蛍
夜の街を独り歩く。
橋の真ん中で一休み。
街灯にもたれて、ポケットから取り出して、火を灯す。
ぽっかり空いた胸の隙間を、
紫煙の香りがゆっくりと満たしてゆく。
夜空に向かって、わだかまりを吐き出せば、
天の川に流れてゆく。
平和な気分で夜の散歩。
俺は今夜も一匹の蛍。
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