ぷりん詩集 2
「弟」
6年 野田ぷりん
「加速度を増しながら 命はマイナスに向かって走り出した」
私のおじいちゃんもどんどん悪くなるばかりで
一週間も寝ずに逝ってしまった
「今度は植木を買ってこよう。」
そう言ったおじいちゃん。
買えずに私たちのもとからはなれてしまった
「静岡へ行く」
そう言った弟さんもその願いはかなわなかった
「日々やせ細ってけれど生きようとした」
本当にまるでおじいちゃんのようだった
足に布をしばる時
おじいちゃんの足はまるで骨のように
やせ細っていた。
自分の体でもっとやりたいことがあったはずなのに。
「弟」さんのことがもう自分のおじいちゃんのことになってしまったんだね。
おじいちゃんのために作った千羽鶴も作り上げたぷりん
きっとおじいちゃんは喜んでいる。
おじいちゃん
6年 野田ぷりん
おじいちゃんが焼かれ
骨となって出てきた時
本当にこれがおじいちゃんなのか
信じられなかった
でもどこかで信じているから
涙がたくさん出てくるのだろう
初めて見た本物の骨
骨がこんなにむざんな物だと
私は初めて知った
おじいちゃんの骨は
とても深い悲しみが刻まれているようで
すごく私はつらく悲しい
…信じたくないけど信じなくちゃいけないから涙がとまらないんだね。…
この骨がついこの間まで笑ったり声かけたりしてくれていたんだよね。
おじいちゃん
6年 野田ぷりん
帰ってくると
いつもテーブルの所にすわっていた
おじいちゃん
そして冬には
「寒くないようにな。」
といつもかかさず心配してくれた
おじいちゃん
前まで山でやまいもなどを
元気にほっていたのに
でもそんなおじいちゃん
今はいない
「おじいちゃん今頃何をやっているかなあ。
ごはんでも食べているかなあ。」
そんなことを思いながら
私は一日を過ごす
…まだテーブルのところにおじいちゃんがいるようなそんな感じがするんだね。…
信じたくないよね。
ねむるまで
6年 野田ぷりん
ねむれない
ああねむれない
だけど必死にねようとして
目をつむる
いつのまにか朝が来て
「いつのまに寝たのかな。」
とぎもんに思うねむるまで
ねむる前の
ほんの一瞬が知りたいの
その少し前が
そう
それがどんな感じなのか
ぎもんぎっしりねむるまで
…そうだよね。ねむりに入るその瞬間が知りたいね。鋭い!…
秋の風
6年 野田ぷりん
秋−
秋の風は今日も楽しんでいる
葉っぱのわきの下に入ったり
足のうらをこちょこちょとくすぐるものだから
葉はたまらずふきだしそうになる
そしてその葉は真っ赤になり
とうとう笑い転げた葉は
枝から落ちてしまった
秋の風は落ちた葉を転がして遊びながら
一日を楽しく過ごしている
…これは面白い。秋に落ち葉が多いわけがこれでわかったよ。…
どんぐりの家
野田ぷりん
何回も あきらめようとした
母
圭子を何度もたたいた
母
だけど病気と戦う
圭子が教えてくれた
大切なこと
人が「生きている」ってこと
人が「生きる」ということ
…重度重複障害者の話「どんぐりの家」を読んで…
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