<ループ -LOOP- 角川書店>
「リング」、「らせん」に次ぐシリーズの完結編。 読み始めてしばらくはどのようの「リング」、「らせん」と繋がっていくのかがわからなくて あれ?あれ?と言った感じだったのですが、まさか言った展開になりました。
この本をよむと「らせん」でやや不満だった部分が解消されていますね。 前2作にくらべてかなり現実的な側面が見えたりもします。 また前作との繋がり自体もわりとスムーズで吃驚した・・・多少問題ありな部分はあったかもしれないが、 3作の全体のバランスを見た場合、十分に辻褄はあっているでしょう。 まぁ前作部分の処理の仕方が納得行かない人もいるかも知れませんが、私的にはオッケイ。
今回は世界に蔓延したガンウィルスから世界を救うといった内容なのだけども、 化学知識よりも医学知識に重点を置いて、ウィルスの発生源を突き止めていく。
「世界」と言うものにテーマのようなものをおいて書かれ、伏線も最初の方から わりと意識できるような感じはってあって、後半に上手く生きている。
ただ、最後の方でやや尻つぼみになったような感じがややある。 物語の解決方法がいまいちかな?と。 また、最後に世界は結局救われたのかどうかは明確に表現されてはいない。 なんかこれは次回作を臭わせているのかと疑いたくなってしまった。
ただ、ちょっと気になったのが「らせん」のあとがきで「らせん」は企画自体は「リング」を 出版させる以前からあったと書いてあるのだけども、「ループ」のあとがきには全体の構成があった上で このシリーズを書き始めたわけではない!と書かれている・・・あれ? 「リング」を書き終えたときに「らせん」はまったく頭になかったし 「らせん」を書き終えたときも「ループ」の展開など浮かびもしなかったと書かれているのよ。
どっちが本当ですか? まぁそれで本の評価が変わる訳じゃないけどね。
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