PERSIOM'SS

『繰り返される物語』




−やっと会えましたね−

暗闇の中、少女の声が辺りに響く

−ずっと、ずっと、待ってました−

「・・・久しぶりだな」

男は少女の声に応えた。

−もう会えないと思ってました−

少女は涙をこぼしながら言った。

彼女は待っていたのだ、再び会えるかどうかも分からない相手を。

ただひたすら、永遠に近い刻の中で。

−正直ずっとあなたを恨んでました−

−あなたのことを愛しさえしなければこんな苦しまなくても良かった−

−お姉様達と同じように使命を果たすだけでよかったんだから−

「・・・・・・すまないな、お前達には苦労をかけた」

−でもいいんです、こうしてまた会えたんだから−

−あなたに再び出会えたから−


彼女は男に抱きついた。男は黙ってそれを受け止める。

−私はあなたを愛しています−

「俺もお前を愛している」

その声は男が言ったようにも彼女の中の血が言ったようにも聞こえた。

−今度はずっと一緒にいてくれますか?−

「…………………………」

男は答えない。
いや、彼女も知っているのだ。
男が今から何処に行こうとしているか、そして何をしようとしているか。
分かっていても聞かないわけにはいかなかったのだ。

−……あなたは本当に彼女のことを愛していますのね−

「愛・・・か、そうかもしれないな」

男は自嘲的に笑う。
自分でも不思議なのだ、何故自分がヤツにここまでこだわるのか。

−彼女はもう二度倒れました−

−一度は騎士の少年に、もう一度は巨躯の旅人に−

「知っている。だが奴が死ぬことは無い。俺への執念がある限りはな」

−そう、彼女は待っています、夢を見ながら−

−あなたを殺すという夢を−

「そうだ。だから俺は奴と戦う。それが俺のここにいる理由だからだ」

−そして私達はその為の存在−

「・・・もしお前とは別の形で出会えていたらな」

男の言葉に少女は首を振って答えた。

−違いますよ、剣だからこそ出会えたんです−

「・・・・・・・・・・・・」

−剣だからこそあなたが必要とする限り出会うことができる−

−たとえどんなに時間がかかっても−

「・・・タナトス」

彼は愛する者の名をつぶやく。
そう、彼の愛した剣の名を。

−さあ行ってください。私はもう側にいることは出来ませんが−

「・・・・・・・・」

−でもあなたなら大丈夫。すばらしい『剣』がありますものね−

「・・・ああそうだ。今なら分かる、何故あいつ等と共に行動してたのかが」

−・・・・・・・・ラズウェル様・・・・・・−

「タナトス、俺はもうラズウェルではない。
俺の名はジャック・・・人は俺をそう呼ぶ」

そう言って男は少女を抱き寄せくちづける。
長き刻をすこしでも埋めるために・・・・






−愛しています、ラズウェル様。いくら時代が変わっても−






「……く……ック!ジャックってば!」
「ぬう!?」

ガバッ!
ジャックは勢い良く跳ね起きる。

「どうしたグラニタ、飯か!?」
「飯か!?、じゃないわよ。頼むからエレベーターで寝ないでくれる?」
「寝てなどおらん!?俺は星々のシンパサイズを我が拳(手羽先)で感じてただけだ
!?」
「はあ?あんた少しはあたしたちにわかるような言葉で言えないの?」
「フンッ!俺にできると思うのか!?」
「威張るな!」
「ねーちん、今更ジャックにそんなこと言ったって・・・」
「あんたは黙ってなペンネ。大体あんたは・・・」

次第に話はグラニタの愚痴話へと移る。

ジャックは静かに手を見る。その手に今は三剣はない。
だが自分にはグラニタトペンネ、そして己自身と言う『三剣』がある。


(・・・もうすぐだ!?もうすぐヤツと俺との因縁が交差する!?)

−そして私達はそれを手助けするもの−
−そう、それが私達−
−三剣の運命−

とこからかレテとプレゲトン、そして・・・・・・・・



『タナトス』の声が聞こえた気がした。










チーーーーーーーーーン












エレベーターが着く。そして・・・

















グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ
!!





『奴』の叫びが辺りに木霊する。

「ひーーーーー!、ね、ねーーちーーん」
「な、な、な、何なのよ、一体?」

突然の出来事に怯えるペンネとグラニタ。そして・・・

「クククク、ハハハハハハ、ハーーッ、ハッハッハ!!」

ジャックは笑っていた今この時を神に感謝して。
ゆっくりと対峙する二人、そして、

「ハデスよ!!俺は帰ってきた!!貴様との決着をつけるために!?」



END



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あとがき
どうも、まおんです。
自分はジャックが好きです。俺的男ランキング一位です、まぢで。
『狂』と言っても差し支えありません。それが今回形になりました。
ゲーム本編ではほとんど語られないタナトスとジャックの物語です。
ミラクル団編をやってないと訳わかんないかもしれません。
しかもかなり脚色いれてあります。ご容赦を。
でもいいですよね,ジャックは。あの見かけに寄らない強さ、謎の言動、
自分もああなりたいです(マテ)。
だからまたなんか書くかもしれません。シリアスじゃないけど。
その時も読んでくれたら幸いです。それでは。



 ☆ コメント ☆ 初音 :「ふん」(−−) 奏子 :「うわ。いきなり素っ気ないですね」(;^_^A 初音 :「生意気」(−−) 奏子 :「な、なにがですか?」(;^_^A 初音 :「鳥類のくせに」(−−) 奏子 :「はい?」(;^_^A 初音 :「鳥類のくせに、こんな話を書いてもらえるなんて生意気」(−−) 奏子 :「は、はあ」(;^_^A 初音 :「私の方が、能力値が高いのに……」(−−) 奏子 :「能力値?」(・・? 初音 :「クリティカル値だって、反撃値だって高いのに」(−−) 奏子 :「へ?」(・・? 初音 :「ジャックなんて、移動力しか能のない鳥のくせにーーーっ!」凸(ーーメ 奏子 :「い、いったい何の話ですか?」(;^_^A 初音 :「それなのに、この私を差し置いて……。      まったくもう。身の程知らずもいいとこだわ!」凸(ーーメ 奏子 :(もしかして、ジャックさんのことが羨ましいのでしょうか?)(;^_^A 初音 :「ぶつぶつぶつ」(ーーメ 奏子 :「……………………」(;^_^A



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