「私立了承学園番外編」
それゆけ あきこちゃん

Write by 聖悠紀


第一話 秋子さんがあきこちゃん?




うららかな春の休日、俺は何もすることがなくリビングのソファーでボーっとテレビを眺めていたが、

「暇だなぁ・・・」

そう、非常に暇なのだ、
理由は簡単、みんなそれぞれの用事で、家を空けているのため
ちなみに、
名雪は陸上部の練習で学校に
香里と栞は姉妹で公園に
佐祐理さんと舞は商店街へショッピングに
あゆはマルチと遊びに
美汐と真琴は学校に用があるといって出かけている
っとつまり、今この家にいるのは俺だけなのだ。

「それにしても暇だ・・・これなら、誰かの用事に付き合えばよかったなぁ・・・」

 ――ガチャ

「ん? 誰か帰ってきたのか」

暇をもてあましいいかげん出かけようとしていた時、誰か帰ってきたようだ。
しかし、まだ午前10時・・・だれが帰ってくるにしても早すぎる。

そして、しばらくして、リビングの扉が開いた

「もう帰ってきたのか・・・って秋子さん」
「おはようございます。祐一さん」

扉の前に立っていたのは秋子さんだった

「どうしたんですか?」
「えぇ、ちょっと祐一さんにお願いがあって、引き受けていただけますか?」
「秋子さんのお願いでしたら、何でも引き受けますよ。」
「ありがとうございます」

そうお礼を言うと、秋子さんはニッコリと微笑んだ。
く〜〜〜、可愛いよなぁ秋子さん、これで高校生の娘がいるなんて信じられない

「祐一さん?」
「え? ああ、なんでもないです。」

い、いかん、つい見とれてしまった。
この場に名雪たちがいなくてよかったぜ、いたら俺の財布が軽くところだった。

「うふふ、祐一さん、名雪たちには黙ってて上げますから安心してくださいね。」
「・・・・・・・・」(汗)




という訳で、俺と秋子さんは家を出て商店街までやってきた。
そう言えば、まだ何をすればいいか聞いてなかったな

「あの、秋子さん、俺は何をすればいいんです?」
「あら、まだ話していませんでしたね」
「ええ」
「そんな大変なことじゃありません、今日一日、このまま私に付き合ってくださればいいのですから」
「あぁ、そんなことですか、秋子さんならいつでも好きなだけ付き合いますよ。」
「あら、嬉しいですけど、名雪たちの前でそういうことは言わない方がいいですよ。」

しまった!
こんなこと聞かれていたら、ただじゃすまない・・・
俺は名雪たちがいないかあたりを確認した。

・・・見知った顔は誰もいないらしい
よかった、どうやらまだ死なずにすんだ。

「大丈夫ですよ。名雪たちには絶対見つかりませんから」

俺の心を見透かしたように秋子さんが話すが
どうして俺の心が読めるんだろう

「それは、企業秘密です。」
「え?」

まただ・・・
・・・今、何となく浩之の気持ちが理解できた気がする。
あいつも苦労しているんだなぁ・・・

「あ、ここです。祐一さん」

どうやら、考え事をしているうちに、目的地に到着したようだ
しかしここは・・・

「・・・写真屋ですか?」
「はい」

そう、着いた場所は写真屋だった
はて? ここ最近、家に溜め込んでいる、現像待ちのフィルムはないはず、
それに、最近撮った写真は全てデジカメだし
だとしたら、ここに一体何の用があるんだろう?

疑問に思いながらも、秋子さんに続いて店の中に入る

「いらっしゃいませ あ、秋子さん」
「こんにちは、お願いしていたもの入っています?」
「はい、ばっちり」

店員さんは奥からなにやら持ってきたようだが・・・
これはアルバム?
しかも、30冊以上はあるぞ

「秋子さんこれは?」
「アルバムですよ」
「いや・・・何故こんなにアルバムが必要なんです?」
「今度の授業で使うんですよ」
「授業?」

アルバムを使った授業って一体何をやるんだ?
しかも、ここの授業は・・・ぐっ、お、思い出しただけで鼻が・・・

「あらあら、若いですね祐一さん」
「はっ、あ、秋子さん、え、え〜〜となんというかその・・・」
「うふふ、名雪たちも幸せですね。」
「は、はぁ・・・」

うぅ・・・また、心を読まれてしまった、
しかもあんな事を、想像している時に・・・
穴があったら入りたい・・・

「祐一さん、いつまでもいじけていないで、これ家まで運んでもらえますか?」
「え、あ、このアルバムをですか?」
「はい、私じゃ全部もてませんもの」
「まさか、全部?」
「あら、全部持ってくれるんですか?」
「あ・秋子さんのためならそのぐらい・・・」
「あらあら、嬉しい言葉ですけど、名雪たち以外に言っちゃだめですよ、もちろん私にも」
「は、はい」
「さぁ帰りましょう、私も少し持ちますから、祐一さんも頑張ってください」
「はい! 任せてください」




うぐぅ、任せてください、とは言ったもの・・・
やっぱアルバム二十数冊は重い・・・

「祐一さん、大丈夫ですか?」
「は、はい、なんとか」
「少し休みます?」
「いえ、大丈夫です。行きましょう」

っと強がってみたものの、結構辛い・・・

ん? なんだ、前を行く秋子さんの足元がなんか揺らいでる
しかも、だんだん色がなくなってきて・・・あっ

「秋子さん、危ない!!」
「え? きゃ〜〜〜〜〜〜〜」

 ――がしっ

急に出来た穴に落ちていく秋子さんを、ギリギリのところで捕まえることは出来たが
まだ安心は出来ない、さっきまで空いていた穴が徐々に狭まっている。
このままだと最悪の事態が起こる可能性が・・・

「あ・秋子さん、大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
「よかった、今すぐ引き上げますから」
「お願いします」

よし、いくぞ〜〜〜!!
って、あれ、妙に軽い・・・あ、あぶな

 ――ごすっ!

「あてててて・・・・」

どうやら、頭同士を思いっきり痛打したらしい、
何となく、星が頭の中を飛んでいる感じがする。

「あ〜〜〜痛かった。たんこぶ出来てなきゃいいけど・・・・
 って・それより秋子さんは無事か?」

秋子さんはまだ俺の上で気を失っているみたいだけど
しかし、こんなに体が密着していると、秋子さんの柔らかい体の感触、
なんともいえないいい香り、そして胸の柔らかなふくらみが直に感じられて・・・
っと、いかんいかん秋子さんの様子を確かめなくっちゃ

「秋子さん? 秋子さん!」

秋子さんの体をそっとどけて、声をかけるが反応が無い・・・
ま、まさか!

「ほっ、ちゃんと息はしているみたいだ・・・」

呼吸確認OK、外傷はおでこが少し赤くなっている以外特に無さそうだが、
だったら、何故目を覚まさないんだ。

「秋子さん、目を覚ましてください。秋子さん」

 ――ぱちっ

よ、よかった、目を覚ましてくれた。
「秋子さん、大丈夫ですか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「秋子さん?」
「お兄ちゃんだれ?」
「へ?」
「あきこ、お兄ちゃんなんか知らないよ」

・・・・・嘘だろ、一体何がどうしたんだ?


<つづく>
<あとがき>
無謀にも、連載物に手をつけてしまいました・・・
でも書きたかったんだよ〜〜〜、大人の体に子供の精神の秋子さん(^^;
はたして、どこまで上手くかけるかわからないけど、
頑張って書き上げますので、長い目で見守っていてくださいm(_ _)m

もっとも、やりたいことやったらとっとと終了させます
てか、早めに終了させないと、私の力では収集のつかないことになるから(^^;

それでは・・・今後のあきこちゃんの行動に注目してください


う〜〜〜ん、やっぱ妻たちの前でいちゃいちゃはデフォかな(笑)


 ☆ コメント ☆ 綾香 :「お、おやや?」(@@; セリオ:「あ、あれれ?」(@@; 綾香 :「あ、秋子さんが何やら大変なことに!?」(@@; セリオ:「こ、これは騒動の予感がします」(@@; 綾香 :「ただでさえ外見が若々しい秋子さんなのに、精神までもが若くなっちゃうなんて」(^ ^; セリオ:「若く……というか、幼くなってるみたいですけどね」(;^_^A 綾香 :「幼い子って、一回心を許した相手には容赦なくベタベタするからねぇ。      祐一も苦労しそうだわ」(^ ^; セリオ:「名雪さんや香里さんも大変ですね。      予期せぬところから協力なライバルが登場ですから」(;^_^A 綾香 :「そうね」(^ ^; セリオ:「これから、どんなドタバタが繰り広げられるのか。展開が楽しみです」(^^) 綾香 :「それにしても。      こう言っては何だけど、小さくなったのが秋子さんでよかったわね。      祐一って結構理性がありそうだし」(^ ^; セリオ:「そうですね。これがもしもひかりお養母さんだったら」(−−) 綾香 :「…………」(−−) セリオ:「…………」(−−) 綾香 :「危険ね」(−o−) セリオ:「危険ですね」(−o−) 綾香 :「秋子さんで本当に良かったわ」(−o−) セリオ:「うんうん。まったくです」(−o−) 浩之 :「…………。      お前ら、いったい何が言いたいんだ?」(ーーメ



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