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★プロフィール★

帖佐 隆。。
久留米大学法学部教授(法律学科、知的財産法)
弁理士。

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★帖佐隆。。の出版物★

著書「職務発明制度の法律研究」(帖佐隆。。著)(2007年3月発行)




「職務発明制度の法律研究」久留米大学法政叢書16
帖佐 隆 著
株式会社 成文堂より出版。

本体価格: 5,000円
判型: A5判上製

ISBNコード: ISBN4-7923-3225-9


URLはこちら↓。
http://www.seibundoh.co.jp/pub/search/001910.html


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帖佐隆。。の知財政策日記
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★2010年08月11日(水)★


不正競争防止法新21条1項3号は不要だ。

先日は、私がその意見に反対意見をを述べた木村耕太郎弁護士ですが、
一方で、かねてより私が反対の意を述べてきた、不正競争防止法改正についても意見を述べています。
http://ameblo.jp/kimuralaw/entry-10260734024.html

いわく、
『正直、この頻繁かつ小出しな改正の流れには少し呆れている。』
『こういうのを小出しの改正といわずに何と言おう。刑事罰を少しばかり重くしたところで技術流出が減るとでも思っているのだろうか。』
『まさに平成15年改正時の立法の苦労を否定するもの。こういうのを「なし崩し」という。』
『刑事罰を強化することが技術の流出の防止につながるという発想が根本的に誤っていると思う。』
『もちろん適切な刑事罰を設けることは必要だが、それだけで十分なはずはない。いい加減、違う方向性を考えないといけない。』

この件については、まさに、私と同意見です。
よくぞ言っていただいた!、という感じです。

木村弁護士は企業法務の人であり、また、職務発明問題でも使用者側をやっている人です。
にもかかわらず、同改正を不要という。
やはり、相当数の企業法務系の人も不要(反対)と思っているのではないでしょうか。

木村先生、どうぞ、クライアントのキヤノンさんや東芝さんも逆に啓蒙してあげてください。
木村先生のおっしゃるとおりだと思います。

この法改正は、私も含めて、いろいろな論者から問題があるとの指摘がありました。
にもかかわらず、営業秘密を扱わない経済産業省とか、
営業秘密保護強化OKすればなんでもOKの経団連とか知的財産協会が勝手に推進したのです。
たちどまって本当に正しいかどうか、なんて考えてない。

結局、経済産業省の実績づくりだけの政策となっています。
中原裕彦さんが言っていることには、
ミスリードが含まれているといわざるをえません。

国民一般は迷惑だ。国民の多くはそのような改正を求めていない。

しかし、萎縮効果等により、これは発明の創出、技術創出、に明らかにマイナスだし、
イノベーションの停滞を招くおそれがあります。
7月1日に施行されましたが、
不景気ニッポンのイノベーションをますます停滞させるでしょう。

天下の悪法。

廃止が求められます。


★2010年08月03日(火)★

発明者の多くは、決して『過大評価』などはしていない。

木村耕太郎弁護士が、自らが被告キヤノン側で関与した
第二次キヤノン職務発明事件について語っています。
http://ameblo.jp/kimuralaw/day-20100709.html

いわく、

 『また、訴訟を起こすような発明者というのは、自分の発明
を必ずと言ってよいほど過大評価している。二重、三重に
勘違いをして訴訟を起こすのだから、勝てる方が不思議で
ある。』

すごいことを言っていますね。
さすがにこれには大いに異論があります。

別に私は原告の箕浦一雄さんを誉めたり、
過大評価するつもりはないけども、
この見解は違うと思います。

理由ですが、
まず、本人訴訟でなく、
弁護士がついている職務発明訴訟というのは、
最初に、自分の味方になってくれる弁護士を説得しなければならない。

これに対して、職務発明をやる弁護士はいくらなんでも、
それなりに受けるべき利益と貢献度が認められるものでなければ、
勝てないことくらい知っているでしょう。
ましてや、キヤノン事件の代理人は黒田弁護士であり、
使用者側までやっている人だから、
ある程度勝算がある事案しか相手にしないはずです。

逆に、弁護士は、
勝てなさそうな事件であれば
必ずや逆に発明者のほうに思いとどまるように説得するはずであり、
これを受けて、多くの発明者は、
きっと理解して、あきらめるはずです。

この点で、木村耕太郎弁護士は誤り。

次に、箕浦さんの場合、
第一次訴訟でも第二次訴訟でも、
社内表彰で優秀社長賞を受けている。

つまり、最初に評価したのは、発明者ではなく、
使用者企業のほうでしょう。
キヤノンという会社は、まったく社業に貢献していない発明に
優秀社長賞を与えるほど、アホな会社でしょうか?。
私はそうは思わない。

使用者側で「優秀社長賞」といっておいて、
発明者が『過大評価』とか、
『二重、三重に勘違いをして訴訟を起こす』
というのは、ちょっと違うと思うのです。
どうでしょうか?、使用者側代理人さん。

三点目ですが、
私はキヤノン第二次訴訟はまだ精査していませんが、
少なくともキヤノン第一次訴訟については、
政策的に対価を抑制された形跡がある。

私は評釈(注1)にも書いたのですが、
キヤノン第一次訴訟における、
実施料率を認定した乙72号証にいう、
単なる「確認書」と呼ばれるものは、
これはライセンス契約書の原本ではなく、
そこに書かれたとされる実施料率は、
真実のものかどうかわからない。

にもかかわらず、
裁判所は、
これを真実にしてしまった。
つまり、被告側が出した”適当な”値を
事実にしてしまったわけです。

私にいわせれば、
ここで真のライセンス契約書に基づいて、
対価を算定したならば、
受けるべき利益は、より高い方向に落ち着いた可能性はある。
(普通被告が出すものは、額を安くする方向ですよね。)

結局、裁判所と被告で、
政治的に対価を落とし込んでいるからこそ、
数千万円に対価が抑制されている、といえる可能性もあるわけです。

今回、第二次訴訟は現在のところ約200万円と出ています。

これに対し、第一次訴訟は、高裁では認容額は数千万円でしたが、
真の値は、この倍とか数倍とか、
あるいはもっとあったかもしれません。

そうなると、ここでも、
決して原告の『過大評価』ではないと思うのです。

つまり、対価請求訴訟においては、全部とは言いませんが、
政治的に対価が抑制される傾向がちらほら見られるのです。
となると、低額に抑制されても、
必ずしも、『過大評価』とは限らないと
筆者は思うのです。

ですので、第二次キヤノン事件においても、
このへんを精査しないと
『過大評価』かどうかはいえないと思います。

続いて、四点目、
もし、原告箕浦さんが『過大評価』しているというのならば、
どうして、キヤノン事件の被告(代理人)は、
「利益」と「貢献度」のみに
争点をしぼらないのでしょうか?。(まあ、被告の意向もあるでしょうが。)

すなわち、『過大評価』ならば、
利益が限りなくゼロか、
せいぜい従業者貢献度がゼロか、のみをいえば足りるはずです。

そしてそれは『過大評価』ならば、
必ずや立証できるはずです。

現に、平成20年提起東芝職務発明事件(注2)では、
使用者側が利益ゼロを主張して、それが通っている。

にもかかわらず、
新法を適用すべきとか(注3)
(彼らの新法の解釈も間違っていますが・・・)
苦し紛れの法律論を展開する必要はないはずです。

それを言わなければならないというのは、
やはり超過利益額額が現に相当額存在するからであり、
別の理由をつけてでも、対価の追加支払を阻止したいからでしょう。
となると、
『過大評価』というのはこの点からも誤りだと思います。
だって現に利益があるのですから。

まあ、そういうわけで、
この木村弁護士の見解は、
誤りであり、ミスリードだと思いますね。

(注1)帖佐隆「判例評釈 キヤノン職務発明対価請求事件高裁判決」知財ぷりずむ Vol.7 No.81 p86~p111(2009年6月)
(注2)平成20年提起東芝職務発明事件
 東京地裁平成22年5月19日判決、平成20年(ワ)第10657号。

(注3)
ちなみに第一次キヤノン訴訟の提起時には、
新法は存在すらしていなかったのです。
加えて、旧法適用案件であることは、
改正法附則2条1項で明文規定されており、
これに反することを弁護士がペラペラと主張するのは、
もし弁護士が法律を知っている存在であるというのならば、
もはや法律論を超えて、
それは単なる”嘘”に近い。

※弁護士さんで、
「私は嘘をついたことがない」などと言った人を知っていますが、
この主張の場合どうなのでしょう?。
法律論?嘘?。
嘘と法律論は紙一重?。


★2010年07月31日(土)★

「知財立国」という語、もうやめにしませんか。

最近、日常特に思っていることは、
「知財立国」の語は、やめたほうがよい、
ということです。

この「知財立国」の言葉を使えば、
知財政策について何をやっても許される、との
免罪符ともなり、
ヘンな政策にお墨付きを与えることになり、
妥当ではありません。

私は、
もとより日本は「技術立国」
を目指すべきだと思っており、
その実現のための知財保護、
という意味では、知財重視に賛成です。

しかし、近年、目に余る政策が次々と出てきても、
なんでもかんでも「知財立国」「知財立国」といってすすめていくのは、
納得のいかないことが多いです。
そして、この「知財立国」という言葉が出てくると、
多くの人々は思考停止に陥ります。

結局、どのような政策を採用しても、
「知財立国」だ、でしょう。
プロパテント政策を導入しても「知財立国」、
アンチパテント政策を導入しても「知財立国」。
いったい何がしたいのだよ、という感じです。

結果、知財だ知財だワッショイワッショイ、
と叫んでいる連中(以下「知財ワッショイ族」という。)
だけが喜び、
自らの大学院に利権を呼び込んだり、
とんでもない政策が通ってしまったりするわけです。

ちなみに、特許権に関して言えば、近年の状況は、
完全に「アンチパテント」な状況でしょう。

特許出願は減る、特許はすぐ無効になる、
特許を出さずに先使用権でいこう。(←これを特許庁が言うかね。)
しかも差止請求権も弱めよう、などという。
差止のない特許なんて、
果たして意味があるのか、どうか。

いわゆる一部の知財ワッショイ族、等だけが元気で、
ピーチク・パーチク、勝手なことを言っている状況。

そして、特許保護が不十分になれば、営業秘密に潜ってくるわけだが、
そうなると、例の悪法による萎縮効果とか、
創作意欲の減退につながります。悪循環。

ちなみに、荒井寿光さんが、その昔、書いた本のタイトルは、
「これからは日本もプロ・パテント(特許重視)の時代」
http://store.tsutaya.co.jp/item/sell_book/9784827104653.html
ですよ。
なんとも、大はずし。
もう笑うしかありません。

今のどこがプロパテントなんですかね。

つまり、荒井さんが政策介入しているこの10年で、
荒井さんは、プロパテントとは逆の社会を作ってしまった。

要は、荒井さんとお仲間たちの政策が
間違ってた、ってことではないのですかね?。

そのへん、総括して、
腹を切ってもらわなければ困ります。(←もちろん比喩的な意味です)


★2010年07月24日(土)★

駒込大観音事件高裁判決

知財高裁平成22年3月25日判決、平成21年(ネ)第10047号。

(原審 東京地裁平成21年5月28日判決、平成19年(ワ)第23883号。)

駒込大観音さんの仏像の首のすげかえが、同一性保持権侵害か否かが争われた事件ですが、

原審地裁判決も高裁判決も、すでに逝去された亡兄が著作者であると認め、

著作権法60条の問題となり、著作権法116条による遺族の請求として、

著作権法115条のうち、訂正広告(のみ)を認容した事案です。

まず、原審地裁判決は、著作権法115条のうち「訂正」は、

名誉声望の低下を要件としないで認めうると解し、

首を元に戻すことが訂正であるとし、訂正に限って認容し、

首を元に戻すことを命じました。

これに対し、高裁判決は、訂正広告を行うことで、

名誉声望の問題は解決するとして、訂正広告のみを認容したものです。

で、私ですが、高裁の飯村判事に叱られてしまうかもしれませんが、

原審地裁判決のほうを支持したい感じがします。

著作権法に、同一性保持権というものが存在し、

かつ、死後においてもこれを尊重すべき旨が

定められている以上、元に戻すことが

”同一性保持権侵害”状態の解消となり、

この状態こそが法が求めている状態だと思われるからです。

高裁がいう訂正広告のみでは、名誉声望の問題は解消されるかもしれませんが、

”著作権法20条違反”相当の状態がそのまま残り、”違法”状態が続き、

これは法に反すると思うからです。

 

ところで、同高裁判決では、法113条6項の著作者人格権みなし侵害が

法20条侵害と併せて認容されているのが目を引きます。

法113条6項侵害は、ざっと調べたところ、どうやら法20条侵害と

セットでなければ認容されていないように思います。

法113条6項侵害単独ではなかなか認められにくい。

単独での認容はまだみあたりません。

 

高裁判決では、115条の「名誉声望」につなげるため、

同じ「名誉声望」をいう113条6項侵害を述べたくなったのでしょうか。

 

そうなると、113条6項と115条と18条~20条までの

著作者人格権の関係が気になります。

それは以下の図のような関係かと思われます。



図のウとオの部分のみが名誉回復措置請求が認められる範囲であると思われますが、

訂正広告であれば、イとエの部分でもよいのでしょう。

でも113条6項の請求がなされていなくても、本来的な著作者人格権侵害があり、

かつ、ウ(訂正広告についてはイでも)に入っていれば、名誉回復措置請求は

認められるかと思われます。

過去、18条~20条の本来的な著作者人格権で115条の名誉回復措置請求が

認容された判決は、113条6項の請求がもしなされていればそれも認容されたかと

思われます。


★過去分200811~200910の帖佐隆。。の知財政策日記はこちら★


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★オピニオン★

1、新特許法35条「事例集」に対する特許庁へのパブリックコメント。
(20040825)

2、審議会の報告書は新法の立法趣旨ではない。
(20040825)

3、審議会に対するパブリックコメント(過去提出分)


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