オンシツコナジラミ駆除
徹底ガイド
 
 フクシアに付く害虫として、最も有名で厄介なのが、「オンシツコナジラミ」です。
 この害虫の駆除にむけた、私なりのガイドを紹介いたします。

○オンシツコナジラミとは


※葉の裏に大発生したオンシツコナジラミの成虫、幼虫や卵

 白く小さい虫で、葉の裏にいて株を触るといっせいにふわふわと飛び回ります。名前に「オンシツ」と付くだけあって、室内や屋根のかかった所に置くと発生しやすい傾向があります。大発生すると、すす病を併発して、株の成長に大きな悪影響を与えます。

 主に、葉の裏に寄生し、葉から養分を吸って生きています。成虫、幼虫、卵全てが葉の裏にいる事が多いです。葉の裏にいるのは、水に若干弱いからです。
 繁殖スピードが非常に早く、大体1週間の期間で、卵→羽化→成虫→産卵を繰り返します。ここが駆除するのに厄介な部分です。

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○駆除につかう薬剤
 アクテリック乳剤、オルトラン液剤、ベストガード粒剤、アドマイヤー水和剤の散布が効果的です。

○薬剤散布と注意点。



 液剤などを薬剤散布の容器に入れ、全株へ散布します。

 散布についてのポイントは以下の通りです。

・薬剤散布する時は、コナジラミが付いている株、ついていない株、フクシアの近くにあった植物全てに、散布します。

・葉の裏を満遍なく散布。葉が大きい品種、立ち性の品種、大発生した品種は、あらかじめ覚えておき、その株には集中的に散布。

・3つの薬剤を用意し、散布するたび、2ペアずつ、違うペアを作り散布する。これは、コナジラミに薬剤への耐性を付けさせない為です。

・夕方散布を心がけ、散布後は、株がある場所を密閉状態にし、翌朝までその状態を保つ。薬剤がガス化し、飛んで逃げたコナジラミへも効果が期待できます。温室であれば、扉をシッカリ閉め、株一つだけであれば、大きなビニール袋無いで散布すると良い。

・繁殖ペースが早いので、薬剤散布は、3〜4週間間隔で、数度散布します。一度だけでは、すぐに発生します。

※薬剤散布の際は、必ず風通しの良い場所でやるか、散布用の衣服やマスク、ゴーグルなどを用意するかしてください。

 薬剤での問題点は、実は、卵に効果的な薬剤が殆ど無いということです。薬剤を散布しても、卵は幾分残ると考えた方が良いでしょう。ですので、継続的な散布が必要となってきます。また、小動物や環境への影響も考慮しなければなりません。

 大発生になると、成長に影響するだけでなく、他の植物にも移ってしまうので、大発生になる前に駆除作業を心がけることが大事です。もし、大発生してしまったら、他の植物からは隔離して、駆除作業を頑張って行ってください。

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○薬剤を使わないで駆除、もしくは害を軽減する方法

・枝をみじかーく切る。

 ほぼ枝だけになれば、その株には、コナジラミはいなくなります。ほかに移っただけですが。

・石鹸水を葉裏に散布

 石鹸水を散布し、30分ほど放置します。石鹸の成分が凝固し、コナジラミが息できなくなり、成虫に限り、若干の駆除をする事が出来ます。同時に、植物も息が出来なくなるので、30分放置後は、必ず水で洗い流します。
 石鹸水での駆除の場合は、頻度を多く散布した方が良いでしょう。

・黄色い粘着テープで駆除。

 黄色に引き寄せられるという習性を利用した駆除方法です。これも成虫に限ります。
 意外とまずまず効果があり、粘着部分が薬剤を塗布したものもあります。ソレを使うとより効果的です。

・蜘蛛を利用

 コナジラミの天敵は蜘蛛だそうです。見かけたら、益虫としてそっとしておいた方が良いかもしれません。

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○大発生しない為の予防

普段の水掛時に、葉の裏にも水をかける
 さなぎから羽化するのをある程度防げるそうです。

株は出来るだけ、屋外で屋根などの雨よけが無いところに置く
 「オンシツ」と名前に付くだけあって、雨から守られた場所に置くと発生しやすい傾向にあります。逆を返せば、雨に当たると幾分発生しにくいという事です。

・付近の雑草をマメに取る
 発生した場合、温床になりやすく、駆除し忘れるのが雑草です。

発生前に、薬を
 虫は付くという前提で、付く前にあらかじめ粒剤などを施しておくと、効果が高いです。
 時期は、春先、秋の終わり。この時期に、予防的に薬を施します。

以上を、予防的な作業として、行うと、大発生に繋がりにくいと思います。

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フクシアを育てる上で、コナジラミは、夏越しに次ぐ、重要課題です。頑張ってください。

この他にも、つきやすい虫、効果的な駆除予防などありましたら、お気軽にご連絡ください。

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