<命 柳 美里 小学館>
たぶんこの手のエッセイは好きではない。 ただ、読んで全く無駄だったとは思わない、むしろいろいろと勉強になった。 そういう意味では十分に読む価値のある本だ、おそらく女性に多く読まれているのではないかという予想されますが むしろ男の人が読むといいのではないかな?なんて思っていました。
なんか無理矢理自分をどん底のように書いているがその辺はいまいち共感がもてない。 しかもこの本はとっても不親切!!芥川賞を取った事がある作家だから自分の事などみんな知っているかのような 書きっぷりだが、初めて読んだ私にはこの人はいったい誰なのか?そんな疑問があたまから離れなかったのだ。 かなり読み始めて在日韓国人なのだと言う事もわかった。 家族関係もそうとう後の方になっていろいろと説明している。 はじめの方のまどろっこしさは後半で解消はされるもののいまいちな感じでした。
たぶん妊娠中から既に書き始めていたのでしょう。 と言うか、日記をつけていたといったところかもしれない。 よく寝ている間に見た夢の記述なども出てきて、起きた後すぐにメモしておいたのだろうか? などと不思議な気分になったりもした。
自分の事をやたらと不幸だと書き綴っているが、どーも彼女が不幸だとは思えない。 たしかに幸福や不幸は他人が計るものではない、というか計れない。計ってはいけない。 もしこの本に書かれている事が本当であれば、たくさんの良き人を友人に持って幸せなのかと思いましたが・・・。
女性作家との相性があまり良くない事をよく知っているので女性作家の本はあまり読まないのですが、 たまに読むと新鮮でいいですね、好き嫌いはあまりよくない。 妊娠や出産についての記述や子供が生まれたあとの記述・・・・いい勉強にはなったかな?
生と死の対比がとてもリアルだ、こんな本を読めばイヤでも生と死について考えてしまう。 そうでなくても死についてはたまに考える事がある、それは自分にとって生よりもずっと近くそして 突然やってくるものだという事をよくわかっている。 たとえ癌患者じゃなくても明日死ぬ事はありえるからだ。死とは常に隣り合わせなのだから。 そんな事をふっと考えられるだけでも読む価値はある。 ディティールの細かさにはさすがに脱帽だ、言い回しや、文句も好きな表現が随所にみられたし。 とにかく面白くはなかったし、感動もしなかった、いい話だとも思わない!でも読む価値はある。 特に最近の若者を中心に読め(こんな事を書くと若くないみたいじゃん<自分)。
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