その11

ある日ある時ある場所で

子供がひとり恋をした

影人形に恋をした

声は聞こえど

姿はおぼろげ

ほんとにいるのかわからないのに

子供はひとり恋をする

大人は「無理」「無駄」言うけれど

子供は無心に信じてる

「彼女はいる」と信じてる

いつしか僕の目の前に

笑顔でたたずんでいる事を