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ 
れろれろれろれろれろれろれろれれろれろれろれろれろれろれろれろれろれろれろれろれろ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

綾香の声に浩之が振り向くと、いきなり綾香から、さっきのセリオに勝るとも劣らない濃厚なディープキスを浴びせられた。
セリオの時とは倍以上の時間が過ぎていく。
「・・・・・・・・・・・・・ふぅ。どう、浩之?セリオとどっちが上手だった?」
「綾香・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん、良過ぎて言葉もないって感じ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、きゃあっ!な、何するのよ浩之!」
綾香がいきなり悲鳴をあげた。見ると、浩之が綾香の着物の帯を解きにかかっていた。
「そっか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、綾香はそんなにしたかったんだ〜〜〜〜〜。だったら・・・・・・・・・・・・・・・・・こうだ!!」

くるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくる

「それそれそれそれ、よいではないかよいではないか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜れ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!(はぁと)」
綾香の抗議もお構いなしで帯をくるくるとほどいていく浩之。綾香も何だかんだ言っても結局はノってしまっているようだ。
そうこうするうちに帯は解かれ、綾香はすっかりあられもない姿になってしまった。
「さてと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・次はセリオだな。あれだけのキスをしてくれたんだから、こっちも
それなりのお返しをしてやらなきゃな♪」
「ひ、浩之さん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わ、私はけ、結構ですから・・・・・・・・・・・・・・・・きゃああっ!」

くるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくる

必死の嘆願も空しく、セリオの着物の帯までほどかれ始めてしまった。
「ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっ、よいではないかよいではないか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
すっかり帯を解かれ、肌もあらわになってしまったセリオ。もはやする事といえば一つしかなかった。
「浩之さ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!そ、そんな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!(泣)」
合掌


その後、姫始めとばかりに3人であんな事やこんな事で朝まで盛り上がってしまったという事である。
言っておくが、午後から次の日の朝まである。もっとも、食事や休憩を間に挟んではいるが。
おかげで、次の日は初詣に行くのがつらくてつらくてしょうがなかったらしい。
なお、着物の着付けについてだが、セリオのサテライトサービスのおかげで事なきを得たという事である。



了


あとがき
ども、たっきぃです。
今回の「セリオの話」はお正月が舞台です。もう今頃では正月も何もあったもんじゃないんですが(^_^;)

セリオに感情を与えるという事は、第1話を書いている時から決めていました。
時期的にお正月に重なるので、研究所からのお年玉はどうかな?と考えた次第です。
感情を持った彼女ですが、ボケや人間じみた行動という要素は一切持ってません(木亥火暴)
あくまでも、「どこにでもいる普通の女の子」という事を念頭に置いたつもりです。
そのわりには、いきなり不幸な目に遭わされているという気がしないでもないですが(^_^;)

セリオと綾香の着物については、はっきり言って資料ナシです(ヲイ)。
頭の中で生地の色を思い浮かべ、そこに合いそうな柄を乗っけたといった具合です。
柄はともかく、色は彼女達に似合う色を考えたつもりです(^_^;)

>反省
いつもだったら粗筋だの設定だのを細かく詰めてから書くのですが、今回はそれをやらなかったので
話がとっ散らかり気味になってしまったのが反省材料ですね。
いつもやってる事は、例え面倒でもやった方がいいという事でしょうか。
あとは・・・・・・・・・・・・・・・語彙が明らかに不足してますね。これまでと似たような表現を使ってしまって
いるのを何とかしたいです。

>今後
月イチペースを守って、じっくりと少しづつでいいから書いていきたいですね。
次は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱりバレンタインか?!(爆)


では、この辺で失礼します。


 ☆ コメント ☆ 綾香 :「やっぱり、お正月くらいは振り袖を着たいわよねぇ」(^^) セリオ:「はい。そうですね」(^^) 綾香 :「如何にも『日本のお正月』って感じがするし」(^^) セリオ:「まったくです」(^^) 綾香 :「それに、あたしの様なお淑やかな女性にはピッタリの服装だしね」(^0^) セリオ:「…………。      さて、このお話のわたしですが……」(−−) 綾香 :「そこ! 無視しない!」凸(ーーメ セリオ:「だって……『お淑やか』だなんて戯言を言うんですもん」(−o−) 綾香 :「戯言とまで言うか」( ̄▽ ̄; セリオ:「だってぇ〜」(;^_^A 綾香 :「まあ、確かにその通りだけどね。      えっと、それはさておき。      ……で? この話のセリオが何だって?」(^ ^; セリオ:「いえね。随分と大胆だなぁと思いまして。      あの様な濃厚なキスを自分からだなんて……わたしには真似出来ません」(*・・*) 綾香 :「そう?(似たような事はしてる気がするけどなぁ)」(^ ^; セリオ:「はい。何と言いましても、わたしは慎み深い大和撫子ですからね」(^0^) 綾香 :「あのねぇ。本当に慎み深い人はそういう事を言わないものよ」(^ ^; セリオ:「…………そうですか? 気のせいですよ」( ¨)オヨグメ 綾香 :「こらこら。      それに、そうじゃなくても、その手の言葉って自分で言うと信憑性が一気に薄れるわよ」(^ ^; セリオ:「それについては大丈夫です。      少なくとも、先程の綾香さんの『お淑やか』よりは説得力がありますから」(^▽^)v 綾香 :「やかまひい」(−−;



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