筑波嶺の峰より落つる・・・(99.5.9)

男女川。そういえば,♪ 男と女の間には深くて長い川がある ♪ その昔,長谷川きよしさんが歌っていた。男女川と書いて,みなのがわとよぶ。今日,早起きして家族で筑波山に登った。
家族で筑波山に登るのはこれで3回目。1度目はあすか2才のとき。当時赤ちゃんだったはるなを背負って,のぼった筑波山。あのとき,あすかは「だっこして。」と一言もいわず,のぼりきってしまった。そのとき,はるなを背負って登った父親は情けないことに,鼻血をだしていた。2回目は,96年の11月。この時もつつじヶ丘から,大人の足で約1時間のコースを2時間かけて登った。この時は,下の子,はるなもがんばった。「家にかえりたい。」とこぼしたものの,何度かころびながら登頂に成功。でも帰りはケーブルカー。ああ,あの時買った酒まんじゅうはおいしかった。
そして,今日。今日は筑波神社からケーブルカーのそばの登山道を往復することにした。新緑の筑波山は暑かった。登りは最初からきついのに,あすかもはるなも調子に乗って,フルパワーで歩いていたから,30分ぐらいでもうダウン。でも,実は2人の父親も母親も疲れていたから,ラッキーだった。家から持ってきたあずみ野のおいしい水をがぶりと飲む。あすかとはるなはコンビニで買ったおやつでパワーを充填している。さて再スタート。相変わらず登りはきつい。でも右側から沢の音が聞こえてきた。どうして水の音は人の心を和らげるのだろう。さらに少し行くと,「男女川」という看板が出てきた。そう,そこに清水が流れていたのだ。

筑波嶺の峰より落つる男女川  恋ぞつもりて 淵となりぬる (後陽成院)

迷わずその清水を飲んだ。さだまさしが以前に揚子江の最初の一滴を見たくて中国に渡ったことを思い出した。NHKがそれをパクって大黄河を作った。あの番組も良かった。黄河の最初の一滴の雪解け水。あれを見た感動は忘れられない。実際にロケした人たちの感動が伝わってきたものだった。そんな映像がフラッシュバックし,瞬間的に元気が注入された。子どもたちもここが気に入っていた。登頂の喜びも下山したときの安堵感ももちろん良かった。でも,この水に出会えたことの方が何倍もうれしかった。帰り,お姉さんが「ここの水飲めますか?」と聞いてきた。「ああ,もう飲んじゃいました。」「大丈夫ですか?」「だめかもしれません。」・・・



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