みかん詩集


          雪

       白い兵隊

       最初に地面じっくり調べて

       白い召使い

       地面かざって

       客を集めて

 

        さあダンスパーティー

        はじまります

        貴婦人達が

        後から後からくるっとまわったり

        ステップふんだりと

        お客の子ども

        見守る中で

兵隊,召使い,貴婦人と姿を変える雪は,こどもたちを十分楽しませてくれるんだね


          雲  

                              

       オレンジ色の

       馬になった雲

       世界中をかけまわり

       世界中を楽しませ

       一瞬でも

       世界を平和にするために

…夕焼け雲がもたらしてくれた一瞬の幸せを

こんなに生き生き表現できるなんて…


             石

                                6年 落田みかん

       宝石みたいなきれいな石も

       そこらへんにあるような石も

       同じ石なのに

       

       宝石みたいな石はちやほやされて

       ふつうの石はけられるだけ

       

       ふつうの石だって

       全てこの世に一つしかないのに 

…けられるだけの石にも暖かなまなざし。…

ふつうの石の自己主張が聞こえたかな。


        にんじん

                                6年 落田みかん

       人間が殺し合った分

       血を流した分

       にんじんは赤くなる

 

       その血でそまるのと

       人間に対してのいかりが

       ごちゃまぜで

       赤くなる

…にんじんを見てこんな詩が浮かぶとは。ぞくぞくしました。…


           夜

                                6年 落田みかん

       夜

      いっしゅん

      静かになると

      何の音だかわからないけれど

      夜がうなっているような音がする

      

      夜は

      何を苦しんでいるのだろう

…夜も生きているのですね。夜の苦しみにも耳を傾けているとは…。…


           地面

                                6年 落田みかん

      今 私が立っている下の

      この地面

      この地面の奥深く

      歴史の流れがねむっている

           そして今

           私は

           歴史の流れの

           わき出るところに

           立っている

                今までの

                歴史の流れを

                ただ静かに 

                見守ってきた

                この地面の上に

      …地層見学に行ってこの思いが強くなったのでしょう。…

みんなが無邪気に土をとっているときに歴史に思いを馳せていたんだね。


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