2000TYPE−MOON 『月姫』

「秋葉ちゃんの社会実習」
  その1 「デートのお誘い


 

「なぁ秋葉、来週の日曜日空いてるか?」
と、優雅に紅茶を飲んでいる妹の秋葉に聞く志貴

 

――遠野志貴
彼は数ヶ月前まで有間の家に預けてられていたが、実の父親である槙久が亡くなり
後継ぎである妹の秋葉が当主になった。
当主となった秋葉は、今まで毛嫌いをしていた親戚達を追い出し兄に戻って来るようにと、
催促が来た。
志貴にとって言われたから戻るのではなく、遠野の家に8年間も置き去りにした妹の負い目
を感じていた事や、双子の女の子のリボンの約束が遠野に戻る決意をした。

屋敷に帰ってから志貴は様々な体験をした。


アルクェイドやシエル先輩との出会い(シエルに至っては暗示をかけていたが)
遠野の血の秘密に苦しめられていた妹と双子
そしてネロやロア、秋葉の本当の兄である遠野シキ
志貴が養子であり、直視の魔眼の秘密

だが、志貴はその体験に全て打ち勝った
その事により、

アルクェイドは力を取り戻し
シエルは不死身の体から開放され
秋葉や翡翠、琥珀も志貴に助けられた

全て解決され、ハッピーエンドとなるはずだったが・・・

 

「ええ、兄さんと違って私は時間に余裕があるようにしていますから、
休みはゆっくりしています」
と不機嫌な声と表情で答える秋葉
なぜ不機嫌だというと理由は2つあり、その1つは・・・

「志貴――、妹に何かあるの?」

「遠野君、どうしたのですか突然」

と、本来はここにいない2人がいることである
なぜ2人がいるかというと、
朝のはよから寝ている志貴の部屋に押しかけて、シエルに止められケンカを開催する恒例のパターンにある

 


志貴本人だけは気づいていないがここにいる女の子全員が志貴に好意を寄せている
そのため、

  アルクェイドは志貴を自分の死徒にしようとしたり
  シエルは教会に入れさせパートナーにしようとしている
  だが、志貴は断っているので失敗の連続である

  翡翠は男性恐怖症が直りよく笑ったり、照れたりするようになり(ただし志貴限定)
  琥珀も作り笑顔ではなく、本当の笑顔を見せるようになった(やっぱり志貴限定)
  秋葉も表向きは変わらないが、彼女なりに素直になるようになった

彼女達なりのアタックでも鈍感な志貴に至っては、
「明るくなってよかったなぁ」の一言である
この為に志貴をめぐってバトルが繰り返されていた

 

「そうですよ、兄さん。
今まで学校が終わると何処かに行き、休みの日まで出ている兄さんが、
私の予定を聞いてどうするのですか? 」

そう、これが秋葉を最大に不機嫌にしている理由である
秋葉には何をしているかは知らされていなく、
しかも、琥珀と翡翠には知らせているからである
秋葉の心境を本人に語らせば
「なぜ、私ではなく使用人の2人に教えるのよ!こんちくしょう」
と、アノ日なみに不機嫌が続いていた。


「あらー、秋葉様。そんな言い方じゃ志貴さん、可愛そうですよ」

笑顔100%の琥珀が注意し、翡翠も心なしか秋葉を睨んでいる

「琥珀さん、別にいいですよ」

と、ニコッと笑う志貴に全員が赤くなった

「そ、そ、そうですね。べ、べ、別に予定はありませんが」

と照れをごまかす為に答えたが、バレバレである
だが、その事にも気づかない志貴は気にせずに爆弾発言した

「じゃ、今度の日曜デートしよう」

ぴしっ!!

その言葉に固まった2人(アルクエィド&シエル)
意地悪そうな顔で秋葉を見ている2人(翡翠&琥珀)
言われた本人は今の状況を整理していた

(兄さんが私をデートに誘ってるの?
 それじゃ、ここに居る人達より私が好きなのね!
 そしてそのまま惹かれあう2人は、そのまま愛し合いベットの上で・・・ )

と、何時の間にか秋葉の頭の奥底にある「志貴と秋葉の幸せ家族計画」
に飛んでいってしまっていた。

「どうか・・・」

「志貴―――!! どういう事!!」

「遠野君!! 一体どうしたのですか!!」

志貴の言葉を遮って多少興奮状態(目が金色になったり、どこからともなく黒鍵がでてきたり)に
なりながら食って掛かる2人

「へ、何が」

頭の上に?マークがでている志貴に抗議する

「私も志貴とデートしたいー!」

「黙りなさい、のーたりんあーぱー吸血鬼!
 問題は遠野君がデートに誘う事です!」

鈍感で朴念仁である志貴がいきなりデートに誘うのだ
驚きもするだろう

「兄さん、どうして私をデートに誘ってくれたのですか?」

まだ、妄想の余韻が残っている秋葉が志貴に尋ねた
秋葉本人はここで
「 私が兄さんにとって特別なのよ。残念でしたね、おほほほ」
だと、この2人に知らしつけたかったが、
やはりここは鈍感な志貴
秋葉が望む答えではなかった

「ああ、お前が前にうちの学校に転校して来た時に、
世間一般の常識を知らなすぎた事を琥珀さんに相談したんだよ」

「そうなんですよ。それならデートに誘ってみたらどうですか?って、
提案したんですよ。それなら楽しめるし、勉強になりますし一石二鳥じゃないですかー」

志貴の言葉の続きをにこにこと笑顔で種明かしを話す琥珀

「本当はすぐにも誘いたかったんだけど、お金がなかったからなぁ」

「遠野君、無駄使いはいけませんよ」

苦笑しながら話す志貴に柔らかく注意するシエル
この辺が面倒見の良い先輩らしい

「違うんですよ、シエル先輩。
俺、遠野の家に来てからお金を貰ってないんですよ」

「そうなんですか、それじゃ仕方がないですね・・・・・・・・・
って、ええええぇぇぇぇぇぇ―――――――!!」

あまりにもの答えに再び驚くシエル

「それじゃ、今までどうしていたのですか?」

「食事代は貰っていたんだけど、それ以外にいる物は言ってくれれば用意する秋葉と言われてたんですよ」

いくら兄とはいえ遠野の家は秋葉のものである
秋葉がお金を渡すなと言われれば翡翠も琥珀も渡す訳には行かない

「では、1ヶ月帰りが遅かったり、日曜に出掛けていたのは・・・」

「実はお前に内緒でバイトをしてたんだよ。
もし、言えば止められるのは分ってたからな。
だから、翡翠と琥珀さんには言って口止めしてもらったんだよ」

今までの事を話していく志貴
その顔には照れがあった

「ですが、志貴様。
もうこんな事はお止めください。毎日働いて疲れていらっしゃるのに、
秋葉様に気づかれないようにするには大変だったの一言ではすみません。
ただでさえ、志貴様はお体が弱いのですから」

誰よりも志貴の身を案じている翡翠は、心配そうな顔で抗議する

「うん、ごめん。心配かけて」

その気持ちがうれしい志貴は素直に謝った

「で、秋葉。どうかな?」

と、再度聞く志貴に秋葉は黙っていた
それは、拒否の意味ではなく志貴の行動に感動に言葉がでなかったのだ
いくら理由が思っていたものと違っても、自分が愛する人が自分の為にここまでしてくれいたのだ
感謝すると同時に愛しさがこみ上げてきた

「? どうした秋葉? 行きたくないかな?」

秋葉の無言を拒否の意味と思い不安な気持ちで訊ねた
すると秋葉は首をブンブンと横に振り、立ち上がって志貴に抱きついた

「「「「あああぁぁぁぁぁ―――――――!!!」」」」

4人の悲鳴が響く中、秋葉にとって珍しい笑顔で

「行きます! 有難う御座います、兄さん!!」

 

 

 

「続いちゃいますー」

 


 

あとがき

どうも、はじめましてsiroです。
今回が初SS、発投稿です。
何分初めてだったので苦労しました。
本当は前後編になる予定でしたが、書いている内に延びていっちゃいました。
これから頑張りますので応援してください。
そしてHiroさん、遅くなりましたが50万ヒットおめでとう御座います。




 ☆ コメント ☆

秋葉 :「わ、私と兄さんがデート。ああっ、なんて良いお話なのかしら」(*^^*)

琥珀 :「あは。良かったですね秋葉さま」(^^)

翡翠 :「…………(むすー)」(−−)

アルク:「…………(むかむか)」(ーーメ

シエル:「…………(むかむか)」(ーーメ

秋葉 :「兄さんとデート。あーんなことやこーんなことをして。
     そして、そして、愛する二人は……。うふ、うふふ、うふふふふ」(*^^*)

琥珀 :「あらあら。トリップしちゃってますねー」(^^)

翡翠 :「…………(むすーーー)」(−−メ

アルク:「…………(むかむかむかむか)」(ーーメ

シエル:「…………(むかむかむかむか)」(ーーメ

秋葉 :「私の人生バラ色だわーっ。ぶい」(*^^*)v

琥珀 :「秋葉さまったら浮かれまくってますねー。
     ……そんなに上手くいくはずないのに。……くすっ」( ̄ー ̄)ニヤリ

翡翠 :「…………(むすむすむすーーー)」(−−メ

アルク:「…………(むかむかむかむかむかむか)」(ーーメ

シエル:「…………(むかむかむかむかむかむか)」(ーーメ




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