2000TYPE−MOON 『月姫』

「秋葉ちゃんの社会実習」
  その4 「トラブルデート・前哨戦


 

どこにでもある交番の中に志貴と秋葉がいた
少し前に警官に声を掛けられたのだ
休みの日に制服を着ている秋葉を不審に思ったらしい
志貴は2人は兄妹と言い、お出かけだと言ったのだが、
「なぜ妹が制服を着ているのか?」
と言われると答えようがなかった
素直に「制服を持っていない」とは秋葉が困るだろうと思って言えないし
この場をごまかす為の嘘も思いつかなかった
身分証明書を持って来なかった事にもかなり後悔していた
秋葉はせっかくのデートを出だしからのトラブルで
目の前にいる警官に文句の1つも言いたかったが、
志貴がいるために下を向き必死にこみ上げてくる怒りを何とか抑えていた
この2人の様子に警官は
『必死にこの場をごまかそうとする男と怖がっている女の子』
と思ったのだ(志貴は当たりだが秋葉は逆)
その為に取り合えず交番に補導したのだ

 

 

「どうしたものかな・・・」

志貴はこの状況に大変困っていた
うまい言い訳もなく秋葉は怒りを抑えているのは分っている(風もないのに髪が少し浮いている)
警官は秋葉の怒りに気付かず2人の前に座ってこちらも困った顔をしている
当然このままでは平行線を辿るばかりである
そんな3人を外の電信柱の影に隠れているようだが、
大きなリボンがはみ出ているのに気付かない1人の女の子が成り行きを見守っていた
レンである

 


(・・・・・・アルクェイドさま。 あの女性の横に座っている男性が志貴と言う方ですか?)

(そうよ)

この2人はどれだけ離れていても頭の中で会話ができるのである
その為、琥珀の指揮もアルクェイドを通してレンに伝える事が可能なのだ
さすが、真祖とその使い魔であり良い主従関係である
だが・・・

(・・・・・・・・・・・・)

(レン? どうしたの?)

(・・・・・・・・・・・・)

(レン!? 返事をしなさい!!)

(・・・・・・・・・・・・)

(レン!!)

何度も呼びかけても返事を返さないレンにアルクェイドは不審に思っていたが、
レンがようやく出した言葉はアルクェイドの予想以上だった

(・・・・・・・・・・・・志貴さま)

(!?)

レンが志貴の名を出たのだ
しかもアルクェイドも初めて聞く甘い声で『さま』付けで

(ちょっと、レン!!)

(・・・・・・・・・・・・しきさま)

(レン!!!)

(・・・・・・・・・・・・しきさまぁ(はーと))

「レ――――――――ン!!!」

思わず声に出てしまったようだ
その大声でまともに受けたのが隣にいるシエルである
その他にも被害を受けた各人が耳を押さえている

「ど、どうしましたか? アルクェイドさま?」

「ち、ちょっと待ってね」

翡翠が非難の声にも目もくれずレンに食って掛かるアルクェイド

(レン・・・)

(・・・何ですか?)

ようやく返事がきたがかなり不機嫌な声である

(あなた、自分が何をするか分っているわね?)

(はい。 志貴さまと隣にいる女性の尾行です)

(分ってはいるようね)

(はい)

2人の会話が続くが今だにレンは不機嫌な声を出している
アルクェイドはレンのそんな声も聞いたのが初めてだ
レンの不機嫌な声は多少は聞いた事はあるが、
ここまで露骨に聞いたのは始めてのようだ
アルクェイドも負けずに不機嫌な声を出したままの会話である

(それじゃ、聞くけど志貴に『さま』付けは何なのかしら?
今まで私以外には付けなかったけど?)

(それは志貴さまを私の主と認めたからです)

(な、なんなのよそれ! 貴方、もしかして・・・)

(はい?)

(志貴に惚れちゃったとか?)

(・・・・・・はい)

ずっぱりと言ったレン
逆にアルクエィドは少しキレてしまった

(だめよ!! だめだからね!!
ここにいる皆にも言ったけど志貴は私のモノだからね!!)

(それは志貴さま本人がお決めになる事です)

(じゃあ、貴方の主として言うわ!
志貴を諦めなさい!)

(嫌です)

長年の主従関係あっさり崩壊

(ちょっと! そんなあっさり・・・)

(私は長年生きていましたが、こんな気持ちは初めてです。
この気持ちが何かというのも分っているつもりです)

(・・・・・・・・)

そう言われたらアルクエィドは何にも言えなかった
それはアルクエィド自身も同じだったからだ

(・・・何があっても志貴を諦めないつもりね?)

(はい)

(いいわ。 それじゃ、貴方の好きにしなさい)

(よろしいのですか?)

(ええ、そこまで言うなら何を言っても無駄だからね。
だからって志貴を渡すつもりはないわよ)

(望むところです)

(なら後で私が知ってる志貴の事を教えてあげるわ。
そのままじゃ、フェアにならないからね)

(お願いします)

主従関係から1人の男性を手に入れるライバルとなった2人
それはレンがアルクエィド・シエル・翡翠・琥珀・晶・さっちんと同等の立場になった証明である
長年お互いを知っている2人だからアルクエィドVSシエルの様にはならない・・・

(とりあえず『私の』志貴をしっかり頼むわね)

(はい、おまかせください。
アルクエィドさまのではなく『私の』志貴さまをあの女性からお守りします)

(・・・・・・(怒))

(・・・・・・(怒))

事はないようだ
2人が目の前にいたら火花が散るような様子で会話終了

 

「ふぅ」

レンとの会話が終わったアルクエィドがため息をついた
思いのほか疲れていたので飲み物を口にしようとしたら、
やっと右手に握っている物の現状を知る
代わりのコップにお茶を入れようとした所でシエルが声を掛けた

「アルクエィド。 使い魔とのお話は終わった様ですね」

「ええ。 とりあえず、志貴を見張るのに気合は入った様よ」

飲み物を口にしながら答えるアルクエィド

「でも、アルクエィドさま。 
レンちゃん、前と様子が変わったような気がしますねー。
それにどことなく女性の顔をして志貴さんを見ているようですけど?」

琥珀がアルクエィドに質問を続けた
志貴に仕込んである隠しカメラで少し遠いがレンが映っている
アルクエィドが会話する前と終わった後では顔の表情や様子が微妙に違うのを見抜いていた

「・・・・・・」

先程の会話を思い出してアルクエィドは思わず黙ってしまった

「? どうかしましたか?」

「い、いいえ何でもないわ。 相変わらず鋭いわね、貴方」

「うふふ。 それが私の取り柄ですからー」

笑顔で言う琥珀に晶以外の全員が「嘘付き」と思った
声に出すと笑顔で何をされるか分らないから黙っていた方が懸命である

「簡単に言うと、レンが志貴に惚れちゃったのよ」

「「「えっ!!?」」」

「あはー。やっぱりそうでしたかー」

完全に不意打ちの一言にフリーズした3人
琥珀は薄々気付いていたのでフリ−ズにはならなかったが、
セリフが感情のない棒読みだった

「まさか、あの子まで志貴に惚れちゃうなんてねぇ」

「ちょっと、アルクエィド!! 貴方はそれでいいんですか!?」

しみじみと言うアルクエィドにシエルが大激怒

「だってぇ、仕方がないじゃない。
今まで私の言葉に逆らわなかったのに、全く聞かないんだもの」

「う、それは・・・」

シエルも使い魔というのはよく分っている
使い魔は主に対して絶対服従している
その主の言葉を無視したレンをアルクエィドは認めたのだ
今更誰かが言っても止める事は出来ない

「はぁ・・・。 主が主なら使い魔も使い魔ですね。
常識をことごとく打ち破っていくのですから」

「ぶうー。 さり気なく文句を言ったわね、シエル」

「文句の1つも言いたくなります。全く貴方達は・・・」

シエルはレンを紹介されたときに狩っておけばよかったと少し後悔
その時フリーズから再起動した翡翠がテレビを見て琥珀に知らせた

「姉さん、志貴さまに動きがありました」

「そうですか。 ここが作戦の1つに入るかどうかですね」

「? 姉さん、作戦って何?」

「見ていたら分りますよー」

姉妹が会話をしている時にアルクエィドもレンからの連絡を受けた

(アルクエィドさま、志貴さまが動きました)

(わかったわ)

シエルとの口喧嘩をやめてテレビを見た

 

 

「とりあえず2人が兄妹と証明してくれる人はいないのか?」

警官はこのまま現状維持では先に進まないので解決策をだした
ちなみに警官は男を『志貴』と女の子を『秋葉』というのは2人の会話でわかっていた
本来は名字も聞かなくてはならないのだが同じ名字を出されても意味がないので聞いていなかった

「そうですね。でも両親が亡くなっているのでお世話になった人でもいいですか?」

「ああ。ようは2人の身分を証明してくれたらこちらは納得できる」

志貴の言葉に2つ返事を返す警官

「では、電話を借りたいのですが・・・」

「そこの机の上にある電話を使って結構だよ」

「ありがとうございます」

秋葉は怒りを抑えるのを堪えていたが志貴が電話を使おうとした時に質問した

「兄さん、琥珀に連絡するのですか?」

そう、もしここで琥珀に電話をして向かいに来られたらデートが終わってしまうような気がしたのだ
デートを続行しても志貴は向かいに来てもらった琥珀を放っておくような事はしないだろう
そのまま琥珀と一緒になる可能性が高い
これが琥珀の『秋葉さま、そう上手くはいかせませんよ』計画
その3『デートは私達(翡翠&琥珀)も一緒ですよー』作戦である
しかし志貴は軽くこの作戦を回避した

「違うよ。いくら琥珀さんでも同年代の人に来てもらっても証明にはならないからな」

「では、誰をお呼びするのですか?」

「まぁ、いずれは秋葉にも紹介したかったからな。
丁度良いとは言わないけど」

秋葉の質問に答えたら、そのまま電話を掛けて繋がるのを待っている
待つこと10秒後に繋がったようだ

「どうも、お久しぶりです。 おばさん」

「・・・はい・・・、実は・・・」

説明中

「そういう訳で迎えに来て欲しいのですが・・・、・・・、はい、ありがとうございます」

「・・・、今、交番に居ますので・・・、・・・無理を言ってすみません。」

「・・・では待ってます。」

電話が終わった志貴は警官に向かって説明をした

「後、5分ぐらいで来てくれるそうです」

「そうか。それまでくつろいでいてくれ」

「はい」

志貴が安堵したので秋葉も怒りが収まったようだ
琥珀に連絡しなかった所にも安心していた

「一体誰に連絡をしたのですか、兄さん?」

「それは・・・」

志貴が答えようとしたがそれを遮る大騒音なエンジン音がこだました

ブオォォォォォオオオオ・・・・・・・

「な、何!? 何なの!?」

秋葉がパニクッている中、志貴は頭を振り溜息を1つ

キキキキキキキキ!!

バタン!!

車は交番の前で停止した
車の中から出てきたのは30代前半ぐらいの落ち着いた女性
先程からの騒音はこの女性が運転していた車のようだ

「志貴、迎えに来たわよ」

「どうも、お久しぶりです。 おばさん」

そう、この女性が8年間、遠野家から志貴を預かっていた有馬啓子だ

「ふふ、相変わらずの様ね。 遠野家に行ってから心配してましたが、
どうやら杞憂に終わった様ね。 一安心だわ」

「おばさんも相変わらずですね。 ここまで5分ぐらい掛かるのに直ぐに来てくれた所が特に」

「ええ、昔から志貴が学校を早退するときには迎えに行ったものね」

「そうですね。 あの頃から速かったですね」

「懐かしいわ・・・」

眼が点になって呆然としている2人(秋葉&警官)を無視して昔の話をしている志貴と啓子
さらに言うと車が止まったので電信柱の横に居るレンが交番の中を見えなくなってしまった
身長も低い為全く見えないのだ
ここで力を解放するわけにはいかないし、これ以上近づくと気付かれる恐れがある
その為、必死にジャンプを繰り返していた・・・

「に、兄さん・・・」

「あ、ごめん。 つい懐かしくてさ。では、おばさんお願いします」

ようやく立ち直った秋葉が志貴に声を掛けると、
志貴は啓子に証言を頼んだ

「いいですよ。 でもその前にどこまで説明したのですが?」

「ええっと、2人が兄妹という事と名前ぐらいですね」

「それじゃ、何も説明してないと一緒ですよ。
名字も言ってないのですか?」

「はい・・・」

「そうですか・・・」

志貴は改めて状況を理解すると、せめて名字ぐらいは説明してもよかったなと後悔した
啓子はどこか意地悪そうな顔になり秋葉を方を向いた

「貴方が、志貴の妹の秋葉さんですね」

「は、はい、そうです」

いきなり声を掛けられ驚いた秋葉だったが、
啓子は気にした様子もなく先を続けた

「では、秋葉さん。 名字からちゃんとした自己紹介をこの方にしてください」

「は、はい・・・」

啓子に言われ警官に自己紹介をする秋葉だったが、
この警官にとってそれは爆弾投下だった

「遠野家の当主、遠野秋葉です」

「えっ?」

警官は今の言葉が理解できなかった
いや、頭が理解するのを拒否したのだ

「と、遠野・・・というと、高級住宅地に屋敷がある・・・」

「それは私の自宅ですが」

かすれた声で再確認をすると志貴の方を向き

「では、君は・・・」

「ほら、志貴。 自己紹介」

「ああ、秋葉の兄の遠野志貴です」

「ひっ!!」

志貴の自己紹介に完全な悲鳴を上げた
志貴本人は知らないが、
大勢の美女美少女に言い寄られている志貴の噂は有名なのだ
噂の原因となったのは校門前のアルクエィドとシエルのケンカ
その会話の中で秋葉やメイドの2人の事が出てきたのも原因の1つ
噂というのは広まるのは早いが、
実際の人物を知っているのは志貴が通っている学校の生徒や先生ぐらいだ
直接関わらない大人達は噂程度しか知らないものだ
しかし、噂はもう1つあり志貴に文句を言ったり暴力を振るうと
次の日には必ずといっていいほど痛い目に合っている
魂が抜けたような呆然状態になったり、壁に剣(黒鍵)で貼り付けになったりと色々と・・・
その為今は志貴に手を出そうとする者はいなくなった
その志貴を犯罪者呼ばわりして交番に連れてきたのだ
しかも、遠野の当主と一緒にである

「どうですか? 納得していただけましたか?」

「はい! それはもう!!」

啓子の確認に首をガクガクと縦に振り答えた

「では、兄さんどうしましょう?」

秋葉は疑いが完全に晴れた事で志貴に予定を聞いたが、
啓子が提案を出した

「それなら、少しでいいから私の家に来ない?
せっかく秋葉さんにも会えたのに・・・」

「どうしようか? 秋葉?」

「そうですね・・・。 よろしいですよ」

啓子の提案に秋葉は承諾した
本音を言えば早くデートをしたかったが、せっかく兄がお世話になった人と会えたのだ
それくらいは我慢しなくてはいけないと自分に納得させた

「では、車に乗ってください」

「乗るのは構いませんがスピードをださいないでくださいね?」

「わかってるわよ」

車に乗りながら啓子に釘をさしておく志貴
車の中から志貴が警官にお詫びを言った

「面倒な事になってすみませんでした」

「いいえ! 滅相もない!!」

それが済むと普通の速度で去っていく車を見送った警官が思う事は1つ・・・

「俺、明日生きてるかな・・・」

 

 

有馬の家に着いた3人はラウンジでお茶を飲んでいた

「そういえば、都古は?」

「あの子は友達と遊びに行ったわ。
残念ね、あの子も志貴に会いたかったのに」

「これから、暇が出来たら遊びに来ますよ」

「ええ、お願いするわ」

「兄さん、都古さんとは?」

秋葉は有馬の家の事は何も知らなかったので、
会話に入れなかったが志貴が会いたがっている人物の説明を求めた
志貴と都古という人物の関係が知りたかったのだ

「おばさんの娘で、俺にとって妹だよ」

「あの子はまだ小学生だから、秋葉さんが心配するような関係ではありませんよ」

啓子にあっさりとばれたが、相変わらずの志貴は頭の上に?マークが浮かんでいる

「貴方も遠慮する事はないのよ。 
私や夫は志貴を実の息子のように思っているんだから。
秋葉さんも娘と思ってますから」

「・・・ありがとうございます」

秋葉は正直大人達に良い印象がなかった
知っている大人達は親戚達と使用人達だけだった
親戚達は前回通りで使用人達も翡翠と琥珀を除けば、
全員深く関わらなかったのだ
しかし人を見る眼がある秋葉でも、この人なら信じても良いと判断した
次に来るときには翡翠と琥珀も連れて来てもらおうと自分の中で呟いた

「でも、秋葉さんが制服を着ていただけで警官に捕まるなんて・・・。
よっぽど志貴が怪しかったのね、ふふ」

「改めてあの状況を思い出すと、自分でも怪しかったと思います」

「相変わらず嘘を付くのが下手で不器用なのね」

「はは・・・」

「兄さん、笑い事ではありません」

志貴が苦笑すると秋葉が非難の声を出しながら言った
もう少し要領がよかったら補導される事はなかったのだ
それが志貴といってしまえばそれまでなのだが、
もう少し考えてほしいものだと秋葉は前から思っている

「それでは、変わりの服を貸しましょうか?」

「「えっ?」」

啓子の提案に間抜けな声を出した志貴と秋葉

「その格好のままでは、確か不自然ですから。
制服は預かっておきますから帰りに取りに来て下さい」

「け、啓子さん。 お気持ちは嬉しいのですが・・・」

「遠慮する事はないのよ。
言ったでしょ、貴方は私にとって娘同然ですから」

「・・・」

遠慮する秋葉だったが啓子は好意で言ってくれているのがわかった
1度も大人に甘えた事はなかったが、『娘同然』と言われて感動した
少し泣きそうになったが、堪えて志貴を見ると優しい眼で見てくれていた

「どうかしら?」

「・・・お願いします」

秋葉は素直にこの案を受けた
これは秋葉が啓子を親の様に思い始めた瞬間だった

「それでは、ちょっと待ってね。 準備をしてくるから」

啓子も嬉しそうな顔をしてラウンジから出て行った
頭の中は秋葉に何を着せたら似合うかシュミレーションをしていた

「いい人だろ、おばさんは」

「はい!」

こんな素敵な人に会わせてくれた志貴に感謝した
警官に補導された嫌な気持ちがなくなり、嬉しさがこみ上げてきた
その後、秋葉のちょっとしたファッションショーが始まり、
有馬家を出たのが1時間後である
ちなみにレンは猫の姿になり窓から志貴に見惚れていた

「にゃ〜〜ん(しきさまぁ〜〜)」

 

 

「続くわ」

 

(おまけ)


2人が出て行った後、啓子は秋葉の制服をハンガーに掛けようとすると、
隠しカメラがあることに気が付いた
一瞬、嫌な考えが浮かんだが、志貴の噂を思い出した
隠しカメラを取り出し向かって一言

「貴方達も頑張らないと、志貴を取られるわよ。」

言いたい事を言うとカメラをテーブルの上に置き、お茶を飲み始めた
それを聞いた(見た?)5人は

「志貴は私のモノよ―――!」

「遠野君は誰にも渡しません!!」

「志貴さまは私がお守りします」

「あはー。 啓子さんも勘がいいですねー」

「し、志貴さんはその・・・私の・・・」

 

「ふふ」


 

あとがき

どうも、siroです。
だんだんSSの更新が遅れてきました。
前回のあとがきに言った事が守れませんでした。
しかし、今度こそ本当にデートの話です!
やっと本題になったような・・・
やっと出ました有馬家の人々(笑)
今回は有馬啓子が登場しました。
都古はデート中に出会う予定です。
後1話か2話で終わります。
もう少しお付き合いください。
では次回で。


 ☆ コメント ☆ アルク:「うむむ。レンまでもが志貴に……」(−−; シエル:「どうするんですか!? ただでさえライバルが多いっていうのに!!」凸(ーーメ アルク:「あ、あはは。どうしよう」( ̄▽ ̄; シエル:「あはは、じゃありません! なんとかして下さい。      あなた、あの娘の主でしょうが!」凸(ーーメ アルク:「それは……そうなんだけどさぁ」( ̄▽ ̄; シエル:「さあ! 武力行使でも何でもいいですから一刻も早く!」凸(ーーメ アルク:「でも〜」( ̄▽ ̄; シエル:「なにをしり込みしてるんですか!? どうして、使い魔相手にそこまで遠慮するんです?」 アルク:「……別に……深い意味はないけど……」( ̄▽ ̄; シエル:「あなた……。まさか、あの娘に何か弱みでも握られているんじゃ……」(¬_¬) アルク:「っ! や、や、や、やーねー。そ、そ、そ、そんなことあるわけないじゃない。      あ、あはは、あははははははは」( ̄▽ ̄;;; シエル:「…………はぁ。まったく、こーのダメ主は」(−−; アルク:「…………」( ̄▽ ̄;
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