<水車館の殺人  綾辻 行人 講談社文庫>

 

 

総合評価 ★★★★

完成 ★★★★

創造 ★★★★

残留 ★★★

衝撃 ★★★★

価値 ★★★★

鋭敏 ★★★

 

館シリーズ第2作品目。

古城を思わせる異形の建物「水車館」。

過去の事故で顔面を傷つけ常に仮面をかぶる主人と幽閉同然の美少女である妻、

うさんくさい客が集まり、惨劇が起こる。

 

過去と現在の話が交互に進んでいき、多少混乱気味になる(作者の術中?!)。

巧い文章で、読者を翻弄する感じはさすがだ。

伏線もいたるところにあり、注意深く読んでいけば、仕掛けに気づくかも知れない。

が、それを自然な状態でうまく隠している。

 

ミステリ小説なのだが、あるいみホラー小説のような要素もあるのではないかと思う。

「十角館に殺人」に比べると少々大がかりで、大味かも知れない。

ちょっと重くて、複雑、いろいろなものが絡み合って、大事なものを巧く隠している。

いい作品です。


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